Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

育児休暇と日本滞在

次女の育児休暇を利用し、1ヶ月半という、恐らく最初で最後の日本長期滞在を実現させました。

金沢の夏祭。

金沢の夏祭。

最後に日本に帰国したのは15年の2月の出張時でしたので、それから出産等を経て1年半の月日が経っていたことになります。今回の目的は、久々の日本滞在を満喫することももちろんですが、長女かおりを日本の幼稚園に通わせるということでした。かおりはマドリッド在住のハーフの子供の中では珍しく、私とは常に日本語で会話をしますし、ひらがなやカタカナも読むことができますが、やはり話し相手が私しかいない環境での日本語上達には限界があります。日本語と日本文化にどっぷり浸かれる環境を何とか提供してあげたいと思っていた私にとって、今回の育児休暇は貴重な機会となりました。私の育児休暇が8月初めまで、スペインの幼稚園が夏休みになるのが6月20日、日本の幼稚園が夏休みに入るのが7月20日ということで、絶好のタイミングでもあったと思います。

スペインの幼稚園では給食か自宅に帰っての食事かを選択する為、お弁当グッズが新鮮でした。持って行くタオルやナプキン、水筒ケース等の可愛さに脱帽。

スペインの幼稚園では給食か自宅に帰っての食事かを選択する為、お弁当グッズが新鮮でした。持って行くタオルやナプキン、水筒ケース等の可愛さに脱帽。

夫はそこまで長い休暇は取れない為、私が長女と次女を連れて一時帰国をし、息子はマドリッドでしばらく夫とお留守番をし、その後夫と息子の二人が日本で私たちと合流するということになりました。息子はやんちゃ盛りということもあり、さすがに子供3人を連れて私一人で飛行機を乗り継いで日本に行くのは無理だと思いましたが、あまり状況が飲み込めないままいきなり保育園に行くことになり、妹ができて末っ子時代が終わり、さらにお姉ちゃんと妹がママと一緒に消えて一人になった息子にとって、私たちと離れていた期間は色々辛かったようです。一時的なものだからすぐ終わると思いつつ、ちょっと息子には可哀想だとも思いました。

日本の幼稚園に通わせるには色々な手続きもありましたが、幼稚園に子供を通わせている知人のサポートのお陰で思った以上にスムーズに事が運び、娘にとっては非常に有意義な経験となりました。ただ、もちろん「有意義」というのは後から言えることであって、娘にとっては大変な時期もありました。日本語が話せるとは言え、一日中日本語だけで過ごしたことがなかった娘にとって、朝から晩まで日本語だけという生活はそれなりに疲れるものだったようです。また、全く知らない子供たちの中にいきなり入り、スペインの幼稚園とは全く勝手の違う日本の幼稚園で過ごし、知らない行事や歌を覚え、皆と一緒に組体操(あるんですね!)をし…という生活で、カルチャーショックの連続だったようです。幼稚園の通園2週間目が終わる頃には、「スペインの友達に会いたい。⚪︎⚪︎ちゃんは他の言葉は話さないのに、私の話し方がおかしい、って言ってくる。もう幼稚園は行きたくない。」と電話で夫に言って泣いたこともありました。夫は夫で、マドリッドで留守番中の息子が言うことをきかず、色々大変だったようです。また、娘にとって、幼稚園のバスに乗るために早起きをして20分以上かかる道のりを毎朝歩くのは辛かったようで、「お母さん、これは夏休みじゃないよ。スペインに戻ったら本当のお休みがあるよね?」ときかれたりもしました。私自身、長女が起きる前に準備をし、次女も連れて外出し、幼稚園の終わる時間にまた次女と一緒にバス停に行き、食事の準備をし…という生活だったので、夜は私もぐったりでした。反面、私にとっても日本の幼稚園での経験は非常に貴重で、日本の幼稚園の良さ、丁寧さから学ぶ所も大きく、改めて日本のママ達はすごいなぁ…と感心しました。このような機会を作るために全面的に協力してくれた知人と、娘の成長を見守ってくれた幼稚園の方々に感謝の気持ちでいっぱいです。

保護者会にも参加。お昼の12時半開始だった為、参加者は主婦のみ。スペインだと午後4〜5時に設定しないと保護者から反発が来るので、この辺りの違いも面白かったです。

保護者会にも参加。お昼の12時半開始だった為、参加者は主婦のみ。スペインだと午後4〜5時に設定しないと保護者から反発が来るので、この辺りの違いも面白かったです。

娘の作った織姫と彦星は青と緑の目でした。クラスでも娘だけだったようです。

娘の作った織姫と彦星は青と緑の目でした。クラスでも娘だけだったようです。

夫と息子も娘の幼稚園訪問をしました。息子は遊具に夢中です。

夫と息子も娘の幼稚園訪問をしました。息子も遊具に夢中です。

夫と息子が日本に到着してからは、久々の親子でのゆっくりした時間を楽しみました。今回もAirbnbを使っての滞在だったのですが、滞在先の方が非常に親切でフレキシブルな方だった為、本当に色々と親切にしていただき、ホテルと家の良いとこ取りの生活を楽しめました。洗濯や料理ができ、皆でお風呂とお布団の生活を楽しむことができたことに加え、美味しい朝食を準備していただき、最後にはスーツケースを空港に送る手続きをしていただきました。色々な場所でAirbnbを利用しましたが、ここまで良くしていただいたのは初めてで、最後は皆名残惜しくお別れという感じでした。

部屋はこんな感じです。次女がいつも先にスタンバイ。

部屋はこんな感じです。次女がいつも先にスタンバイ。

娘の幼稚園の通園期間が終わってからは、待ちに待った家族全員での旅行です。さらに、今回は、5歳、3歳、3ヶ月の子供達と一緒ということで、基本的には、観光というより、家族でゆっくりしながら楽しく過ごすことがメインの旅でした。以下の場所を巡りました。

⚪︎ 鎌倉
大学時代のゼミの友人が鎌倉に住んでおり、彼の家で他の友達も招いてのバーベキューを行いました。友人達のほとんどが今ではパパやママ。ファミリーと一緒に再会して色々な話をし、美味しいお料理に舌鼓を打ちました。昔の木造の民家を住みやすくしたような家はまさに「くつろぎの家」という感じで、友人と彼の奥さんには本当によくしていただきました。一緒に海に行ってゆっくり過ごし、テントを張ってお弁当をいただいたこと、子供達が海で大喜びしていたこと、鎌倉の美味しいパンとコーヒーの朝食をいただいたこと等が本当に良い思い出として残っています。

バーベキューを楽しみつつ。

バーベキューを楽しみつつ。

友人はさっとテントやパラソルを準備。さすが、海に触れる生活をしているだけあります!

友人はさっとテントやパラソルを準備。さすが、海に触れる生活をしているだけあります!

今年初めての海。友人の息子さんと一緒に。

今年初めての海。友人の息子さんと一緒に。

⚪︎ 豊田
トヨタに勤めていた頃の昔の友人に会いに愛知県の豊田市に。偶然、中学時代の友人の一人がトヨタの人と結婚し、カナダでの駐在生活を終えて帰国していたので、彼女の家に泊まることに。家族ぐるみで本当に楽しいひと時を過ごしました。仕事で忙しい旦那様も時間を割いてくださり、夜遅くまでお酒を飲んだりして話したのも良い思い出です。子供達もすぐに仲良くなり、かおりは早速その家の女の子と一緒にベッドで寝ていました。子供達の順応力は流石です。

会ってすぐに仲良くなったかおりと友人の娘さん。とても楽しそうでした。

会ってすぐに仲良くなったかおりと友人の娘さん。とても楽しそうでした。

次の日は、車が大好きな長男を喜ばせる為、本場の工場見学ツアーに。ツアーは事前に予約しておく必要がありますが、子供達にとってはなかなか良い経験になったようです。

トヨタ会館にて。最新の自動車にも乗れ、こんなロボッロのバイオリン演奏も聴くことができ、なかなか楽しかったです。

トヨタ会館にて。最新の自動車にも乗れ、こんなロボッロのバイオリン演奏も聴くことができ、なかなか楽しかったです。

3歳未満はツアーに参加できないこともあり、私と次女はお留守番。その間に以前お世話になった人達に会い、色々な話をすることができました。一緒に入社した元同期も今では中堅。駐在生活の話等を聞き、皆それぞれの場所で活躍していることを実感し、嬉しく思いました。その後、工場見学を終えて戻ってきた夫と子供達と一緒に産業文化センターという場所にも行き、子供達が喜ぶような遊びで一頻り遊びました。夜は同期と一緒に夕飯。一緒に仕事をした友達が皆子供達を連れて来てくれ、また一味違った再会となりました。

⚪︎ 浜松
母方の親戚のいる浜松も訪問しました。叔父や叔母もだいぶ高齢になり、行くと迷惑をかけてしまって申し訳ないと思う反面、皆でホテルにゆっくり滞在してのひと時は本当にありがたく、貴重な二日間となりました。今回はホテル滞在でしたが、そのホテルに波のあるプールというのがあり、子供達はここでも大はしゃぎ。その後の温泉タイムも良かったようで、既に露天風呂というものを忘れていた娘にとってはかなりの驚きだったようです。叔父と叔母が夕飯に個室を予約してくれた為、くつろいだ中で次女は途中で眠ることができ、息子が多少動き回ってもゆっくり食事をいただくことができました。

ホテルの部屋で子供達は大興奮。

ホテルの部屋で子供達は大興奮。

こういった和の盛り付けの美しさに感嘆。

こういった和の盛り付けの美しさに感嘆。

希良は座布団に寝ていましたが、こうして時々叔父や叔母に相手をしてもらっていました。

希良は座布団に寝ていましたが、こうして時々叔父や叔母に相手をしてもらっていました。

毎回のことですが、叔父と叔母と話をする度に、自分が小さかった頃一緒に過ごした時間が思い出され、そういう人達と今は大人同士として話ができることのありがたさをしみじみと感じます。

叔父とかおり。かおりは叔父や叔母に囲まれて本当に楽しそうでした。

叔父とかおり。かおりは叔父や叔母に囲まれて本当に楽しそうでした。

⚪︎ 金沢
夫が2014年に1年間日本に滞在した際、最初に語学研修で滞在したのが金沢でした。その夫のホストファミリーが今回も受け入れてくれ、子供達も我が家のようにのびのびとくつろいでいました。金沢では珍しく観光を少しすることができ、皆で兼六園と金沢城公園に。

金沢城公園にて。観光…??

金沢城公園にて。観光でもないような…??

夫のホストファミリーとのんびり話をし、漬物作りや家庭菜園の野菜の収穫等を見て、さらに地域の夏祭り(といっても、金沢なので盛大です。)にも参加でき、とても楽しい滞在となりました。また、息子は北陸新幹線に乗って大喜びでした。

夫が2004年に語学留学した際、お世話になった人たちにも再会できました。12年経っても覚えてくれた人も。(良い生徒だから、という訳ではなさそうな…。)

夫が2004年に語学留学した際、お世話になった人たちにも再会できました。12年経っても覚えてくれた人も。(良い生徒だから、という訳ではなさそうな…。)

皆で夏祭に参加して。

皆で夏祭に参加して。

それぞれの団体が自分たちの浴衣をデザインしていて風情がありました。こういうところも、さすが金沢ですね。

それぞれの団体が自分たちの浴衣をデザインしていて風情がありました。こういうところも、さすが金沢ですね。

⚪︎ 千葉
実家の父を訪ねる際、一人暮らしの父の家では大変ということで、近くに住む高校時代からの親友Sのお宅にお邪魔しました。ちょうど隣の家が一軒空いているということで、そちらに宿泊し、食事は友人宅で一緒にいただくという形で滞在をしました。久しぶりにSの家族に会えたのももちろん嬉しかったのですが、子供を寝かしつけてからそっと家を抜け出し、Sと一緒に語らうひと時が持てたのも貴重でした。子供が3人だと夜の外出は限られる為、こんな時間が本当に贅沢でした。子供達も、Sの家族から色々なプレゼントをもらい、一緒に遊んでもらって大興奮。次女は興奮する長女と長男の陰でひっそりと過ごしていましたが、皆が次女の相手もしてくれ、次女もニコニコ顔でした。

子供達が小さいこともあり、希望の条件に合うホテルがほとんど見つからなかった今回の滞在ですが、色々な人が私たちを受け入れて下さり、本当に心に残る旅となりました。こういう機会でもないと、日本で他の人達のお宅に行くことって滅多にないものですね。色々なお家での暮らし方や家庭料理の違い、趣味や好みの物等が見え、日本人の私にとっても発見の多い滞在でした。改めて、私たち家族を受け入れてくださった人達に感謝でいっぱいです。

日本旅行の最後は都内のマンションに滞在しましたが、そこを拠点に都内のいくつかの場所を回り、従兄弟や友人にも会い、マンションで友人を迎えて過ごすこともできました。夜の外出が難しい中、このような形で皆に会うことができ、充実した滞在となりました。

三人目が生まれたということで、三本のロウソクと「Congrats!」です。

三人目が生まれたということで、三本のロウソクと「Congrats!」です。

スペインの育児休暇は16週間なので、あとちょっとで職場復帰です。日本で家族と濃密な時間を過ごせたせいか、今回は穏やかな気持ちで仕事に戻れそうです。日本の幼稚園通いを終えて成長したかおり、スペインでお留守番を頑張った健斗、私とずっと一蓮托生で過ごした希良、今回の滞在の実現のために協力してくれた夫、皆に感謝です。仕事に復帰した後、5人家族の生活がどう変わっていくか楽しみです。

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