Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

出張

2月に初めて日本出張の機会をいただき、週末をはさんで一時帰国をしていた為、仕事の段取りやら家の方の片付けや料理の準備、荷造りやら何やらで、あっという間に2月が過ぎてしまいました…。

機内から見た日本。「帰ってきたんだなぁ」という感じでした。

機内から見た日本。「帰ってきたんだなぁ」という感じでした。

今回の一時帰国のメインは仕事だったので、友人との時間は取れなくても仕方ないと思っていたのですが、子供達を連れずに一人で帰国をすると夜まで身軽に行動できたせいでしょうか。思った以上に家族や友人との時間も取ることができました。このような機会をいただけて、本当にありがたかったです。

特に色々な気持ちを反芻した出会いや会話について、自分の気持ちの中で整理できた部分を徒然なるままに書きます。
恐らく、私のように海外で生活している人達には身近なことばかりだと思いますが、改めて実感したことを共有できれば…と思います。

 

1.家族
日本に行く時にいつも感じることですが、ちょっと寝てちょっと乗り換えをしただけであっという間に日本に着き、着いてみるとそこにずっと住み続けているような感覚を覚えます。世界は小さくなったというか、いつもの生活が隣りの街で起きているような…何とも言えない不思議な感覚です。

成田から実家までの途中駅。夏の暑さも冬の寒さも印象的で、この駅を見ると何だかホッとします。

成田から実家までの途中駅。夏の暑さも冬の寒さも印象的で、この駅を見ると何だかホッとします。

帰国直後は、まず実家に行き、一人暮らしの父に会ってきました。父が私の来訪を喜んでくれたこと、私と夜遅くまで語って嬉しそうだったことが心に残りました。私のように遠くに住んでいると普通はなかなか親に会えない訳ですが、帰国をすると実家に数日間滞在することが多い為、逆に夜遅くまでゆっくり深く語れるそうです。一番遠くにいる私と一番深く話せるというのが不思議と言えば不思議でしたが、もし私が都内に住んでいたら実家に泊まるということはないので、遠いようで近い利便性もあるのかな、と感じました。

父がご馳走してくれました。やっぱりお蕎麦と海鮮丼って美味しい…♪

父がご馳走してくれました。やっぱりお蕎麦と海鮮丼って美味しい…♪

同時に、私は遠くに住んでいるので、父のことは気にかけてはいるものの、物理的には父を助けることはできないということをはっきり伝えました。もちろん父もそれを分かっているはずですが、やはりこちらとして面と向かってこういうことを伝えるのは、時には思った以上にエネルギーを必要とします。自分が小さかった頃の両親のこと、今の父のこと、その他色々な考えが頭の中をめぐりました。

 

2.Tさんのご家族
前回のブログで、友人Tさんのことについて書きました。ちょうどご家族との都合がつき、少しでしたがお会いすることができました。
わざわざ私の滞在するホテルまで足を運んでもらい、さらにTさんの使っていたというティーカップ・ソーサーのセットを形見にいただきました。なんと、このティーカップが私の好きなVilleroy & Bochのもので、何と”Made in Luxembourg”と書いてあったのにはびっくりしました。夫の育ったルクセンブルグに縁のある食器メーカーではありますが、既にルクセンブルグでは製造していない為、この偶然にも何だか運命のようなものを感じました。大切に使いたいと思います。

ご家族からは、Tさんが自分の病気について全て知っていたこと、死に対して心の準備をしてきたこと、自分が「この日に行けるのね」と言った日に亡くなった話等を聞きました。常に周りの人に愛情を注ぎ、幸せにしてきた彼女がもういないのはとても寂しいことですが、彼女の姿勢から、私も誠実に生きるということの大切さを学んだように思います。本当に、大切な友人でした。
忙しい中、このような時間を割いてくれたご家族に感謝です。

 

3.以前の職場の上司

昔の上司と食事をした後。マドリッドには高層ビルがほとんどないので、この景観の違いが新鮮でした。

昔の上司と食事をした後。マドリッドには高層ビルがほとんどないので、この景観の違いが新鮮でした。

私はスペインに行く前に3年弱日本で仕事をしましたが、当時の法務部長Sさんにお会いすることができました。今は別の会社の執行役員として仕事をされていて、ほとんど以前の会社との接点はありません。それでも、当時の同僚の話等も聞くことができ、とても楽しいひと時を送ることができました。

私が仕事をしていた時は、ちょうど母を亡くした直後で色々辛い時期と重なったのですが、そのような中、非常に親身になって色々な部分で支えて下さったのがこのSさんでした。ロスやボリビアに出張の前に夜中の2ー3時まで残業する私に付き合ってくれたこと、会社を辞めてスペインに行く前の最後のの引っ越しを手伝ってくれたこと、私達の結婚披露宴を日光で行った時に名古屋から車で駆けつけてくれたこと…。部下の為に全力投球してくれ、色々なことを相談できる本当に良い上司でした。

多忙な人なので、子連れで帰国するとまず会えないという状況だった為、今回の帰国で久々に会うことができて本当に良かったです。仕事を通じてSさんのような人達に知り合えたことに感謝しつつ、自分もSさんのような賢さと誠実さを持ちたいものだと思いました。

ちなみに、自分の中では、今までの感謝と会えた喜びを表すなら「ハグ」だったのですが、やはり日本にいる日本人同士(+男性の上司)なので、「分別をわきまえて」ということで握手をして別れました。この辺の調整が難しいなぁ…と、ちょっと思いました(笑)

 

4.大学時代の友人
大学時代の友人で、私が本当に尊敬している人達のグループがあります。NYで大学3年時に世界各国の若者と一緒に受けたインターン(?)の参加者なのですが、それぞれが優秀なだけでなく、非常にバランス感覚に優れた人達で、それぞれの分野で活躍しています。彼らと話をする度に、新しい世界を見せてもらうような、そんなワクワク感があります。
普段は誰かが海外に行っていたりでなかなか全員揃うことはないのですが、今回は何と8人中5人が東京に集まれるというチャンス。TK、S、1月に子供が生まれたという友人Aの家に皆で集合することになりました。そういえば、彼らが私達の日光での披露宴に参加してくれたこともありました。私が到着すると、「はるきが我が家にいるー!」と喜んでくれ、こっちもとても嬉しかったです。

当時は大学生だった私達も、今では皆がそれぞれの専門分野で仕事をしています。それでも、会話がすぐに日本語から英語になったり、今の日本の現状を憂いたり、ある人に対して皆が突っ込みを入れたり…といったことは昔と変わらず、「また古巣に戻ってきたなぁ」という感じがしました。久々に会っても昔に戻ることができるのも勿論ですが、皆夫々が昔と変わらず色々なことに興味を持って前進しているのが分かり、何だかこっちもエネルギーチャージができました。仕事が終わった日でもあった為、最高の金曜日となりました。

5.高校時代の友人
私の高校時代の親友の一人Sにも、何とか時間を作ることができました。(他の友達の皆さん、なかなか会えなくてごめんなさい!!)彼女は高校時代からの本当に親しい友人です。遠くに離れていても、いつも会うと昔に戻った気がします。私の子供達は彼女の家族にとってはマスコット的存在で、いつも本当に可愛がっていただいています。

滞在したホテルの近くでは、既にひな祭りの準備が。金平糖の入った貝の形の箱を娘に買いました。

滞在したホテルの近くでは、既にひな祭りの準備が。金平糖の入った貝の形の箱を娘に買いました。

Sは忙しい中私の滞在するホテルまで来てくれ、久々にゆったりお茶をすることができました。その後には、彼女のお姉さんと三人で美味しいご飯もいただくことに。久々の京料理の優しい味が素晴らしかったのですが、とにかく3人で色々な話に花が咲き、大笑いをしてしまい、食事の味が分かったような分からなかったような…??でも、素敵なお店で、インテリアやおもてなしの仕方等も含め、色々参考になりました。

日本滞在の最後にして、買い物も少しすることができ、ほしかったガラスペンや一筆箋、梅干し等も買うことができました。夫と娘は三越の梅干しが大好きなので、同じ物が買えて本当に良かったです。デパ地下でお惣菜も買い込み、それらを持ってSと一緒に成田のホテルに。最後の夜まで色々な話をして過ごすことができました。お惣菜をつまみながら他愛もない話をしながらも、そういう一緒の時間の大切さをしみじみと感じました。S、ありがとう!

デパ地下のお惣菜ディナー。本当に美味しかったです。

デパ地下のお惣菜ディナー。本当に美味しかったです。

帰国後は、そういった感情を反芻する間もなくあっという間に仕事の日々が始まり、さらに家事や育児に忙殺され、時差の影響か夜の9時には眠くて何もできない日が続きました。今になってようやく普通の生活に戻ったような気がします。

こんなお皿が欲しくなりました。日本の料理の良さは、その盛りつけの美しさにもあると思います。

こんなお皿が欲しくなりました。日本の料理の良さは、その盛りつけの美しさにもあると思います。

今回は短い滞在でしたが、家族や友人と色々な話をし、様々な思いを感じる旅となりました。これからの日本滞在の一つ一つを大切にしていくのはもちろんですが、一日一日を、自分の大切な人達と過ごせることに感謝しつつ過ごしていくことが重要なのかも知れません。

また夫や子供達と一緒に過ごす日々になり、この家族との時間の大切さも感じています。

 

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