Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

ライオン・キング

長女の誕生会の時、友達のママ達から「何か欲しいものはある?」と聞かれ、返答に困った夫と私。正直、子供達は思いつきで「あれがほしい」「これがほしい」とは言うものの、絶対欲しいというものはありません。また、どの家もそうかも知れませんが、我が家も子供達のおもちゃがどんどん増え、これ以上家を破壊するもの(ボール、お人形用ベビーカー、買い物カート等)や細々(こまごま)としたもの(アクセサリー、プレイモビル等)が増えては逆に困ると悩みに悩んで、最終的には「物」ではなく劇かミュージカルにしようということになりました。

「ライオンキング」開園直後の一幕。オフィシャルサイトより。

調べてみると、改めて、マドリッドにはたくさんのイベントがあることに気づきました。そして、こうして色々探してみて、我が家から比較的近い場所にあるグラン・ビア通りが「スペインのブロードウェイ」と呼ばれていることも知りました。その中でも特に人気があるのが「ライオンキング」で、2011年10月の上演開始から既に公演は2000回を超え、300万人の観客動員とのこと。劇場であるTeatro Lope de Vegaもミュージカル上演では有名な劇場で、ここで「マンマ・ミーア!」「美女と野獣」「オペラ座の怪人」「レ・ミゼラブル」「ジーザス・クライスト・スーパースター」等が上演されたそうです。実際、アンダルシアに住んでいる友人は、「ライオンキング」をマラガ(アンダルシアにある都市)の劇場で観たけれど、同じような迫力を感じなかったとかで、時々電車に乗ってマドリッドのこの劇場まで足を運んでいます。そんな話を聞いただけにこちらの期待も高まり、「ライオンキング」を観ることに決めました。娘にとっても、既に何度も観た映画のミュージカル版ということもあり、とっつきやすいということも決め手となりました。

劇場の中。雰囲気も音響も良かったです。そこまで大きくはありませんが、その分迫力がありました。

私たちがチケットを探し始めた頃は、まだ今期の公演終了まで4ヶ月程ありましたが、週末に気に入った席を取るのは至難の技。結局水曜の夜8時半上演開始というチケットを購入。娘が学校を出るのが4時半、ミュージカル開始前に何かを食べさせておかなければと思いましたが、スペインの通常のレストランが開くのは8時半です。さてどうしたものか…と思っていましたが、娘より中華料理のリクエストが。こちらでは中華料理店は中国人が多いせいか、スペインの食事時間でなくても開いているところが多く、かなり早い夕飯でしたが無事に食事を終えて劇場に行くことができました。

おばあちゃまと一緒に中華料理店に行く途中。二人とも嬉しそうです。

ミュージカルは、やはり素晴らしかったの一言に尽きます。ディズニーの映画で歌は知っている訳ですが、アジアやアフリカ、中南米の文化を一部取った衣装の数々もオリジナリティーがあって良かったですし、踊りの構成も良くできていました。また、打楽器はオーケストラとは別に二階の張り出した部分に置かれていたので、上演中演奏を目で楽しむことができたのも嬉しかったです。ほとんど全ての役者の演技は良かったですが、特にムファサ(シンバの父)役の俳優David Comrieが素晴らしく、個人的にはシンバより気に入りました。この俳優、パナマ生まれで14歳の時にカナダに移住したとかで、スペインのスペイン語を話しているのに時々不思議なアクセントがあるなと思いましたが、おそらく中南米のスペイン語を話し続けるにはかなり若い時に国を出ていて、日常の会話は英語なのかも知れませんね。いずれにしても、演技も歌も非常に洗練されていましたし、何よりも醸し出す雰囲気が別格でした。(興味のある方は、こちらのサイトのビデオをどうぞ。)

娘と義母の後ろの写真がムファサ役のDavid Comrieです。

ミュージカルの中で面白かったのは、シンバの友人のプンバァ(イボイノシシ)とティモン(ミーアキャット)がハイエナの注意を引く為に踊るシーンでしょうか。映画ではフラダンスになっていますが、ミュージカルでは、ご当地バージョンでフラメンコでした。ティモン役の男性が非常に上手に踊り、拍手喝采でしたよ。

ミュージカル終了は夜の11時15分。娘はとても楽しんだものの、出る頃にはへろへろになっていて、徒歩15分で帰宅できる道も「ママ、タクシーに乗りたい…。」と言う始末。開始が遅く、しかも次の日も学校ということで大変でしたが、こういう誕生日プレゼントも良いものだなと思いました。

劇場の中で。義母が写真を撮ってくれなかったら、今回も自分の写真は何もないところでした。

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