Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

スリ

2007年にスリにあってから、私自身は被害を受けたことはありませんが、今回はちょっとの油断で被害に遭いそうな所を救ってもらいました!

出張でバルセロナに行く途中の車中から。こういう景色を見ると、スペイン独特の美しさだと感じます。

出張でバルセロナに行く途中の車中から。こういう景色を見ると、スペイン独特の美しさだと感じます。

ヨーロッパは今寒波が到来して、急に厳しい冷え込みがマドリッドを襲いました。先日、日中でも帽子がないと耳が痛くなるような寒さだった為、待ち合わせの前の時間をつぶす為にスターバックスに入りました。

ゆっくり読書をし、音楽を聴いていると、いきなり店員の女性が「皆さん、荷物に気をつけて下さい!そこの方、携帯に注意して下さい!」と言いました。そこでびっくりして周りを見ると、ちょうど3人組の男がお店に入って辺りを歩き回っているところでした。店内の皆がこのグループに注目したので、彼らはそれ以上何もすることができず、悪態をついて一つのテーブルを蹴っ飛ばした後に店を出て行きました。

この店員の女性、「ああいう格好でいかにも周りを見ていたら、やっぱり疑っちゃうわよ。だって、お客には見えなかったし。」と、店内の人達と話してニコニコ笑った後に何事もなかったかのように仕事に戻ってていました。が、私は彼女の行動にすっかり感心してしまいました。もしも私が店員で、お店に誰かが入ってきてスリをしそうだと思ったら、その瞬間に私は皆に注意を呼びかけられるだろうか。お店に入ってきた人に悪く思われるのを恐れるあまり、被害が出るまで何もできないのでは・・・と、思わずにはいられませんでした。彼女の決断に感謝、です。

陽が昇るにつれて刻々と変化する景色。車窓から。

陽が昇るにつれて刻々と変化する景色。車窓から。

日本に比べれば明らかにスリが多いヨーロッパ。それだけを取れば非常に悪いことに思えるのですが、こういう状況で立ち向かう人達、注意を促してくれる人達を見ると、彼らに対する感謝の気持ちが湧いてくると同時に、私も何かあったら皆を助けなくちゃと思うようになります。

スペインに来てよく思うことの一つが、物事には常に良い面と悪い面があるということです。例えば、私が日本で仕事をしていた頃、会社の名前と仕事の肩書きのお陰で、海外でも良い待遇を受けることができました。それはそれで良いことでしたが、私自身それを当たり前と思っていたように思います。仕事をやめてスペインで一学生として過ごすようになってから、当然のことながら、肩書きも何もない私は「言葉も話せない移民」として、色々な場所でひどい対応をされました。でも、だからこそ人に優しくされると本当に感謝し、困っている人がいるとすぐに動けるようになったのだと思います。

帰り道では風車も見えました。

帰り道では風車も見えました。

不景気のヨーロッパ、スリや何やらでマイナスのイメージもありますが、こういう人々の生き方に触れるだけで自分も元気をもらえる気がします。

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