Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

新居のリフォーム

新居に行く度に娘は眠りこけていました。

新居に行く度に娘は眠りこけていました。

3月より新居のリフォームを開始しました。

私たちが買ったマンションは19世紀末に建てられたものなので、以前の所有者がリフォームをしたのは1970年代。もちろん、マドリッドでも新しいマンションも売られていますが、私たちが選んだ地区は歴史のある建物が多い場所で、新しい建物はほとんどありませんでした。さらに、マドリッドの中心で「新しいマンション」と言っても20年以上経っている建物がほとんどですし、古い建物の方がしっかり建てられていることも多いので、1年以上物件を見た後に、最終的には100歳以上の家を買うことになりました。

「夢のマイホーム」と言いますが、3月から今まで本当に毎日沢山することがあり、家のリフォームとはこんなに大変なことなのかと思い知らされた日々でした。

こんな古い煙突が入った柱も。煙突は既に使われていません。

こんな古い煙突が入った柱も。煙突は既に使われていません。

私が小さい頃に両親が家を建てた時は、その会社の提供するサンプルの中から、床材、壁紙、照明等を選び、間取図を担当の方と見ながら決めて・・・と言ったことをしたように思います。いろいろなお店に足を運ばなくても選べるという利点はある反面、本当に自分が好きなものを選ぶには、選択肢は限られていたと思います。

タイルのお店では、本当に悩みました。こんなガラスのモザイクも素敵です。

タイルのお店では、本当に悩みました。こんなガラスのモザイクも素敵です。

もちろん、スペインでも建築士にお願いしてささっと決めることはできます。しかし、ほとんどの人はお店に言って自分の目で素材を確かめて選びます。その方がコストが抑えられるということもありますが、それだけではありません。サンプルを写真で見たり、小さいサンプルだけで選ぶのではなく、実際に大きなタイルや壁紙を見て、他の素材と組み合わせて選ばないと、本当に調和の取れた家が出来上がらないと知っているからです。これは私がスペインに来て学んだことの一つです。

例えば、私たちの新居にはお風呂場が3つありますが、それぞれのお風呂場のスタイルを選ぶために沢山の雑誌に目を通し、どういったスタイルが私たちの感性やスタイルに合っているかを考えました。その後に、タイルやお風呂場の素材のお店10軒程を何度も回りました。一つ一つのお店がそれなりに大きく、行けば4-5時間かかることもありましたが、そのお陰で素材やタイルの種類についても学ぶことができ、納得の行くものを選ぶことができました。

同様に、水道を選ぶと言えば、いろいろなメーカーの製品を比べる為にいくつかのお風呂用品のお店を回り、実際に触って確かめ、お店の人から話を聞くということを繰り返しました。シンクを選ぶと言えば、また別のお店を数軒回り、お風呂場の広さや水道の形を考慮しつつ、デザインを選ぶという按配です。

こんな洗面台にも魅かれました。

こんな洗面台にも魅かれました。

室内のヒーター、エアコン、床素材、壁の塗料、台所の台の石素材・・・と、全て足を棒にして探した結果、水道やシャワーはドイツ製、タイルはほとんどスペイン製で一部がイタリア製、ヒーターは以前からあったものをリサイクルし、台所にはイタリア製のもの、エアコンは日本製、壁の塗料はフランス製、台所の台はブラジル産に落ち着きました。

照明も重要な要素です。選択肢が多過ぎるようでいて、本当にしっくりくるものは実は少ないものです。

照明も重要な要素です。選択肢が多過ぎるようでいて、本当にしっくりくるものは実は少ないものです。

こんな古いお風呂場は・・・

こんな古いお風呂場は・・・

客間に変わりました。

客間に変わりました。

リフォームというのは本当に疲れる作業でした。特に、私は育児中の短縮労働時間なこともあり、3時まで昼食なしで仕事をし、帰り道にサンドイッチを買ってカメラ片手にお店を見に行って必要なものを探すという毎日でした。娘はお手伝いさんに預けたままこれらの事をこなし、ほぼ毎日新居の工事をチェックするというのは、体力的に疲れるというのは勿論ですが、娘と一緒に思うように時間を使えないという申し訳なさもあり、気分的にちょっと落ち込むこともありました。夫も、仕事の合間にいろいろな業者と連絡を取ったり、問題を解決するのに奔走したりで、二人で色々な事柄を決定した後に夕飯を取るのは夜の11時ということもしょっちゅうです。

ですが、少しずつ新居が出来上がって行くのを見るのは本当に嬉しいものです。実際、今回工事を担当した業者の人も我が家を気に入ってくれたようで、「今度は自分の家のお風呂場をこうしたい。」「この家は他の家にはない温かみがある。」「終わったら写真を撮らせてほしい。」と言う人たちもいました。

居間と書斎は・・・

居間と書斎は・・・

一つの大きな居間に変更。

一つの大きな居間に変更。

苦労しただけに、夫は、それぞれのお風呂場の台の高さ、窓の幅、洋服ダンスの棚の高さに至るまで、全ての寸法を空で言えるようになりました。また、壁の色一つ、扉の形一つとっても何時間もかけただけあって、それぞれを目にするだけで選んだ時の様子が思い出されます。

リフォーム中の様子。

リフォーム中の様子。

夫の両親は家をいくつか建てた経験があったので、素材を選んだり間取りを決めたりするのにずいぶん貢献してくれました。「こうして時間をかけて手伝うのが、私たちができる一番のプレゼントだと思うから。」と言ってくれた義両親には本当に感謝です。もちろん、皆で細かいことを決定したり、意見の相違があったりすると、それなりに疲れて言い争いになることもありました。でも、そこで私たちが彼らの案を採用しなくても尊重してくれましたし、義母は私たちが忙しい時に食事の準備や買出しをしてくれ、色々な部分でサポートをしてくれました。私たちより沢山の時間をリフォームに費やしてくれた義両親の姿勢から、本当に家族のことを思い行動する姿を学びました。

引越しまであと少し。4年間の思い出のある今のマンションを離れるのはちょっと寂しい気もしますが、新しい場所での新たな生活が楽しみでもあります。

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