Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

サッカーとメトロのストライキ

ストライキ初日の様子。運行本数を大幅に減らしたせいで、メトロは大混乱。(現地紙adnより。)

ストライキ初日の様子。運行本数を大幅に減らしたせいで、メトロは大混乱。(現地紙adnより。)

6月29日は、日本対パラグアイ戦ということで、日本でも大盛り上がりだったと思います。この日は私にとっても非常に大事な日。なぜなら、日本対パラグアイの後の試合がスペイン対ポルトガルだったからです!街にはスペイン国旗と同じ赤のTシャツを着た人であふれ、スペイン国旗を立てた車はもとより、タクシーまで走り回っていました。家の窓から国旗が下がり、商店のショーウィンドウにはスペイン選手のTシャツが・・・本当にお祭と言った感じでした。ものすごいパワーを感じますね。

それと同時に起きたのが、メトロの従業員によるストライキ。ご存知の通り、スペインは未だに失業率が20%を超え、建築業界・不動産業界は特に大打撃を受けています。日本と比較すると随分手厚い失業保険がある為、それが国家財政を圧迫させているというのもありますが、「痛み分け」ということで公務員の給与を一律平均5%カットしたり・・・と、かなりドラスティックな改革にも着手し始めました。そのような中、メトロの従業員が賃金交渉を求めて6月28日よりストライキに入り、マドリッド市内の交通は大打撃。車が通りに溢れ、バスは満員。もう人が入らないのでバス停に停まりもせず、何本バスを見送ったことか・・・。さらに、市内をバスで移動しようと思い、バスの乗り継ぎのHPを見ると、”Service Unavailable”の文字が・・・。本当に、メトロの重要さを痛感しました。

バスは満員!(現地紙ABCより。)

バスは満員!(現地紙ABCより。)

というわけで、試合のあった29日はまさにストライキの真っ只中。私は仕事の後に用事を済ませ、近くのバルでサッカー観戦。日本対パラグアイ戦は本当に両方とも良いプレーをしたと思います。PKで惜しくも敗れましたが、それでも日本チームは良く頑張ったと思いました。

バルにちょうどパラグアイ出身のお兄ちゃんがいたので、そこにいたスペイン人は、サッカー観戦+彼と私の反応を見ておもしろがっていたようです(笑)最終的には日本が負けてがっくり。しかし、そこでバルのウェイトレスのお姉ちゃんが、パラグアイ出身のお兄ちゃんに、「ほら、あなた買ったんだから、彼女の飲み物おごってあげなさいよ。」と言ってくれ、めでたくご馳走になりました。さらに、周りのスペイン人グループがもう一杯おごってくれ、最終的にはおしゃべりをしながら楽しく過ごし、お店を後にしました。こういう優しさが本当に嬉しいです。

さて、その後はバスに乗って友人の家へ。やはりストの影響は大きく、普通はメトロで10分もあれば着く距離を、バスで1時間かけて行くことになりました。ぎゅうぎゅう詰めで、乗客は文句だらけ。「ストだって分かっているなら、なんでバスをもっと多く運行しないんだ。」と近くのおじちゃんに言われ、うんうんと頷いていました。

友人の家に到着後は、着いた人からおつまみをいただきながらスペイン対ポルトガルの試合を観戦。友人が美味しいトマトと鰹のサラダを用意してくれていました。(このサラダは本当に美味しかったので、昨日家でも作ってしまいました。)その他、ピザやポテトチップス、さらにメキシコ料理のケサディーヤ(Quesadilla)という、トルティーヤにチーズやハム、ちょっと唐辛子をいれたりして焼いたものをいただきました。

皆で大感激!Villa、よく頑張った!

皆で大感激!Villa、よく頑張った!

試合は、スペインのダヴィッド・ヴィジャ(David Villa)が得点を入れ、それが決め手となり、スペインが勝ちました。実は、彼は私たちがイースター休暇に行ったアストゥリアスの出身。ニックネームはアストゥリアス語で「子供」を意味する「グアへ(el guaje)」。私たちの友人はゴールに歓喜して、「その調子だ、炭坑夫(minero)!」と活気づいていました。この辺りも、アストゥリアス地方について知っていると楽しめる言い回しですね(^^)ちなみに、スペイン語の「子供」を意味する「ニーニョ(el niño)」はフェルナンド・トーレス(Fernando Torres)選手のことを指しますよ。

というわけで、落胆と喜びの大きな一日でした。明日はいよいよスペイン対パラグアイ戦!もちろんスペインに勝ってほしいんですが、パラグアイに負けた日本としては、そう簡単に勝てる相手であってほしくないところ・・・うーん、非常に複雑です。

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