Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

友人来訪 1.Toledo

穏やかに流れるトレドのタホ川。

穏やかに流れるトレドのタホ川。

大学時代に知り合った友人が、今回わざわざマドリッドまで訪ねて来てくれました!

彼らとは、大学3年時に米ゴールドマン・サックスのGlobal Leaders Programという怪し気な(?)名前のプログラムで知り合いました。 学業も一応考慮の対象になるらしいですが、それよりも大学や学外でどのような活動をしているか、どのような論文を書き、どのような実績を上げたか、リーダーシップの素質があるか、教授からの推薦文の内容等々が選考基準になっていた為、世界中の大学から人間力の塊みたいな学生(しかも同い年!)が集まっていました。NYで彼らと過ごした時間は本当に濃密で、世の中こんなに優秀でこんなに魅力にあふれた人達がいるんだなぁ・・・とびっくりしたのを思い出します。

San Ildefonso教会の塔から見たトレドの街並み

San Ildefonso教会の塔から見たトレドの街並み

今回来た一人の友人Sは、現在NY在住。先日米国のロースクールを卒業し、NY州の弁護士試験に合格した才女です。そして、とても心優しい女性です。今回はちょっと休暇を取ってNYから来てくれました。

もう一人の友人Tは、医学部を卒業し、現在は医師の国家試験に向けて勉強中。なのに、コンサルタント会社で仕事もこなし、さらにアメリカ英語を自在に操って世界を飛び回るこれまた優秀な人です。今回は、イギリスで医療関連の会議があるとかで、行くついでに北京に寄り、マドリッド→グラナダ→マラガと通過してイギリスに向かったようです。その途中のマドリッドで皆との再会を果たしました。

最初はSと一緒にトレドに旅行。もうトレドは何回も行ったので、今回は厳選スポットを回りました。所謂有名な観光地であるカテドラル等は、見応え十分ではあるものの、さすがに何度も見るともうお腹いっぱいになってしまうんです。ところが、私の中で何度行っても飽きない建物がいくつかあります。今日はその中の2つをご紹介。

1. サン・ロマン教会 (Iglesia de San Román)

このイスラム文化とキリスト教文化の融合は圧巻です。

このイスラム文化とキリスト教文化の融合は圧巻です。

この教会は13世紀に建てられたものですが、何とその建物はイスラム建築のモスクをそのまま再利用してあるのです。そのモスクは、さらに昔ローマ人や西ゴート族が祈りに使っていた場所を覆い隠す形で建設されたので、よく見ると様々な建築様式やモチーフが見られます。
さらに、トレドは中世の時代にイスラム教・ユダヤ教・キリスト教が共存したヨーロッパでも非常に珍しい土地なので、壁画や建築様式にもイスラム教とキリスト教がこれまた「共存」しているんです。これには本当に感動します。

アンダルシア地方のモスクを彷彿とさせます。

アンダルシア地方のモスクを彷彿とさせます。

中が薄暗いので、壁画の保存状態もかなり良く、デジカメで写真を撮るとさらに色が鮮明に見えて、思わず感嘆の溜め息。入場料が無料でこれだけ見応えがあるのはなかなかないと思います。

2. サン・フアン・デ・ロス・レイエス修道院 (Monasterio de San Juan de los Reyes)

全くスタイルの違うこの修道院ですが、やはり歴史の重みを至る所で感じます。

全くスタイルの違うこの修道院ですが、やはり歴史の重みを至る所で感じます。

この修道院は、1492年にスペインを統一したことで知られるカスティーリャ王国のイサベル王女が、自分が亡くなった後にここに埋葬してもらおうと思って作らせた修道院です。結局気に入らなくて別の場所を選んだということですが、「なぜ気に入らなかったの?」と首をかしげたくなる位素敵な建物です。

ここは毎回トレドに行く度に寄っていますが、チャペルも荘厳で素敵ですし、パティオにあるオレンジの木々にたわわに実る果実と白い石の組み合わせは本当に絵のように美しいです。

この美しい模様を創り上げた人がいると思うと・・・脱帽です。

この美しい模様を創り上げた人がいると思うと・・・脱帽です。

2階に上がれば、イスラム・ユダヤ教建築の流れを汲む天井に目が留まります。格子状に組み合わさった板と青の模様が、何となく日本のお寺を連想させます。また、柱から壁を渡して通る石の梁にある石像が、これまた狛犬に似ている気がします。不思議な空間ですよ。

柱には、キリスト教のモチーフもあれば、何とパガニズム(Paganism: 自然崇拝や多神教を含む土着の宗教一般を指し、ローマ・カトリックの一部もここから出ているといわれます)の影響が顕著なレリーフもいっぱいあるんです。例えば、ペリカンは、子供を育てる為に自分の肉まであげる鳥ということで、無償の愛を意味し、キリスト教が浸透する前から使われていたそうですが、そのモチーフが柱に点在しています。(確かに、キリスト教とペリカンって・・・あまり関係なさそう。)

トレドは街全体が博物館のようで、本当に楽しいひと時を過ごしました。道が細くてくねくねしているところが多く、何度も道に迷ってしまいましたが、中世に迷い込んだようで、それも含めてとても楽しかったです。

また、今回はインフォメーション・センターのお兄ちゃん(ペルー人)がとても親切で、色々なお話を楽しんだ後に、「本当に楽しかったよ。」と言って、何と奥の部屋からトレドの全景を撮ったポスターを何種類か出してきて、私達にプレゼントしてくれました。道に迷った時には親切な女性が色々見所も含めて教えてくれましたし、レストランでも皆の対応が丁寧で温かかったです。こういう人との出会いがまた嬉しいですね。

夜のトレドもまた美しいです。

夜のトレドもまた美しいです。

では、今回はこの辺で。

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