Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

新婚旅行 3.釧路

「霧の摩周湖」の霧がない状態。深い青が本当に美しいです。

「霧の摩周湖」の霧がない状態。深い青が本当に美しいです。

今回の日本滞在を利用し、夫にとっての未踏の地である北海道、さらに北海道の中でも私も訪ねたことのない街、釧路に行ってきました。私の母方の祖父母が若い時代を過ごし、母が生まれた地だからでしょうか。私にとっては、北海道は「憧憬」という言葉が似合う地のような気がします。木々の緑が美しい初夏の北海道を堪能できる機会なんて滅多にありません。帰国のチャンスを逃してはいけないと、実はスペインいいる間に飛行機のチケットを買っておいたんです。朝7時羽田発のフライトということで早起きするのがかなり大変でしたが、前日に姉の家に滞在していたので、お陰様で遅れることなく起きることができました。(姉には、前日の美味しい夕飯も含め、本当に色々と感謝です!)

交通整理の人の巧みな旗さばきに夫は大感激。確かにこんなに上手な人は日本国外にはなかなかいませんね(笑)

交通整理の人の巧みな旗さばきに夫は大感激。確かにこんなに上手な人は日本国外にはなかなかいませんね(笑)

釧路と言うと、阿寒湖、屈斜路湖、摩周湖等の湖と、釧路湿原がやはり有名でしょうか。都会から離れてゆっくり自然を満喫しようと思い、今回はホテルを予約しただけの行き当たりばったり。特にガイドブック等も用意せずに現地に到着。洞爺湖サミットの前ということもあり、釧路空港では外国人に対する厳重な警備がなされていました。国を守るためだから仕方ないとは言え、夫にのみパスポートの提示と滞在先の住所を聞くというのは・・・やはりあまり気持ちの良いものではありませんね。その仕事をしている警察の方も、申し訳なさそうに仕事をしていたのでちょっとかわいそうではありましたが(^^;)

釧路市街は道路はきちんと整備されていましたが、そこまで大きな街ではなく、一日目にして市街の博物館や観光名所と呼ばれる場所を大体見て回ることができました。ここにある幣舞橋(ぬさまいばし)は北海道の三大名橋の一つらしく、ゆったりとした釧路川と夕陽を橋から見た時の美しさはなかなかでした。また、歩き疲れた頃にちょうど公共の足湯の場所も見つけ、そこで足を温めながら周りの人とお話もしました。こういう人と人との触れ合いがあるのが良いですね。

炉端焼の老舗で。このおばあちゃん、60年以上この仕事をしているとか。ベテランなわけです。

炉端焼の老舗で。このおばあちゃん、60年以上この仕事をしているとか。ベテランなわけです。

釧路に到着するまで知らなかったのですが、釧路は実は炉端焼きを日本に広めた地。(発祥の地は宮城の仙台だそうです。)野菜を囲炉裏端であぶって食べた所から始まっているそうですが、その後釧路ではお客さんの目の前で釣れたばかりの魚介類を調理するようになり、これが一般的になったとか。有名なお店の店内はすすで真っ黒。お店を出る頃には私たちにも炭火の匂いが染み付いていましたが、会社帰りのサラリーマンらしき人たちが酒を酌み交わす様子、中央の囲炉裏でテンポ良くお魚を裏返すおばあちゃん等を見ているだけで、「あぁ、日本だなぁ」としみじみ。しいたけやホッケが本当に美味しかったです。

その他にも、バスの運転手さんに勧められた居酒屋にも行ってみましたが、ここの魚介類は本当に新鮮で、シンプルな料理法が素材の美味しさをひきたてていました。こういった庶民的な居酒屋さんには必ず常連客がいるもので、そういう人たちが何かと私たちに親切にしてくれ、「○○はうまいよ」「○○は是非」と教えてくれ、盛りつけまでしてくれました。こういう人と人との交わりがあるのが旅の良さですね。

鶴の親子。子供は全く違う色なんですね。

鶴の親子。子供は全く違う色なんですね。

2、3日目とも阿寒バスというバス会社を利用してツアーに出かけました。2日目は待望の釧路湿原。展望台からの湿原の眺めもさることながら、遠くに聞こえる鳥の鳴き声に感嘆。生物の宝庫というのはまさにその通りですね。鶴を保護している鶴公園では親子の様子を見る事ができ、子供鶴の愛らしい姿に思わずシャッターを何度も切ってしまいました。

3日目は摩周湖、美幌峠(みほろとうげ)からの屈斜路湖の美しさを堪能し、お昼には湖の端にある砂湯も満喫。さらに、硫黄の匂いが辺りに漂う硫黄山にも行く事ができました。この硫黄山は昔からアイヌの聖地とされているとかで、ごつごつとして硫黄の黄色い色のついた岩を見ているだけで、何となく厳粛な気分になりました。

阿寒湖で。この静寂の時の美しさ。

阿寒湖で。この静寂の時の美しさ。

最後にはマリモで有名な阿寒湖も見ることができました。私たちは買い物はそこまでしない方なので、自然の美しさ、厳しさ両方を堪能しつつ、この北海道で生活している人たちを観察していました。

硫黄山。煙がもくもく出ています。

硫黄山。煙がもくもく出ています。

今回の旅であらためて思ったのは、日本のサービスの良さ!皆親切ですし、どこでも笑顔で迎えられてとても嬉しく感じました。スペインももちろん皆親切ですが、もっとぶっきらぼうなんですね。最初に話した時から笑顔じゃない人も多いんです。(もっと自然体と言えばそうですが・・・。)また、サービスの良さだけではなく、サービス精神とも言えるものを感じました。バスのガイドさんの多芸なこと!(笑)一人のガイドさんは動物のものまねをしてくれましたし、もう一人のガイドさんは、何と「霧の摩周湖」をアカペラで歌ってくれました。歌い始めた時、夫はそれはもうびっくり。「そこまでするのか・・・」と絶句。仕事生命をかけているように見えたのかも知れませんねぇ。

3泊4日と短い滞在でしたが、思い出に残る素敵な旅となりました。東京ー北海道間の飛行機は年々路線が減っていると聞きますので、行けるうちに行っておいて本当に良かったと思いました。人との出会い、土地との出会いを大切にしていきたいものです。

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