Haruki's way

以前はランチやディナーに友人を招待することが多かった私たちですが、子供を持ってからはブランチを企画することが増えてきました。それは、スペインのリズムと幼児の世話を両立することはなかなか難しいと気づいたからです。

沢山の友人が参加してくれたブランチの様子。

まず、スペインのお昼は午後２時、夕飯は９時スタートが一般的な上、週末に人を呼ぶとなるとさらに遅くなることもある為、子育てのリズムと合わないことが多いのです。ちょうど子供が食事をしてお昼寝をする２時にお昼開始だと、準備や子供の食事の後片付けでバタバタする上、お客さんの声や音で子供がゆっくり寝られないこともあります。また、我が家では娘の夕飯は９時、就寝は大体１０時ですが、ちょうどその時に友人の食事と重なると、また寝かしつけるのに一苦労。（何度かしてはいますが、娘はちょっと夜更かし気味でした。）ゆっくりお客さんをおもてなしするという訳にもいかず、ちょっとバタバタしてしまうのが残念でした。

また、去年位から私たちの友人の間でもベビーブームが始まり、親も子供を連れて来るか誰かに預けるかを選択しなければいけなくなりました。そうなると、夜のお出かけはちょっと億劫でもあり、外出頻度が減ってしまいます。私たちのように両方の両親が近くにいない夫婦の場合、預ける人も簡単には見つからない場合、夜の外出はさらに制限されます。

新鮮なフルーツと焼き立てのパン、手作りのパウンドケーキ等が定番です。

そんな中、皆との集まりを企画していたある日、久々にスペインに来る友人を交えてどこかで会おうということになりましたが、その友人夫婦の子供のリズムで動かなければならないと言われ、どのプランも一長一短で皆がうんざりということが。そこで、私たちが我が家でブランチをしてはどうかと提案した所、驚いた事に皆が喜んで賛成してくれ、めでたくブランチ成立となったことがありました。参加者は総勢１３人。皆で楽しく過ごすことができました。

子供達も遊んでもらって大満足。

スペインでブランチはよくあることと思う人もいるかも知れませんが、実は全く一般的ではありません。実際、１０時半位に友人を招くと、週末にお邪魔するには早すぎると感じる人がほとんどのようです。その反面、ブランチはランチやディナーほど手間がかからず、気軽に沢山の人数を招くことができ、さらにその日に他の予定があっても大丈夫ということが多いので、気軽に皆で会う時に喜ばれます。

最初の頃は、スペイン人の友人を呼ぶと、夫がドイツ語圏やフランス語圏に住んでいたからその影響ではないかと思う人達や、「朝食だと何をすればいいんだろう」と戸惑う人もいました。ですが、朝から友人と楽しいひとときを過ごし、その後自分たちの時間も取れるというのは、それはそれで贅沢だと皆が感じるようになったようです。今では、このブランチが私たちの友人の間でちょっとした流行になり、皆で朝から集まることが増えました。私たちはと言えば、皆が帰った後にゆっくり娘と公園で遊び、戻ってお昼を食べさせてお昼寝をさせる・・・という普段のリズムが大体維持できるので、こちらもそれなりに助かっています。また、前から会おうと言っていて会えないでいた友達とも、子供達を交えて再会することができ、とても楽しいひとときを過ごしています。

ブランチを開くようになってからの楽しみの一つは、日中に使えるテーブルクロスやコーディネートでしょうか。家でディナーに招くことが多かった頃は、テーブルセッティングはどちらかと言うと夜に映えるものが多かったです。私たちはシンプルなものが好きですが、それでもちょっと光の入った生地やローソクを合わせてのコーディネートが多かったのですが、ブランチでは、例えば日中でも色が奇麗に見える鮮やかな生地を選ぶことが増えました。ショッキングピンクに近い紫の生地のテーブルクロスに白いお皿とガラスの大皿を合わせてみたり、白いテーブルクロスに鮮やかなオレンジのテーブルランナーを合わせてみたり・・・そこにちょっとした植物を添えることもあります。スペインではブランチの習慣がないせいか、こういった日中用のテーブルコーディネート素材がセールで沢山売られていると、本当に得した気分になります。

テーブルコーディネート上級コース、義母が準備したブランチの様子です。

日本でも一般的ではないブランチですが、ちょっとした工夫でとてもお洒落に演出できるイベントとして、ちょっとトライしてみてはいかがでしょうか。