Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

寛容であることと自分を大切にすること

掃除機が大好きな息子。

掃除機が大好きな息子。

仕事の話はあまりHPに書くべきではないと思いますが、今回は自分にとって色々と思う所があった為、敢えて書くことにします。(この辺りは、スペインに住みながら日本語で内容をアップデートしているからこそできることかも知れませんが。)

私は現在二つの似て非なる部署に属しています。二つの部署に属しているからこそ物事を多角的に見られるという利点もある反面、利害の異なる二人の上司を持つという難しさもあります。
さらに、上司は二人ともスペイン人女性で、それぞれがかなりの完璧主義者。コミュニケーションを英語とスペイン語ですることにはある程度慣れましたが、二人の要求する物をスペイン語でタイムリーに出すというのはかなり難しく、集中力と時間の有効活用が試される日々です。

私の上司Aは、若手で非常に優秀な女性です。彼女が採用されてから、非常に色々なことが改善されてきたのを知っています。もう一人の上司Bは勤務経験が非常に長い年長者で、企業文化や仕事の取り回しも非常に上手な上に頭の回転が速く、彼女の緻密なコントロールとフォローアップには定評があります。

私がAの部署に入ったのは、長女の産休後の2011年5月、そしてAとBを掛け持ちになったのが、長男の産休後の2013年6月でした。

Aのことは尊敬していましたし、彼女から多くのことを学ぶことができ、最初はやり甲斐を感じていました。ですが、少しずつ彼女のやり方に違和感を感じるようになりました。誰かと衝突した際に相手のことをかなり悪く言う為、話しを聞いていて笑えないという状況がよくありましたし、他の人を助ける反面、「今恩を売っておいて、今後向こうが何かしてくれるようにしているの。私はタダでは仕事はしないわよ。」と言った強気なコメントに疲れてしまうことも度々でした。(私がそんなことを考えない幸せな性格なのかも知れませんが。)

3月初旬のCasa de Campoというマドリッド東部の広い公園で。まだ春の足音が聞こえるか聞こえないかという感じでした。

3月初旬のCasa de Campoというマドリッド東部の広い公園で。まだ春の足音が聞こえるか聞こえないかという感じでした。

彼女の態度に真剣に疑問を抱くようになったのが2012年の3月頃。部署の外から客観的に見ても、彼女が私を利用していると思う状況が散見されるようになったからです。それでも、チームで仕事をするし、彼女がストレスで多少キツいことを言うのは仕方ないと思い、色々な場面で我慢し、自分で貢献できる部分で貢献してきました。それでも、彼女が上司としての権限を使って私達に影響を与えるようになってくると、本当に仕事がしづらくなってきました。

私が二つの部署に所属するようになった2013年7月からは、そのプレッシャーがかなり強くなってきました。彼女がストレスを溜めている時には、脅しに近い言葉を一対一で言われ、そのひどい言い方にびっくりして何も言い返せなかったこともありました。

また、彼女にとっては私は別の部署と共有する労働力。仕事は沢山送り、「早くやってちょうだい」とプレッシャーをかけてくるものの、投資する時間は惜しく、私が仕事が終わらないとイライラするという悪循環が続きました。本来その部署の人達の義務であるトレーニングや外部での講習はカットされ、内部の情報共有もあまりされないながらも最大限のアウトプットを要求されるこの状況は、まさに栄養は与えないけれど絞れるだけ絞るというネガティブなスパイラルでした。

上司Bは仕事には厳しい人ですが、私の働き方を非常に評価してくれたこともあり、自分の中で均衡を保つことができました。それでも、Aに対して我慢ばかりしていたせいで、Aの「Harukiはどうでもいいけれど、仕事はしてもらう」というメッセージがどんどんエスカレートしてくるようになりました。

レティーロ公園のクジャク。

レティーロ公園のクジャク。

今年に入ってから、これはもうおかしいと思い、彼女に直接話をしました。その際のポイントは、①あくまで冷静な態度で話す、②相手のプレッシャーが自分には通じないことを見せる、③自分はできる限りの仕事をしているので、仕事が終わらないのは上司のマネージメントの問題であることを明確にする、④揚げ足を取られないように、説明を加え過ぎない、といった点でした。彼女はかなり厳しく出て来ましたが、皆のいる場での話だったこともあり、最終的には私の主張を通すことに成功。でも、非常に疲れました・・・。

その後も彼女の方から色々な圧力がかかってきたり、重要なやり取りで私をメールから外したり、私が以前に行った仕事の私の名前を削除したり・・・といったことがありました。それにより、この人と仕事をしていてはどんなに努力をしても評価されないと改めて気づくきっかけになりました。

そして、先週。彼女が上司として私を評価した内容に不当と思われることがありました。既に彼女の上司もそのメールを受け取っていた為、その人に「Aに返信してもいいですか?」と聞くと、「皆彼女が君に厳しいのは知っているから、そのまま流して大丈夫だよ。」と言われました。それで、そこで不満ながらも「寛容な態度」で我慢しようと考えたのですが・・・不思議なことに咳が沢山でてきた上、自分の中でのモヤモヤしたものが収まらなくなって苦しくなってきました。

皆で公園でピクニック。友人が子供全員を引き受けてくれました。嬉しそうな子供達の顔を見ると、仕事のストレスを絶対に家庭に持ち込んではいけないと改めて思います。

皆で公園でピクニック。友人が子供全員を引き受けてくれました。嬉しそうな子供達の顔を見ると、仕事のストレスを絶対に家庭に持ち込んではいけないと改めて思います。

ほとんど寝ないで悶々と一晩考えた上で、やはり、私自身の為にも、そういうやり方を認めたという前例を防ぐという観点からも、私は今回はAに返信する義務があるという結論に達しました。そこで、前日話したAの上司にその旨を伝えた所、あっさりとOKが出たので、皆も含めたそのメールで、「A、あなたが送ったメールは幼稚です。」という書き出しでメールを送りました。彼女の席は私の斜め前なので、そのメールを読んで怒っているのも、返事をした後に上司に直接話しに行ったのも全て見え、それはそれは居心地の悪い状況でした。それでも、彼女の返事にまた返信をし、彼女が言っていることに対して私は賛成できないこと、彼女の側のマネージメントの問題についても伝えることができたので、ひとまずホッとしています。

日曜日に子供達を連れて近くの歩行者天国へ。娘はこの風船が大好きです。

日曜日に子供達を連れて近くの歩行者天国へ。娘はこの風船が大好きです。

仕事はまだ沢山あるので、この件とは別に自分の仕事をきちんとこなすようにし、彼女にアドバイスをお願いしたりもしています。彼女も何事もなかったかのように皆の前では私の質問に答えてくれますし、今は朝の挨拶もしてくれるので、一応仕事上は問題は出て来ていません。しかし、お互いに早く離れたいのは明白で、私は毎日平常心でいるように特に気をつけています。

今回の経験で学んだのは、①今まで自分が職場の人間関係で全く問題がなかったとしても、上司によって職場環境は良くも悪くもなるということ、②できるだけ上司と仲良くやって行こうと皆頑張っても、どうしても譲れない部分は自分の責任で守り通す必要があるということです。

私とAの間の騒動で私が得た気づきは、日本人によくある「寛容の精神」が「弱さ」として捉えられ得るということです。「彼女は怒ったけど、私にも反省する点がある」「こういうことをされたけど、きっと今回限りだろう」「もう終わることだから、特にことを荒立てずに・・・」と言った理屈で我慢してきた結果、彼女が強く出るのをどんどん助長してしまったようです。その為、自分にとってどうしても譲れない部分が曖昧になり、相手が強く押してくると黙って我慢してしまうというパターンに陥ってしまいました。

「寛容」であることは大事ですが、「仏の顔も三度まで」とも言うように、相手がそれを尊重する人ではなかった場合、自分の領域に相手を踏み込ませない強さも必要だと実感した出来事でした。もちろん、相手が上司の場合、それを実行するのは非常に難しいですし、私も冷静な自分をイメージするまでにかなりの時間と努力を必要としました。それでも、一度のバトルを選ぶか、長期間の鬱屈した心を選ぶか・・・そう思って自分の足で立つしかないようです。

日本では「大人の態度で」と言って敢えて事を荒立てないようにすることがよくあります。これ自体を批判するつもりはありませんが、もし自分自身が落ち着いた態度で(怒りに任せるのはNG)自分の領域を守ろうとするのなら、それ自体も「大人の態度」と言えるのではないでしょうか。

ちなみに、Aに対してメールを送って「反撃」した日の午後、私の咳は消えていました。

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4 Comments

  1. はるきさんブラボーー!!
    いつも楽しませてもらっています。
    今回はコメントせずにはいられませんでした。

    仕事に対する取り組み方、素晴らしいです。
    話しにくい内容にも関わらず発信して頂いてありがとうございました。

    怒らず、冷静に。まさに私の課題です。

    • >aiさん、

      コメントをありがとうございます。
      共感してくださる方がいると、それだけで書いて良かったと本当に思います。

      「怒らず、冷静に」というのは本当に難しいと思いますが、怒って反応してしまうと「この人は影響を受けている」と見せることになり、その時は攻撃が止まってもまた再発する恐れがあるようです。

      もちろん、私も時には愚痴も言いますけれど、そういう部分にエネルギーを浪費するのはもったいないと思うようにしています。
      そう思うようにするのも一種の努力ですよね(笑)

  2. ブラボー!

    初めてのコメントです。
    社会人5年経験し、スペインに昨年渡ってきた者です。

    ハルキさんのブログを忙しい仕事片手間全部拝見しました。
    ずっと社会人経験後、留学したいなと言う心の中の芽を大きく成長させてくれました。

    日本人の良さが裏目に出てしまうことは海外でよくありますね。
    特に”控え目”やハルキさんのいっしゃる”大人の態度”。

    ハルキさんスッと芯の通った態度にブラボーです。

    ギクシャクした空気がしばらく続くかもしれませんね。
    そんなこともあったなぁ。と思える日が来ます。
    上手く息抜きして頑張って下さいね。

    • >masamiさん、

      コメントをありがとうございます。
      私のブログが、留学したいというmasamiさんの心の中の目を成長させてくれたとのこと、こちらこそ感謝で一杯です。
      その時々で自分が強く思ったことを率直に書いているので、自分の中に迷いがでてくることもある為、そういう中で皆さんに共感していただけると本当に嬉しいです。

      昔スリに遭った時に、「盗まれたharukiにも落ち度があったんだよ。」と言われて非常に疑問を感じました。
      ですが、どんなに不満に思っても、自分がそういう場所にいる限りは状況を受け入れて自分の身を守る術を身につけなければいけませんよね。
      それを「周りから押し付けられた」残念なことと捉えるか、自分のキャパシティを広げる為に「自分で選択した」ことと捉えるか、そういう選択を私達は日々行っているのだと思います。

      masamiさんのスペインでの生活が充実したものになりますよう、お祈りしています★

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