Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

El Potro

El Potro 2009のカタログ写真

El Potro 2009のカタログ写真

スペインには素敵な革製品が沢山あります。日本にいた頃は、「靴は歩きやすいものが一番」と思ってREGALやClarks、卑弥呼等を愛用していましたが、やはり「合わせやすさが命」とばかりにデザインは控え目なものが多かったと思います。

スペインに来てから、最初の数ヶ月は「欧米人の足って形が違うし、あまりしっくりくるものがないなぁ」と嘆いていました。が、しばらく見ていると、探せば素敵で履き心地の良い靴が沢山あることに気づきました。考えてみれば、ヨーロッパは日本よりはるかに靴の歴史が長いので、皆の目もなかなか肥えているみたいです。ただ高いものを買えば良いというわけではなく、手作りの靴屋さんで自分の靴を新調する人、斬新なデザインの靴を颯爽とはきこなしている人・・・それぞれ個性があって、見ていて感心することもしばしばです。(ちょっと安っぽいハイヒールを頑張って履いている高校生の女の子達を見ると、それはそれで微笑ましかったりするのですが・笑)

靴から入った革製品の世界ですが、今かなり気に入っているスペインの皮革メーカーをご紹介。 El Potroというブランドです。El Potroとはスペイン語で「子馬」の意味ですが、名前の通り、このお店の皮の質の良さにはいつも感心してしまいます。金具もしっかりできていて、作りも丁寧なものがほとんどです。(スペインの製品は玉石混交のことが多いので、いくら良いブランドとは言え注意が必要です!)

ケリーバッグのEl Potro版。革の質は最高です。

ケリーバッグのEl Potro版。革の質は最高です。

El Potroの歴史はアンダルシア地方の小さな村、ウブリケ(Ubrique)から始まります。スペインの皮革製品の技術はイスラム文化から入ったと言われていますが、イスラム文化の影響の強いアンダルシア、しかも材料にも恵まれたウブリケでは、18世紀初頭から19世紀末にかけ、既に30を超えるなめし革の工場がありました。ここで、最上級の皮、泉から湧き出る澄んだ水、そしてコルクガシ(alcornoque)の樹皮を用い、これ以上はないという程のなめし革が作られていたそうです。この革が、後のこの会社の成長の原点です。

愛らしい表情のバッグが沢山。

愛らしい表情のバッグが沢山。

その後刻みタバコの文化が広まると同時に、タバコ入れも売られるようになり、「タバコ入れのウブリケ(Ubrique de las Petacas)」と言われる程ウブリケという村の名前が有名になります。貨幣が流通するようになってからは、この革でしっかりとできたタバコ入れがお財布としても使われるように。

20世紀になると、皮革製品の製造・販売が始まり、人気に支えられて販売が拡大。この村には当時3000人しか住んでいなかったのが、数年の間に1万人に増加し、その後も増加の一途を辿り、2万人を突破したとか。皮革製品の販売が主要産業に変わったわけです。 こんな村で国内でも屈指の皮革製品を作っている、というのは、感動的でさえあります。

この会社の創業者はAntonio Oliva RomeroとJose Perez Perezの二人。彼らはウブリケにある小さな皮革製品工場で働いていた仕事仲間でしたが、1969年に会社を設立。その後はいくつもの困難を経験するも、事業は着々と成長を続け、マドリッド、バルセロナ、バレンシア等の都市にも顧客を持つように。1984年には、会社名を「A. Oliva y J. Perez, SL.」。と変え、ブランド名をデザインして登録することを決定。そのブランド名が「El Potro」です。

こんな明るい色の組み合わせも斬新で素敵です。

こんな明るい色の組み合わせも斬新で素敵です。

さて、製品ですが、やはりLOEWE等に比べれば広告の美しさは劣りますし、あの凛とした宝石を思わせるような高級感は出ていないかも知れません。(私にとっては、LOEWEはお店全体が歴史を感じさせるサロンのような感じがして、別格だからでもあると思いますが。)LOEWEと比較しなくても、ホームページのデザインはちょっと稚拙な感じで写真もプロフェッショナルとは言えず、正直「野暮ったい」と感じてしまう部分もあります。

しかし・・・製品一つ一つを手に取って眺めると、そこに職人の息づかいが感じられ、革の質の良さや縫製の丁寧さ、そして長期間の使用に耐え得る実用的で美しいデザインに魅きこまれてしまうんです。どの製品も華美ではありません。でも、フォルムが美しくて飽きのこないデザインで、それでいて斬新な部分も持ち合わせているんです。

私が惚れ込んだお財布。実物をお見せできなくて残念!

3212のベージュが私が惚れ込んだお財布。実物をお見せできなくて残念!

私はこのEl Potroのお財布と運命的な出会いをしました。普通のデパートで何気なくお財布を見ていた時に、その辺りにあった沢山のブランドのお財布がケバケバしく見え、ちょっと食傷気味になった所にスッと浮かんで見えたのがこのEl Potroでした。Pierre Cardin、Balenciaga、TOUS、ELLE・・・とそれなりに革の良さでも知られたお財布がどうでも良くなる位、そのお財布には存在感がありました。シックなベージュの折りたたみ型で、留め金に銀の鎖が通っていて、そこにEl Potroのマークがついたキーホルダーのようなものがついていただけですが、そのシンプルさと革の良さが相まって、「これしかない!」とその場で思わせる何かがあったみたいです。今では毎日使っていますが、使えば使う程愛着が湧くから不思議です。

日本ではまだまだ知られていないブランドですが、スペインの本当の革の良さを知りたい方にはお勧めの一品です。

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4 Comments

  1. 妹がスペイン旅行のお土産に買ってくれたキーホルダーの質感がとても良く、どんなブランドなのだろうと思って調べていたところ、このブログに出会いました。記載の通りですね。ロエベほど派手さはないものの、どこか横綱相撲感があるというか、シンプルながら他にはない技術の高さを感じます。
    私は男性で、靴やビジネスバッグ等に興味があるのですが、日本で入手できる場所があるようでしたらお教えください。

    • Yuさん

      メッセージをありがとうございます。
      数年前に書いたエル・ポトロについての記事に、こういう形でコメントをいただけてとても嬉しいです。

      残念ながら日本で入手できる場所は知りませんが、他にもスペインの男性用の皮革製品で良いと思うブランドは、フォーマルな物ではYANKO(主に靴、ベルト、お財布等)、dustin、カジュアルでお洒落だと思う物ではPikolinos等があります。
      日本で売っている物もあるかも知れませんので、もし宜しければ探してみて下さいね。

  2. Yu様

    私もそもそも 足に合う革靴に悩むところから紆余曲折・・・

    なぜか鞄革に惚れてロエベに興味を持ち ついには革の修復師をしています。

    本当に!スペインに旅した時も ロエベは王室御用達のビビッてしまうほどの敷居の高さで 

    「私が惚れたロエベは高級サロンじゃなくて、職人やその歴史からの確かな品質としての格式なんだけどなぁ・・・」と、

    本店に向かいながらも 途中で止めてしまいました(笑)。

    帰国後しばらくして、ヤフオクで 日本未発売のエル・ポトロを運よく購入したので ネットで検索調べたところこちらのブログに出会い、非常に素晴らしい見聞情報とライターの感性に 大変感銘を受けました。

    モノグラムやナイロンバッグではなく、本革に なぜか理屈抜きで惹かれて 手当たりしだい修復してまで愛着持って大切にしてゆきたいと思う自分の本質が スペインを斬新な角度から伝えてくれたこのコラムから
    またひとつ理解できたような気がします。

    素晴らしいコラムをありがとうございました。

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