Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

オリーブオイル探訪

オリーブオイルのテイスティングの容器。テイスティングの際には、キュウリの薄切り等を食べて口をリフレッシュさせます。ここではパンでした。

オリーブオイルのテイスティングの容器。テイスティングの際には、キュウリの薄切り等を食べて口をリフレッシュさせます。ここではパンでした。

もともとオリーブオイルが好きだった私ですが、スペインに来てからさらにオリーブオイルに触れる機会が増えました。何回かオリーブオイルのテイスティングのコースに参加したり、オリーブ農園で直接オイルを買ってみたりとするうちに、さらにオイルに対する愛着も湧いてきました。

実は、オリーブにも色々な品種があり、品種やオリーブの配合によって、オイルの味は大きく変わります。特に有名なものは、アルベキーナ(arbequina)、ピクアル(picual)、オヒブランカ(hojiblanca)、コルニカブラ(cornicabra)、マンサニーヤ(manzanilla)などでしょうか。アルベキーナは酸化するのが非常に早いので多少管理に気を遣いますが、私の好きなオイルの一つです。

オリーブの品種の他にも、もちろんオリーブオイルの品質に影響を与える要素は沢山あります。収穫時のオリーブの成熟度、収穫の仕方(機械で揺らしてオリーブを落とすか、既に落ちているものを取るか・・・)、ほこりの取り方、粉砕の仕方、粉砕したオリーブの撹拌、保管状況、それらの要素が絡み合って、多種多様なオリーブオイルができあがります。

オリーブオイルのスキンケア製品も沢山あります。上質のオリーブオイルに含まれるポリフェノールやビタミン類が注目されています。

オリーブオイルのスキンケア製品も沢山あります。上質のオリーブオイルに含まれるポリフェノールやビタミン類が注目されています。

ちなみに、「イタリア産」と呼ばれるオリーブオイルのほとんどは、イタリアがスペインから買ったもので、それにイタリア産のオイルをちょっと足したり詰め替えたりしたものだそうです。実際、原産地保証の定義をEU域内で均一化しようとした際、イタリアが猛反対したとのこと。ちなみに、イタリアにも美味しいオリーブオイルはありますが、生産量がスペインと比較して少なく栽培面積が小さいので、ブレンドオイル(coupage)がほとんどだそうです。

オリーブオイルのテイスティングですが、色が分からないようにする為に青ガラスの容器にオリーブオイルを入れ、香りをしっかり堪能できるよう、テイスティングの直前まで時計皿で蓋をしておきます。第一印象を大切に、香りを堪能した後は、口にオイルを含んで鼻から息を吸い、しっかりと味わいます。本当に美味しいオイルを覚えるのには訓練が必要ですが、素敵なオイルを開拓した時は本当に幸せになります。

店内の様子。本当に沢山のオイルがありました。ここでは、Extra Virgin Oilのみを扱っています。

店内の様子。本当に沢山のオイルがありました。ここでは、Extra Virgin Oilのみを扱っています。

先月、日本から友人が来た時にトレドに行きましたが、新しくオリーブオイルのお店がオープンしていたので、友人がカテドラルを見学中に早速一人で中に入りました。そこで色々なオイルを試しましたが、個性的なオイルが沢山あり、そこのお店の女性ととても楽しいひと時を過ごす事ができました。話しているうちに、「これは入荷したばかりでほとんど知られていないオイルだけど・・・」と言いながら紹介してくれたオイルが、今回写真で載っているオイルです。アルベキーナ種100%のものですが、普通のアルベキーナでは味わったことのない程のフルーティーな味わいで、感動的でした。ほのかな草の香り、青リンゴのような風味、マイルドな中に少しピリッとする辛みのようなものもあり、それが絶妙のバランスを保っています。値段はちょっと高めでしたが、もっと高く売られている有名なスーパーのグルメセクションのオイルよりずっと気に入り、ほくほく顔でマドリッドに戻りました。

週末の朝食の様子。中央に見えるのがオリーブオイルの瓶です。

週末の朝食の様子。中央に見えるのがオリーブオイルの瓶です。

これを買ってからというもの、週末の朝食がさらに楽しみになりました。トーストにこのオイルをかけ、お砂糖をちょっとまぶして食べるだけですが、本当に美味しくて幸せになります。夫はもう少しマイルドなものの方が好きなようで、オヒブランカのオイルを好んで使っていますが、私にとってはこれ以上ない贅沢ということで、最近はアイスクリームにちょっとかけて使うこともあります。

オリーブオイルは本当に奥が深く、最近ではその美容効果や健康促進効果も注目されています。ですが、スペイン国内でも質があまりよくないオイルが長年使われていた為、実際の所そういった効果を実感できるオイルはそこまで普及していません。「おふくろの味」が質の悪いオイルと結びついている場合もあるらしく、なかなか難しい所です。

瓶のラベル。後ろで娘が退屈そうに伸びています。

瓶のラベル。後ろで娘が退屈そうに伸びています。

美味しいオイルがスペイン国内でもっと普及し、さらに日本にも本当のオリーブオイルが沢山届くことを願っています。

トレドのお店の情報:

Museo del Aceite Toledo
Calle Alfonso X, s/n (esq. Navarro Ledesma, 1)
Toledo, 45001
Tel: +34 925 253 532

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4 Comments

  1. こんにちは。
    GWにスペイン旅行を計画しておりトレドにも足を運ぼうと思っています。
    その際この店舗に寄れればと思い、質問させて頂きます。
    価格がお高めだと書かれてらっしゃいますが、実際にはどの位でしょうか?
    ものに寄るとは思いますがはるきさんのお気に召されたものはちなみにおいくら位のものでしょうか?
    よろしくしお願いします。

    石黒紗綾子

    • 石黒さん

      はじめまして。コメントをありがとうございます。
      私が買ったオリーブオイルですが、確か500mlで13ユーロ程度だったと思います。

      通常スーパーマーケットで売られているエクストラ・バージンのオリーブオイルは1Lで4−5ユーロですので、それと比較するとかなり高めですが、手が届かない値段ではないですよ。
      私は、料理等でオイルを多く使う物にはスーパーのオイル、トーストやサラダにはこう言ったちょっと特別なオイルにしています。

      私の選んだオイルは、本当にフルーティーで私は大好きですが、人によっては「青臭い」と感じるかも知れませんので、色々なオイルを試して、石黒さんの納得行くものを選んでみて下さいね。