Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

日本での披露宴 その2

ケーキ。サイズは小さめ、味重視です。

ケーキ。サイズは小さめ、味重視です。

私たちの披露宴第二弾のご連絡です。実は、スペインでの婚約結婚を入れたら4回目なのですが・・・。周りの友人には、「今度はどこで結婚するの?」と冗談でよく聞かれます。

今回の披露宴の目的は、主にスペインの結婚式に来られなかった私の家族に参加してもらうこと。また、母の兄弟にあたる叔父・叔母は既に2008年の訪問で夫に会っていたので、ちょっとした再会でもありました。その他、父方の親戚、夫が日本で語学研修中にお世話になった金沢のホストファミリー、私の中学・高校・大学時代の友人数名や中学の先生(日光の披露宴には参加できなかった人達)、母の大学時代の友人等も招き、総勢50名程度のものになりました。

今振り返っても、披露宴の準備はなかなか大変でした!思いつくままに書いて行きます。

  • 1. 会場選びは帰国した時が勝負!

09年に一時帰国した際にいくつかの披露宴会場を回りましたが、そこで1年先の為に会場を選ぶ必要があり、試食や衣装の試着、見積りその他でかなりバタバタしてしまいました。こっちの会場の試食は父と、別の会場の試食は兄と、衣装の試着は姉と・・・と言った感じで動き回りました。何度も同じ場所に戻れるわけではないので、行った時勝負です。

普段は楽しみなデザートですが、日本で友人と会う代わりに試食というのはなかなか・・・!

普段は楽しみなデザートですが、日本で友人と会う代わりに試食というのはなかなか・・・!

  • 2. 言葉の問題

夫は日本語がある程度話せるとは言え、日本の披露宴会場の情報は全て「(夫曰く)容赦ない高度な」日本語が当たり前。自然と仕事は私に回ってきました。全部の情報に一人で目を通すのは、意外と時間がかかりました。夫が私の判断に任せてくれた部分が多かったので、選ぶのはスムーズだったと思いますが。

  • 3. 遠隔操作

スペインと日本では距離がある上、時差が7時間。仕事のある日の電話連絡はほぼ不可能です。披露宴会場とは沢山メールのやり取りをしましたが、実物を見ないで決定することも多いですし、誤解がないように説明すると長文メールになり、担当の方には色々とご迷惑をおかけしたと思います。

また、披露宴準備は、主に新婦と新婦の母がメインで行うと言いますが、私の場合、母は既にいないので孤軍奮闘。兄が協力してくれたお陰で色々な部分で本当に助かりましたが、兄がいなかったら途中で投げ出していたかも知れません。。。本当に感謝です。

  • 4. 引出物

まず、スペインでは小さな贈り物(缶入りキャンディー、ワインの栓抜き程度)を参加者に渡すことはありますが、日本のような引出物という概念はありません。引出物に悩む私を見て、夫が「不要な物をもらっても困るだけだし、そもそも年代が上の人は上質のものを持っているはずだから、安っぽいのは受け入れられないと思うよ。この際ご祝儀を減らして何もあげないのがいいよ」と言いました。が、やっぱり何もないのは寂しいと思ってしまうのが日本人・・・。

最終的には、カタログギフトにして、皆それぞれほしいものを選んでもらう形にしました。(最近のカタログは、温泉旅行等も入っていておもしろいですね。)そこに、ちょっとオリジナリティを出す為に、Villeroy & Bochの陶器の飾りやミルク壷等をそれぞれの人の好みに合わせて入れました。これも、昨年末にルクセンブルグに行った時に購入し、実家にまとめて送り、別に包装紙等を注文して披露宴会場でラッピング・・・という荒技で乗り越えました。

  • 5. ウェディングドレス

日本でレンタルも考えましたが、日本のレンタル料はあまりにも高いです!持込料がかかったりすると、本当にドレスを買うより高くなりそうですよね。スペインでは、有名ブランドのドレスでも30万円しないものが沢山ありますし、ブランドを問わなければ10万円程度でも十分選択肢があります。最近では、セミオーダーメイドでシルク生地のもので8-9万円というものもありますから、買っても日本よりかなりお得です。

本当に素敵な着物でしたが、レンタル料が30万円強と聞いて諦めました。既に結婚していた私達は、その分を料理に注ぎ込むことに決定!

本当に素敵な着物でしたが、レンタル料が30万円強と聞いて諦めました。既に結婚していた私達は、その分を料理に注ぎ込むことに決定!

私はガリシアに行った時に、偶然素敵なドレスを見つけて購入。シンプルなものですが、生地が美しく、仕立てが丁寧でラインがとても綺麗だったので本当に満足でした。妊娠中だったので調整が最後になり、さらに日本まで持って行くのは大変でしたが、色々な人に上品なドレスと言ってもらえたのが嬉しかったです。

では、この辺で披露宴当日の様子を少し。

司会を務める兄と私は早目に会場入り。私は早速会場でメイクや髪型のセット。その後夫や夫の家族も到着して準備開始。

階段で家族写真。

階段で家族写真。

12:30。記念撮影開始。ここで親戚や友人に久々に会い、皆で談笑したり写真を撮ったりしました。歯を見せて笑うと、「新婦、口を閉じて下さい。」と言われるのにちょっとびっくり。なるほど、日本ではもうちょっとフォーマルにしなければいけなかったですね。

ケーキ入刀の時の人だかりにこっちがびっくり(笑)

ケーキ入刀の時の人だかりにこっちがびっくり(笑)

13:30。披露宴開始。入場曲はスペインらしく闘牛の曲(Pasodoble)を選びました。進行係の人には、「ここから入って真ん中で●●秒程度待機して、お客様が写真を撮れるようにして・・・」と色々な指示が入りました。ですが、あまり堅苦しいことが好きではない私たちは、入場から闘牛士風に挨拶。それはそれで面白かったと思います。

15:00。ケーキ入刀。ナイフの持ち方やケーキの切り方等の説明を受けましたが、あまりフォーマルにしたくない私たちにはちょっと重たくなり・・・切った後に、従兄弟の子供達に「クリームいる?」とナイフを差し出しました。(ナイフとは言え、ヘラみたいなもので危険ではないですよ。)二人が指でクリームを取っていたのが可愛らしかったです。

クリームをどうぞ。

クリームをどうぞ。

今回、お料理一皿ごとに、各テーブルに座って皆とお話をするようにしましたが、これが思った以上に好評で、皆に「きちんと話す時間が取れて本当に嬉しかった。」と言ってもらいました。

皆と一緒に。新郎新婦席にはほとんどいませんでした。

皆と一緒に。新郎新婦席にはほとんどいませんでした。

また、余興として母方の叔母二人に滝廉太郎の「花」を歌ってもらい、叔父が「埴生の宿」のオカリナ演奏してくれ、さらには皆で「幸せなら手を叩こう」を歌うように準備をしてくれました。この「幸せなら手を叩こう」、実はスペイン民謡だったんですね。皆で集まって歌い、とても和やかなものとなりました。

叔母二人の歌。伴奏の練習をせず、当日いきなり合わせましたが何とかなりました。ホッ。

叔母二人の歌。伴奏の練習をせず、当日いきなり合わせましたが何とかなりました。ホッ。


叔父のオカリナ演奏。きれいな音色に心が洗われるようでした。

叔父のオカリナ演奏。きれいな音色に心が洗われるようでした。

その後、兄がファゴット、私がピアノで「リベルタンゴ」を共演。その辺りで義父も何かしたいと思ったようで、私が好きなスペイン・オペラであるサルスエラ(Zarzuela)の一曲、「サフランの種をまく人(Sembrador del azafrán)」という歌を歌ってくれました。全く練習していなかったので最高の出来とは言えませんでしたが、きちんと歌えないだろうと思いつつも、そういう形で私たちの披露宴に参加してくれた気持ちが本当に嬉しかったです。

兄と共演。日光でちょっと練習しておいて良かったです。

兄と共演。日光でちょっと練習しておいて良かったです。


私の大好きな歌を選んでくれた義父に感謝!

私の大好きな歌を選んでくれた義父に感謝!

高校時代の友人のスピーチでは、彼女の一本筋の通った凛とした話し方や昔と変わらない優しさに触れることができ、改めて素敵な友を持ったと感激してしまいました。他の友人や中学時代の恩師とも数年ぶりに会うことができ、一層素敵になった皆からエネルギーをたくさんもらったようです。私たちの披露宴を本当に喜んでいるという皆の純粋な気持ちが伝わってきて、それだけで感謝でいっぱいになりました。

高校時代から尊敬する友人がスピーチをしてくれて、素敵な思い出となりました。

高校時代から尊敬する友人がスピーチをしてくれて、素敵な思い出となりました。

友人や親戚から、マタニティの服、子供用の歌のセット、風呂敷、ボールペン等もいただき、皆の心遣いが本当にありがたかったです。また、母の兄にあたる叔父は、私と私の義母にそれぞれ素敵な扇子を用意してくれ、何と私の母からのプレゼントとして渡してくれました。思いがけず、「母からのプレゼント」を受け取り、私も義母も感激してしまいました。

叔父から義母へのプレゼント。

叔父から義母へのプレゼント。


気持ちは言葉の壁を越えて通じるものだと思った瞬間でした。

気持ちは言葉の壁を越えて通じるものだと思った瞬間でした。

披露宴の締めくくりは義母のスピーチです。彼女がスペイン語で書いた物を私が翻訳し、その翻訳は司会の兄が読むということになりました。彼女のスピーチは本当に示唆に富み、同時に感動的で、今でも時々読み返しています。このスピーチ原稿も引出物に入れたのですが、その後友人の何人かがこれを大切に持って読み返しているという話を聞き、彼女からのメッセージが他の人にも届いたようで嬉しく感じました。

スピーチをする義母。

スピーチをする義母。

日本の一般的な披露宴とは違う部分も多かったと思いますが、沢山の人が私たちと一緒に楽しもうとしてくれているのが分かり、それが何よりも嬉しかったです。そして、何らかの違いがあった時、それがうまくいくかどうかは周りの人の優しさ/思いやり/気持ちによる所が大きく、さらにそれはお互いの信頼がベースになっているんだな、と実感した日でもありました。

義母より、夫が4歳の時に母の日にプレゼントしたという絵をもらいました。彼女の優しさに感動です。

義母より、夫が4歳の時に母の日にプレゼントしたという絵をもらいました。彼女の優しさに感動です。

参加してくれた皆さん、本当にありがとうございました。

Tagged as: , , ,

4 Comments

  1. ガリシアのドレスすごく素敵ですね。
    よい思い出が沢山出来て良かったですね。
    おめでとうございます!

    • Chihoさん、

      ありがとうございます。
      ガリシアの奥地Ribadeoで、ちょうどお店が閉店セールをしている時に入ったんです。
      多少スカートのウエスト部分にゆとりがあるかなと思ったんですが、その後妊娠してぴったりになりました(笑)
      こういう掘り出し物が村で見つかるというのが、またスペインの良い所かも知れませんね。

      全体としては日本式の披露宴だったものの、所々にスペインらしさが入り、かなり手作り感のあるオリジナルな披露宴となりました。
      日本人の参加者から、「スペインの家族が親切でHarukiのことが好きなのがよく分かって嬉しかった。」と言ってもらえたのが、一番心に残りました。

  2. はるき
    ぶろぐいいねえ。
    いま浜松。
    そっちはどうですか?
    いづみにも三女が生まれたんだってね。
    よかったー。
    またぶろぐ拝見します。

    ギエルモにもよろしく。

    では

    • 信太郎お兄ちゃん

      お久しぶりです!
      姉の三女(承子ちゃん)もすくすく成長しているようですよ。
      気がついたら姉は三児の母、本当に時が経つのは早いものです。
      高橋家も是非こちらまで遊びに来て下さいね。お待ちしています。