Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

風呂敷のある生活

夫と私それぞれのお気に入り風呂敷。

夫と私それぞれのお気に入り風呂敷。

実は、私たちは風呂敷が大好きです。5年以上前になりますが、夫が「これはおもしろい。」と風呂敷の包み方を見ていたのが始まりでしょうか。日本文化のこういう部分に興味を持ってくれているんだなぁ・・・と、実家にしまわれていて誰も使わない風呂敷を2-3枚持って帰り、二人で使うことに。流行で終わるかとも思いましたが、それ以来夫も私も色々な場面で使うようになりました。

そうこうしているうちに、友人からいせ辰さんの風呂敷をプレゼントにもらいました。この風呂敷が私たちの中で大ヒット!和風の粋な柄が素敵な上、扱いやすい木綿製で、さらに同じ柄が1世紀以上も売られているという所に、伝統と斬新さの混ざった作品ならではの魅力を感じました。

ところが、このいせ辰さんの商品を売っている所はあってもお店の情報がほとんどなく、いつか行きたいと思いながらそのままになっていました。インターネットでいくつか買ったものの、お店に立ち寄ることなくさらに数年経過・・・。

今回の日本滞在中、偶然兄がお店の場所を知っているということで、念願叶って一緒にお店に行くことができました。

いせ辰さんの店内。沢山のお花が咲いたようです。

いせ辰さんの店内。沢山のお花が咲いたようです。

入口の飾りも何とも言えず可愛らしいです。

入口の飾りも何とも言えず可愛らしいです。

いせ辰さんは1864年創業の老舗で、谷中に本店があります。昔ながらの版木を使って刷り上げた粋なデザインのものが沢山で、どの作品からも明るさとパワーを感じます。お店に入ると可愛い小物が沢山!ぽち袋、手ぬぐい、千代紙、風呂敷、置き物等が所狭しと置いてあります。お店自体はシンプルなのですが、沢山の色とりどりの商品があるお陰で、店内はお花が咲いたような賑やかさです。

ゴッホの「タンギー爺さん」。この左下のお花の絵がいせ辰さんの紙ナプキンの柄になります。

ゴッホの「タンギー爺さん」。この左下のお花の絵がいせ辰さんの紙ナプキンの柄になります。

店員さんに教えていただいたのですが、いせ辰さんが昔作っていたナプキンの柄が、1880年代に描かれたゴッホの作品「タンギー爺さん(Le Père Tanguy)」の背景として出ているのです。ジャポニズムへの憧れを表したということでこの絵が日本に紹介されることはよくありますが、背景の版画が注目されることはあってもナプキンの柄まで注目されることは稀なようで、実はあまり知られていません。その柄が描かれているということで、改めていせ辰さんの歴史の長さを感じました。

お店の手ぬぐいの柄の中で、素敵なパステルピンクと白い傘のデザインの物がありました。新しい柄なのだと思って店員さんに聞いた所、「ええ、比較的新しくて大正時代のデザインになります。」とのことでした・・・。恐れ入ります。

さて、私達の風呂敷の使い方ですが、二人とも旅行が好きなので、主に旅行の時に洋服を包んで保護する為に使っています。(私は以前はプラスチックの袋にまとめて入れており、夫は直接スーツケースにたたんだ洋服を入れていました。)これはあくまで私の感想ですが、スーツケースの中が華やかになって、出張時などでも元気がもらえる感じがします。更に、何をどこに入れたのか一目瞭然なので、物を探すのに時間がかかりません。何よりも、大好きな風呂敷にきちんと物を包むと、持ち物を大切にしているという実感が湧きますね。

頻繁に出張に行く夫のスーツケースにも風呂敷が。

頻繁に出張に行く夫のスーツケースにも風呂敷が。

今回購入したいせ辰さんの風呂敷の一部。

今回購入したいせ辰さんの風呂敷の一部。

他には、友人のディナーに招かれてワインを包んで持って行くこともあります。とても喜ばれますが、こちらでは風呂敷もプレゼントの一部と誤解されてしまうので、「きれいな布だね!」と言われたら、間髪いれず「これは持って帰るよー。」と言わないといけませんが(笑)

友人からもらった風呂敷2つと姉からもらった加賀友禅の風呂敷1つ。女の子らしくてこれまた可愛いです。

友人からもらった風呂敷2つと姉からもらった加賀友禅の風呂敷1つ。女の子らしくてこれまた可愛いです。

今回帰国した時に、偶然披露宴に参加した友人から風呂敷と「はじめてのふろしきと手ぬぐい」という本をセットにもらいました。特に風呂敷が好きという話もしていなかったので、以心伝心とはこのこととびっくりしましたが、こちらも早速使わせてもらっています。いせ辰さんの風呂敷よりちょっと小さめのこれらの風呂敷は、先日出張時にアクセサリーやセーターを保護するために使いました。目が細かく、いせ辰さんの木綿の物よりデリケートな物を包むのに向いているようです。

興味のある方は、是非このお店をのぞいて見て下さい。千駄木の近くです。近くにある谷中の商店街も風情があり、とても良い日本での思い出になりました。

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2 Comments

  1. 風呂敷好きだったんだね。
    粋な縁になってよかった^^

    風呂敷は日本が開発したものでも貴重なものだと思うよ。
    最近は「Mottai nai(もったいない)」って単語を広めようとがんばってるみたいだし
    一緒にecoの一翼として広がると良いね♪

    私もいせ辰さん行ってみようっと♪

    • >Mayuh

      本当にありがとう!とても素敵なプレゼントでした。
      風呂敷と似たような物は他の地域でもあるみたいだけど、流石に包み方の本は日本ならではだと思います。
      色とりどりの布を見ると、本当に心がうきうきしてくるね。

      「Mottai nai」を紹介したのはケニアの女性だったっけ?
      とても素敵なことだと思った反面、このような考えが日本では消えつつあることに危惧を感じています。
      いらないものまでもったいないと思って取っておく必要はないけれど、気に入ったものを大切に使い、リサイクルできるものはして・・・少しずつ生活を豊かにして行きたいものです。