Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

Tarancueña

タランクエニャ村と秋の空

タランクエニャ村と秋の空

先週、ある友人の出身地である、マドリッドの北にあるカスティーリャ・イ・レオン州のソリア(Soria)県に行ってきました。彼の出身は、そのSoriaの中の小さな村、タランクエニャ(Tarancueña)です。

大量の堆肥かと思いきや・・・

大量の堆肥かと思いきや・・・

ヒマワリの種でした。これでヒマワリ油を取ります。

ヒマワリの種でした。これでヒマワリ油を取ります。

この村について聞いたことがある人は皆無だと思います。なぜかと言うと、この村の人口はたったの15人だから・・・。本当に、カステイーリャらしい平野が続いている中にぽつんとある村なんです。隣の村までそこまで遠くはないものの、マドリッドから車で2時間弱でこんな小さな村に行き着くことが驚きでした。

村の広場。ここに週2回パン屋さんが来るとか。こんな生活もあるんですね。

村の広場。ここに週2回パン屋さんが来るとか。こんな生活もあるんですね。

村の人達は親戚同士と言った感じで、何だか皆顔が似ているのが面白かったです。昔はもっと沢山の人が住んでいたそうですが、人々はどんどん大きな街に出て行き、お年寄りばかりが残るようになり、そういったお年寄りが亡くなると子供達が相続するものの、夏の休暇以外はほとんど利用しない、といった状況になってしまったとか。というわけで、夏は何と100人以上にも膨れ上がるそうですが、私たちが行った時は閑散としていました。

友人は、例のマドリッドとタンザニアで仕事をしている人なので、普段はこの村にいる訳ではないのですが、今回スペインでの一時滞在を利用して皆で遊びに行ってきました。ちょうど彼のお姉さんが民宿(スペイン語では、「田舎の家 “Casa Rural”」と呼ばれています)を経営しているので、そこに滞在することになりました。

カスティーリャ・イ・レオン州は乾いた大地と長い冬、夏は強い陽射しで知られていますが、ソリアは特に冬が厳しいことで知られています。スペインのジョークで言われるのが、「ソリアには二つの季節(dos estaciones)がある。冬と電車の駅(同じくestación)の二つ。」というものです。つまり、年中冬という位寒いということですね(^^;)

この気候のせいと言われていますが、カスティーリャ・イ・レオン州の人は思ったことをはっきり言う性格で、かなり皮肉っぽい所があるとか。そして、誰に対しても愛想良くするタイプではないそうですが、一度受け入れた人は厚くもてなす気質だそうです。私の夫のおばあちゃんはこの州の別の村出身ですが、確かにそういう人達が多いかも知れませんねぇ。

Casa Ruralの中の一部屋。湯船があったのが嬉しかったです。

Casa Ruralの中の一部屋。湯船があったのが嬉しかったです。

タランクエニャには、金曜日の仕事の後に到着。暗い道を車で走ると、辺りには灯りもなく、アフリカのサファリを彷彿とさせました。こんな場所が首都からちょっと出た所にあるなんて、さすがスペインです。

2時間弱走った頃、ぼうっと先に明かりが見え、それが村の入口でした。民宿はなかなか素敵でした。タンザニアの置物や絵が至る所にあり、スペインの古い物との組み合わせが面白かったです。皆が到着してからは簡単な夕食をとり、その日は早目に就寝。

次の日は朝食の後外に。昨日は真っ暗で見えなかった畑や広大な大地が見渡す限り続いていました。夫はこの日の為に家から凧を持ってきていたのですが、風が穏やかすぎて揚がらず・・・ちょっとかわいそうでした(笑)

その後は皆で風車を見に行きました。伝統的な物を期待していたのですが、期待を裏切りモダンな風車でした。しかも、沢山!!これだけの数を一度に見たのは初めてで、その大きさと数の多さに圧倒されました。丘は風がびゅうびゅう吹いていましたが、その寒さがまた心地よくて、空気の軽さを感じたり、誰もいない場所に咲く花を見て感動したり・・・そんなことをしているうちにあっという間に時が経ちました。

風車の大きさが分かるでしょうか?本当に巨大なんです!

風車の大きさが分かるでしょうか?本当に巨大なんです!

その後は、タランクエニャ出身の友人のお母さんが生まれたという村に。

友人のお母さんの生まれた村。ちょっと切ないです。。。

友人のお母さんの生まれた村。ちょっと切ないです。。。

なんと、廃墟でした・・・。こんなこともあるんですね・・・。でも、これまた風情のある感じだったので、友人と一緒に散策を楽しみました。

友人の連れて来た犬は大はしゃぎ。白い足が赤土だらけに・・・!

友人の連れて来た犬は大はしゃぎ。白い足が赤土だらけに・・・!

お昼の後は、近くのゴルマス城 (Castillo de Gormaz)と呼ばれる城塞に。到着するまでこのお城について何も知らなかったのですが、何とこのお城は完成当時の9世紀には、ヨーロッパで一番大きな城塞だったそうです。周囲1200メートル、全長446メートルもあり、中には家畜にあげる餌を蓄える場所までありました。この城塞は、当初イスラム教徒が北の境界にいるキリスト教徒との戦に備えて構築したもので、何と見張りの塔が28もあります。確かに、小高い丘にそびえ立つ塔からは360度見渡すことができ、まさに警備にうってつけ。ここから見えるカスティーリャの大地は本当に美しかったです。

夕暮れの中のゴルマス城。

夕暮れの中のゴルマス城。

お城から見下ろすカスティーリャ・イ・レオンの大地。広大という言葉がぴったり合います。

お城から見下ろすカスティーリャ・イ・レオンの大地。広大という言葉がぴったり合います。


この夕陽の美しさがスペインだなぁ、と思いました。

この夕陽の美しさがスペインだなぁ、と思いました。

夜になってからは、友人の勧めでナイト・サファリ!タランクエニャ周辺には沢山の野生動物がいて、狩の時期には狩人達で民宿が満員になるとか。夜の道をひたすら走り、やぶの中でかさかさ動く物に出くわしたと思ったら、何とイノシシ!友人が、「イノシシは絶対道路を渡って川に行くよ。」というので、その辺りをぶらぶらしてみると、案の定道路を横切る素振りを見せ始めました。それを車で追い、至近距離でイノシシを見ることに成功!その後も色々な場所を通り、カモシカやイタチも見ることができました!!短時間にこれだけ動物が見られて大満足です。そして、私は全く気づかなかった動物を瞬時に見つけ出した友人に脱帽。やっぱり慣れている人はすごいですね。

秋の景色と林道。

秋の景色と林道。

その夜は皆でゲームをしたり宴会をしたりだったのですが・・・いつもの如く、スペイン人は騒ぐ騒ぐ・・・。私は2時に寝ましたが、叫ぶ声や机をたたく音が4時半位まで聞こえました。(途中から私は寝ていましたが、真上の部屋で寝た友人はなかなか寝付けず、次の日寝不足でダウン。ちなみに、彼女はフランス人です。)

最終日は皆で散歩をし、美しい自然と秋の景色を堪能してからマドリッドへ。充実した週末でした。ちょっと郊外に出ただけで、こんなに自然にどっぷり浸かることができ、改めてスペインの良さを感じました。同時に、私はいつになってもスペイン人のように夜更かしはできないなぁ・・・と思った週末でもありました。

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4 Comments

  1. Haruki,
    Qué buena costubre la de escribir sobre sitios que visitas. Me ha gustado y eso que con el traductor de google seguro que pierde mucho el texto… Las fotos muy bien escogidas!! Un fin de semana para repetir!!

    • Gracias Sara. La verdad es que me dio un poco de pereza escribir sobre un viaje con muchos eventos y muchos paisajes preciosos, que hay que escribirlo todo! Me alegro de que te guste, y ya sabes que cuando te cases o tengas algún evento importante, vas a salir tú 🙂

  2. Hola,Harukiさん!

    本当に広大ですね。そして、空が青くて広い。スペインの空を見る度、日本の空より遠くにあるように感じます。スペインの空が大好きなんです。

    また素敵な写真を楽しみにしています。

    • MIGUさん

      私もスペインの空は大好きです。
      夏の真っ青な空も、秋のちょっと薄い青の抜けるような空も、見ていて清々しい気持ちになりますよね。

      私もMIGUさんの日記を楽しみにしています!