Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

タンザニア旅行 2.サファリ

堂々と立つキリン

堂々と立つキリン

ケニアやタンザニアへ旅行に行く人の第一の目的はサファリと言われる位、ケニアとタンザニアには様々な野生動物を見る場所があり、外国人観光客を対象としたサファリツアーはこれらの国にとって貴重な外貨の収入源です。例えば、タンザニアで普通のホテルが15〜20ドルで朝食込みなのに対し、サファリツアー用に国立公園や保護区内に建てられたホテルに宿泊すると、同じレベルでも200ドル、場所によっては400ドルもします。もちろん安宿も探せばあるのですが、海外から事前予約をするようなホテルとなると、なかなか安くはならないようです。(それに、せっかくアフリカまで行ったならこういう所でケチケチしたくないかも知れませんね。)これに加え、国立公園入場料は1日で50ドル、さらに車を借り、運転手とガイドをお願いするとなるとかなりの出費です。アフリカでここまで高いビジネスはなかなかないでしょう。

こんな車でサファリをします。

こんな車でサファリをします。

とは言え、確かにサファリツアーは参加する価値があります。キリンがほとんど脚を曲げずに平原を走る姿、象の親が子供を守る様子、ガゼルの跳躍力、お腹が空かないと獲物がいてもお腹を上にして寝ているライオン・・・そういったものの一つ一つの光景にただただ感動するばかりでした。

サファリとはスワヒリ語で「旅」という意味。スワヒリ語を公用語とする国はケニア、タンザニア、そしてウガンダの一部ですから、ちょうど「旅」をする地域と動物が沢山生息する地域が重なったのだと思います。あくまで推測ですが、そこから転じて「サファリ・ツアー」となったのではないでしょうか。

タンザニアに来る海外旅行者のほとんどは、キリマンジャロ国立公園やセレンゲティ国立公園、ンゴロンゴロ保護区といった北の地域に行き、サファリツアーを3−10日連続で行うそうです。確かに、アフリカ最高峰のキリマンジャロの山々は素晴らしいですし、セレンゲティはヌーの大移動でも有名ですから、行く価値はあると思います。ですが、私たちは知り合いから「毎日動物を見て1週間も過ごすと退屈でたまらなくなるから、長くても2−3日で切り上げた方がいいよ。」と言われていたので悩みに悩みました。結局、首都から3時間程の所にあるミクミ国立公園 (Mikumi National Park)と、その先のイリンガという都市から車で5時間位進んだ所にあるルアハ国立公園 (Ruaha National Park)の2つを回りました。以下、それぞれの紹介です。

子象を守る親象たち

子象を守る親象たち

  • ミクミ国立公園

ミクミ国立公園は、首都からイリンガという都市に向かう途中にある国立公園で、何と「道を進むと気がついたら動物でいっぱい」という地域でした。国立公園の中と外が柵で隔てられている訳でもないので、ゲートをくぐる前から象の親子に遭遇したりしてびっくりしました。この象の子供がどうやら病気だったようで、地面に横たわっており、周りを取り囲むように大人の象が立っていました。子供を守ろうとしていたのでしょうか。

国立公園の規模としては小さいミクミですが、首都から車でちょっと出ればできるサファリということで、なかなか旅行者に人気があるそうです。私の友人は、以前一度通った時に、雌ライオンがシマウマの首にかじりついているのを見て、その迫力にたまげたと言っていました。

象飛び出し注意の標識

象飛び出し注意の標識

私たちが行った時期は現地では乾季だったこともあり、公園内のレストランの近くにあった小さな湖には沢山の動物が集まっていました。レストランとその湖との間に何も柵がない状態だったので、いつヌーの群れがこっちにやって来るか・・・と、実はちょっと心配しましたが、動物はあくまでのんびり。見ていて本当に癒されました。

この公園がちょうど幹線道路の一部になっていることから、高速バスも何台か公園内を突っ切って行くのが見えました。中には幼稚園バスのようなものもあり、途中の休憩所らしき場所で沢山の子供がわらわらと出て来るのにもまたびっくりしました。私たちは車の中にいましたが、「子供が大人と一緒に公園内で下車してるー!」「近くにワニいるよ。」「カバも池にいるよ!」と、こっちが心配になる始末。サバンナの動物はお腹が空かないと攻撃しないので、日中は比較的安全といいますが、それでも見ていて心臓が縮み上がりそうでした・・・。

  • ルアハ国立公園

IMG_8671この国立公園は規模の面でも動物の数や多様性の面でも、ミクミ国立公園を遥かに凌ぐものです。が、遠い・・・非常に遠い・・・。イリンガという街から道無き道を車で進むこと5時間。ものすごい砂埃が車内を白くし、視界を遮り、さらに太陽が照りつける中、ようやく公園の入口に。受付の人たちは非常に無愛想で、入場料はドルでしか受け取らず、さらにおつりのないように支払えないなら入場させないと言う始末。そこも無事に切り抜けて、ようやく公園内に。

15分程進んだ所ですぐに川の見える場所に。この川が圧巻でした。象の家族が水浴びをしている傍らで、大量の猿が水を飲み、川の真ん中ではカバが時々水面に鼻を突き出して大きな音を響かせる・・・。上空ではワシが今か今かと獲物を狙い、逃げるように飛び立つペリカン。自分がその場所にいるのが信じられない位、日常とは全く違う世界でした。水は全ての生命を育むんだなぁ、と実感しました。

こんな道をずっと通って国立公園に。

こんな道をずっと通って国立公園に。

この公園では、公園内のホテルに一泊しましたが、このホテルの周辺に象のフンがたくさんありました。ホテルの人たちによると、象やライオン、インパラ等が夜中にホテルの周辺にまでやってくるとのこと。さらに、象は足の面積が広いので、動いても音があまり立たず、気がつくと後ろにいるなんていうこともあるそうです・・・。もちろん、消灯後は何があっても外出禁止と言われました。私たちは途中で食材を買い込み、このホテルの外でバーベキューをしたのですが、木の上には何匹も猿がいるし、ホテルを少しでも離れると真っ暗闇だし、ちょっとおっかなびっくりでした。

次の日は朝早くに起床。6時には車に乗り込んでサファリツアー開始!日の出の美しさもさることながら、早起きの動物達が朝もやの中に沢山見え、一日の始まりを肌で感じ、本当に言葉では言い表せない位感動しました。朝焼けの中のバオバブの木、湖に集まる沢山の鳥達。サバンナの朝はオレンジ色の幻想的な世界でした。

バオバブの木の大きさは圧巻です。

バオバブの木の大きさは圧巻です。


シマウマたち。

シマウマたち。

日中は沢山のシマウマの群れや象の親子に出会いました。シマウマって、ウマに比べて随分ぷっくりしているんですね。お茶目な感じでした。象の親子には二度会いましたが、一度目は遠くからパオーッと威嚇され、もうそれだけでびっくり。早々に立ち去りました。その後は道路を曲がったらいきなり数十メートル先に象の親子が。そこに別の車が立ち往生しているのが見えました。その車は母象を刺激しないようにエンジンを切って止まっていましたが、象もそこに止まっていたので二進も三進も行かなくなった様子。私たちもエンジンを止めて様子を見ていました。待つこと10分。そこにいきなり猛スピードで別の車が突っ切って行きました。彼らは象に巻き込まれないように、逆にスピードを上げて通り過ぎたのですが、母象がびっくりして動きだし、私たちも慌てて走り去る事に。後ろには走ってくる象、前には逃げ出す車、この時程「手に汗握る」運転を経験したことはありませんでした。(とは言え、私は助手席でしたが・笑)

その他にも親子ライオンも見る事ができましたし、数種類の猿、カバの親子、ガゼル、イボイノシシ、ジャッカルやその他名前を知らない不思議な動物も見ることができ、本当に思い出に残るひと時となりました。サイ、チーターは残念ながら見る事ができませんでしたが、野生の動物をこれだけ沢山見る事ができ、本当に満足のサファリでした。

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2 Comments

  1. 前に書き忘れたんだけど、タンザニア旅行記1の方の日の出の写真、凄く綺麗だね。
    地平線から太陽が昇る姿なんて、久しく見ていないよ。
    また、他の光源がなくて、きっと綺麗なんだろうな、と思えた。

    あと、サファリの、バオバブの木!
    車が止まっていたから、その大きさが伝わってくるよ!
    テレビで見たときは木だけだったから、もっと小さいのかと思ってた。

    象飛び出し注意の標識!
    いたずらで何かの動物の図(多分ヒツジ)がゾウにされていることは良く見たけど(多分イギリスで)、本物の象飛び出し注意があるんだね!

    とっても楽しそうな旅行だね。
    やっぱり、色々と全てが違うんだね。

    • 日本でもスペインでも、あれほど感動的な日の出は見た事がなかったなぁ・・・って、現地で感じたよ。
      他の光源がないから夜は家を離れるのがちょっと怖いくらいなんだけど、それも含めて他ではできない体験でした★

      象飛び出し注意の標識は可愛らしいんだけど、そろそろ象が象に見えなくなりつつある・・・。
      新しいものに換える予算もなかなか出ないのかなぁ、なんて思って、ちょっと切なくなっちゃいました。

      >とっても楽しそうな旅行だね。
      >やっぱり、色々と全てが違うんだね。

      うん、全てが違うから、shokoにはちょっと刺激が強すぎるかもしれない。
      まずはヨーロッパにおいで♪