Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

家探し

ある家のテラスから見た景色。視界が広々としていてうっとりしてしまいました。

ある家のテラスから見た景色。視界が広々としていてうっとりしてしまいました。

ご存知の人も多いかも知れませんが、今スペインは未曾有の住宅バブルがはじけ、住宅価格が大きく下落しています。さらに失業率の上昇(昨年の9%から18%に!)もあり、持家をすぐに売ってお金を得たいと言う人が増加しています。特にマドリッド中心地の住宅バブルにはすごいものがあり、現時点で昨年より約30%程価格が下がったと言われています。

日本人にとっては驚くような話ですが、ヨーロッパでは一般的に住宅の市場価格がゼロになるなんてことは考えられません。築100年の家が当たり前にある国だからでしょうか。リフォームをして外装は昔の優雅なままで、内装はモダンに・・・というような家をよく見かけます。日本の家屋は「20−30年で市場価値はなくなる」と言われていますが、それをヨーロッパの友人に話すと、「そんなに耐用年数が短い家に住んでいること自体恐ろしいと思わないのか?」と聞かれてしまいました。ふーむ。。。

マドリッドの中心サラマンカ地区には100年近く経つ建物でもこんな優雅な外装のものが沢山あります。

マドリッドの中心サラマンカ地区には100年近く経つ建物でもこんな優雅な外装のものが沢山あります。

こんな経緯もあり、何世代も一つの家に住むのが当たり前のスペインでは、賃貸住宅を出て自分で購入した家に住むことは「夢」なんです。「夢のマイホーム」ですね。さらに、「家の値段は下がらない」と考えていた人たちもいて、住宅価格が高騰している間にも沢山の人が家を買っていました。(何と50年ローンを組んでいる人までいた位です。)それが今の住宅価格の下落になり、「もう少し待てば良かった」で済めばまだしも、職場から解雇されてローン地獄に陥った人も沢山います。スペインは西ヨーロッパの国々に比べて給料が低いのに住宅価格は非常に高かった為、個人的には「ようやく適正価格に近づきつつある」という気がしますが、それでも実際ローンが返せなくて家を売らざるを得ない人たち、子供を抱えて仕事を探している人たちの事を知ると、やはり気の毒だなと思います。

前置きが長くなりましたが、家の値段が下がっている年内に家を買おうと、現在マドリッド市内の物件を色々と見て回っています。スペインにはこう言った物件を探すための大手のサイトが二つあり、それらを見て地域や物件の広さ、値段を選択して見る事ができます。気に入ったものがあると連絡先にある電話番号に電話をし、物件を見たい旨を伝え、そこで会って中を見させてもらうといった流れです。他には、自分の気に入った地区を足で回り、建物に出ている「SE VENDE (売ります)」という看板を探します。その物件が面白そうだったら電話をし、詳細を聞き、さらに興味があれば会う日を決めます。

上層階の家は見晴らしが良く、地区によっては素晴らしいものも多いですが、夏の太陽の暑さも考えて選ぶ必要があります。

上層階の家は見晴らしが良く、地区によっては素晴らしいものも多いですが、夏の太陽の暑さも考えて選ぶ必要があります。

こんな感じで毎日家を見ていますが、さすがに仕事の後に1−4物件を見て回るのはかなりの仕事。時にはお昼に見に行き、会社のお昼時間がそれで終わってしまうことも。そうすると、オフィスの席でサンドイッチか何かをつまんで終わりです。。。そうは言っても、今後長く住むかも知れない家ですし、こんなに高い買い物は初めてですから気は抜けないです。

家探しをしていて気づいたのは、調べるには色々なポイントがあるということ。私たちはリフォームをしても良いと思っていますが、そうするとリフォームのコストについても考えなければいけませんし、見る家の種類も増えます。さらに、リフォームが必要な家って猫屋敷状態のひどい建物もあるので、それに影響されずにスペースを見ながらリフォーム後の様子を想像したりする必要もあります。これは男性の方が得意みたいで、私は家の中が薄暗くて汚いだけで「これは無理・・・」と思ってしまう方です(^^;)

家のインテリアもちょっと参考になります。ヨーロッパはお客さんを家に招くことが多いので、リビングに椅子やソファがたくさんある気がします。

家のインテリアもちょっと参考になります。ヨーロッパはお客さんを家に招くことが多いので、リビングに椅子やソファがたくさんある気がします。

見ているポイントとしては、値段や広さの他に以下のようなものがあります。

  • Community費

住宅によってことなるこのcommunity費には、管理人さんのお給料、水道代、中には共同施設(プール等)利用費等も含まれます。100ユーロ〜300ユーロと幅があるので、これも考慮の対象です。

  • 柱、壁

リフォームをするに祭して大黒柱や取り払えない壁の位置を知るのは非常に重要。この取り払えない壁をスペイン語では”muro de carga”と言いますが、この言葉を使うと不動産屋さんも「お、知っているねぇ」という顔をします(笑)

  • 駐車場

マドリッドの中心地では駐車場がないと車が停められません。今は車を持っていないからいいですが、今後のことを考えると考慮する必要があるポイント。駐車場の費用が住宅価格に入っていない場合には、それなりに値段を交渉できることが多いです。

では、これからまた家探しに行ってきます!

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4 Comments

  1. この景気は すぐに良くなるとは 思えないし、
    ということは、不動産価格も まだ 低迷が続くのでは。。。

    不動産の購入というのは、とても大きな買い物なので、
    Haruki さんが 納得できるものが 見つかるまで、
    あせらず、じっくり構えてみては。

    新しい家が見つかったら、また ここにUP してくださいね。

    • >陳さん

      そうですね、焦らずじっくり見て行きたいと思います。
      今年初めの新聞では「底値は5月頃」と言っていましたが、この調子だと年内いっぱいというところでしょうか。
      でも、底値を狙っていると今度は選択肢が狭くなるので、とりあえず今はできるだけ多くの物件を見ておこうと考えています。

      新しい家が見つかったら、リフォーム前とリフォーム後も含めて少しずつご紹介して行きたいと思っています(^^)

  2. 日本は、土地を重視するから、上物である家が邪魔に感じられるのは仕方がないかもね。
    でも、そういう意味での「夢のマイホーム」は共通するかも。

    ただ、近年は、都心での戸建ての管理の大変さと、
    住民同士の関係から、賃貸の方が良いって人も増えてきているよね。

    隣に住民が変な人だった場合には、家を手放して別の場所に住む方が良い場合もあることを考えると、
    賃貸も良い点はあるよね。
    日本は、個人による賃貸が少ないから、家を買うことのリスクはヨーロッパよりも高いしね。

    早く良い家が見つかると良いね!

    • >Shoko

      どうもありがとう!

      こっちの人はマイホームに住めなくなったり近隣の住人との関係が面倒になったりすると、その家を貸して別の家に住むということもするみたい。
      それで十分収入源になる、とそういう考えのようだよ。
      中には「せっかく自分で大切にしてきた家だから、知らない人に貸すよりはそのままにしておきたい」っていう人もいるけれど。
      その辺の賃貸の違いも面白いよね。