Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

晩秋

マドリッドもすっかり秋です。仕事に行く途中に見える黄色くなりかけた木々の葉、夏のような深い青ではないけれど清々しい水色をした空、朝晩の暗さ。身が引き締まるような朝の澄んだ空気。秋だ〜! 

Retiro公園の湖

Retiro公園の湖

夏はテラスで飲み物を取り、友達と話しながら人間ウォッチングをするのが好きな私ですが、秋はなぜか一人の時間が貴重に感じられます。カフェに行ってゆったりとお茶を飲み、通りを歩く人達や季節の移り変わりを感じながらボーッと音楽を聴いたりするのが最近好きです。

というわけで、最近私が良く行く場所のご紹介。

スタバの窓から見える景色

スタバの窓から見える景色

実は、大学時代と変わらずスタバ(笑)でも、スタバもお店毎に広さや雰囲気、お店からの景色が違うので、どこでもいいわけではないんです。私が一番好きなスタバは、マドリッドのアトーチャ駅近く、ソフィア王妃芸術センターとマドリッドの音大(Conservatorio)のすぐ近くにあるもの。店員さんも親切だし、お店の中も広いし、日本のスタバ程混雑していないという良さもありますが、美術館と音大が近いのがとにかく素晴らしい★窓から見える美術館やモニュメントの眺めもさることながら、そこを歩く人達の様子、広場で遊ぶ子供達、音楽を演奏する人達、そういった色々な要素が合わさって、日常と芸術が一つになっているのを目にできるのは本当の贅沢だと思います。

こんな言い方をすると変かも知れないけれど、「皆が自然に芸術に触れられる環境って素晴らしいなぁ」という気持ちで一杯になり、自然に心に活力が生まれて来るんですね。そして、コーヒーを飲みながらお気に入りの曲を聴いたり、最近は楽譜作りをしたりしています。

ちなみに、ソフィア王妃芸術センターと言うと分かりにくいかも知れませんが、ここにピカソの有名な「ゲルニカ」があります。ピカソと言うとすぐにキュービズムの独特な表現を思い出す人が多いと思いますが、彼は写実的な絵の天才でもあります。子供の頃に何作も写実的な絵を描いていて、15歳で描いた絵を見た父親(画家)は、自分の才能のなさにうちひしがれたと言われています。そのピカソのかなり写実的な絵もここには保管されています。

美術館に外付けされたエレベーターがモダンな印象を与えます

美術館に外付けされたエレベーターがモダンな印象を与えます

ゲルニカはどこかで見たことのある人も多いと思いますが、本物は圧倒的な迫力があり、足を止めずにはいられません。戦争の悲惨さ、怒りだけでなく、そこに希望をこめたピカソ。フランコの独裁政権に断固として反対し、絵を闘う武器とした彼の生き方については、知れば知る程興味が湧いて来ます。

この美術館には、ピカソの作品の他、サルバドール・ダリ、フアン・ミロ等スペインを代表する画家の絵も多数あり、本当に見応えのある美術館です。

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11 Comments

  1. スタバは良いよね〜。
    コーヒーを飲む場所だろうけど、空間と時間を買っているような、
    そんな感じがする。
    そんな場所で、人を見ながらまったりする一時は本当に良いよね〜。

  2. 私も相変わらずスタバだよ
    温かい飲み物が美味しい季節っていいよね
    はるきちゃんがスペインでもスタバに行ってるって聞くと、本三のイメージが浮かんで距離を感じなくなるわ(笑)
    この前、福岡で家探しのついでにスタバ探しもしたよ

  3. こっちも急に寒いです。
    秋通り越して冬って感じ。 今日は曇りだしますます寒い。
    スペインでも、スタバの価格は高めなんでしょうか?
    ゲルニカのあるソフィア王妃芸術センターって、外壁の外にガラス張りの
    エレベーターシャフトがある美術館ですよね。 行ってみたいな。
    そういえば、最近聞いているCDに「Pablo X」ってのがあって、3人のパブロ
    (パブロ・ピカソ、パブロ・カザルス、チリのパブロ・ネルーダ)を題材にした曲で構成
    されてます。

    ちょうど今、スペイン国王夫妻が国賓として来日されています。
    今日は天皇陛下とお召し列車に乗って筑波の宇宙センターへ行ったようです。
    なんでも47年ぶりに新造された特別車両で、両陛下の利用は初めてらしいです。
    帰りは、つくばエクスプレスで、貸し切りの通勤用車両で戻るみたいです。
    当然「菊の御紋入り」です。 子供の頃は赤羽に住んでいたので御用列車は良く見ました。
    那須とか軽井沢に行ったのでしょうね。

  4. ねこどん
    コーヒーの値段は高めに設定されているけど、あの雰囲気と長居をしてゆったりできるのがやっぱりいいよね〜☆
    日本は結構混んでいることが多いけど、それでもあの心地良さはスバラシイと思ってしまうよ
    みさ
    あの本三のスタバと隣の近江屋!本当に懐かしいね☆
    福岡での生活も順調にスタートできそうで良かった良かった。やっぱり私達の生活にスタバは浸透しているのね(笑)

  5. 鑢さん
    >スペインでも、スタバの価格は高めなんでしょうか?
    結構高いですよ。普通のコーヒーのトールが2.5ユーロ位ですから、日本円で400円位しますね。
    そして、cafe con lecheというと普通はコーヒーと牛乳なんですが、なぜかスタバではカプチーノが出て来てさらにお金を取られます。ここは普通のカフェを頼んで自分で牛乳を注ぐのが通です(笑)
    >ゲルニカのあるソフィア王妃芸術センターって、外壁の外にガラス張りの
    エレベーターシャフトがある美術館ですよね。 
    そうです。あの美術館自体も、昔の病院をああいうモダンな感じに改装していてすごいですが、そこに併設されている図書館のデザインも素晴らしいですよ。曲線がうまく使われています。
    あと、美術館は四角い形で中にパティオ(中庭)があるんですが、そこもなかなか素敵です☆
    Pablo X、すごく興味が湧いて来ました!
    私は実はPablo Nerudaの詩が結構好きで、友人にプレゼントで彼の詩集をあげたりしていたんです。力強さを感じます。
    カザルスも好きだし、ピカソは最近彼の人生について触れたものをいくつか読んでいて、作品と同時に考え方にも興味がありますね。
    ちなみに、今でこそピカソやダリが住んだことで有名なパリのモンマルトル、昔はお金のない画家はあそこしか住む事ができなかったらしく、実はパリで一番お洒落でない地区だったようです
    スペイン国王夫妻と天皇陛下、見ました〜。
    馴染みのある顔の大集合って感じです(笑)

  6. うわ。 さすがですね。 パブロ・ネルーダノ詩が好きだなんて。
    ボクはパブロ・ピカソしか知りません。
    さっきのブログの続編です。

    スタバはどこでも高いんですね。
    cafe con leche ってカフェ・ラテ/カフェ・オレの事ですか?
    ソフィア王妃芸術センターは病院だったんですか。 
    病院を美術館にってのは、日本じゃありえない気がします。 
    モンマルトルも意外です。 
    どうしておしゃれな所に変わったんでしょうかねー。

  7. いまや1ユーロは160円ではなく、ほぼ120円ですぞ。
    なのでコーヒーのトールは300円ぐらいですな。
    それでもちょっと高いほうかしら。
    いつか、Un cafe con leche, por favor. とか言ってみたいです。
    それはともかく、日常的に芸術に触れられるのはうらやましい。
    僕も今週1点絵画を買い、そういう面での充実を図っていけたらと思っています。
    スペースクリアリングもやらないといけないし
    今年も残り2ヶ月だけど、ここで来年に向けての準備をしていけたらと思っています。

  8. 鑢さん
    そうなんです、ネルーダの詩はちょっと荒々しくて素敵ですよ。
    そして、チリの詩人の詩を同じ言葉でこっちでも鑑賞できる、っていうのが今更ながら凄いことだと思います。
    日本語の詩だったら、いくら美しくても地球の裏側の人と同じ言語で共有するのは難しいですよね。
    >cafe con leche ってカフェ・ラテ/カフェ・オレの事ですか?
    そうです。カフェ・オレのことです。つまり泡立ったミルクじゃないものですね。
    でも、スタバでカフェ・オレというとカプチーノなので、スペインでは注意が必要です
    ブログの続きも拝見しました。
    あの闘牛の説明を書いた中丸明という人の本を一冊持っていますが、本当にスペイン文化を知り尽くしている感じでとても面白いです。
    「スペイン5つの旅」という本ですが、もし良かったらどうぞ☆
    ちなみに、闘牛で有名な牛の系統で日本の三浦牛があります。こっちではMiuraと呼ばれていて中々知られているんですよ。
    三浦さんという方がスペインに来たら、まず「牛みたいだ」と言われるはずです(笑)
    ヨッシー
    いやいや、最近ユーロ/円相場があまりに動くので、私はこういう時には個人的に150円位を使っているんだよね。とは言え、375円とまでは書かなかったけど(笑)
    スペースクリアリングは無理をしない範囲でね。無理をするとそれ自体がストレスになるので、少しずつ「これはいるかな?いらないかな?」って見て行く程度で大丈夫だよ。そもそもヨッシーのお家ってキレイだったし☆

  9. ありがとう。
    のんびりやってきます。
    でも今はスポーツ観戦グッズと書類があふれてすごいことになってますよ(苦笑)

  10. ↑やすりん氏が、書いておられるので、もはや書くネタが無いのですが、ひとつだけ。。。。
    パブロ・カザルスのチェロが大好きで、CDも何枚か持っています。特に繰り返して聞いているのは、ケネディ大統領に招かれた「ホワイトハウス・コンサート」と「バッハ無伴奏」です
    「バッハ無伴奏チェロ」は、カザルスが埋もれていた楽譜を見つけて世に出した(ホント?)らしく、まさしく彼の血肉となった演奏だと思います。
    そして同じ曲を、ヨーヨー・マと聞き比べると、きらめくような繊細な色彩を感じる若い(カザルスと比べて、中年だけど若い)ヨーヨー・マと、かなり年配なのに若々しくエネルギッシュで男性的て豪放なカザルスの演奏に驚きました
    わたしはどちらかと言うと、カザルスの方が好きです。男声もテノールより、強いアルトかバスが好きなもので。。。。奥様と30歳くらい違うけど、奥様が恋に落ちたっていう伝説もなるほどとうなづけます
    「ホワイトハウス・コンサート」は有名な「鳥の歌」が入っているものです。じぃ〜〜んときます。フランコに抗して音楽祭を主催したり、国外の島に長く住んでおられたらしいですが、晩年は帰国なさったのでしょうか?
    気骨の人です

  11. ヨッシー
    スポーツ観戦グッズ!それはそれで面白そうなり(笑)
    サッカーと野球が混ざってるのかな?あとゴルフとかもある?!ヨッシーは本当にスポーツに詳しいからねぇ。
    プリンさん
    「ホワイトハウス・コンサート」は聞いた事がないです。すごく良さそうですね!今度探して聴いてみます
    私もカザルスの演奏は大好きですが、やっぱり一番良い物となると「無伴奏チェロ」ですね。あの深みのある音の響きが大好きです♪
    スペインは色々な人がスペイン内戦の傷を負っています。内戦中に殺されたガルシア・ロルカや、内戦後に独裁者となったフランコに反対して様々な運動を起こした人達もその一人ですし、友人をなくした多くの人達、内戦に巻き込まれ、家族や村の知り合いも殺さなければいけなかった人達、、、そういったこの時代の厳しさを知るにつれ、彼らの負った傷を考えずにはいられません。
    そして、そういう中で人を感動させる芸術を生み出した人達に畏敬の念を覚えます。人の弱さ、強さの両方を感じます。