Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

Fundación la Caixa (カイシャ・フォーラム)

ちょっと前にオープンした文化施設のご紹介です。

カイシャ・フォーラムの外観

カイシャ・フォーラムの外観

スペインでも色々な国と同じように、大企業が文化振興に力を入れています。顧客獲得で熾烈な争いを繰り広げている銀行も例外ではなく、マドリッドの中心にあるアトーチャ駅周辺に二つの銀行の文化施設があります。これがなかなか面白くて、インターネット使い放題の図書館があったり、普通に勉強できる図書館があったり、発展途上国の伝統工芸品を売っていたり、時には美術品の展覧会なんかもやっています。これらのほとんどがタダ!(あ、お店の商品は違います。)料金がかかるものでも2−3ユーロ、さらに銀行の顧客であれば無料から半額になるというお得なもの。この前はAndy Warholの展示なんかもやっていて、友達と観に行きました。正直、これは好きになれなかったけど。。。

今回ご紹介する文化施設はカタルーニャ系銀行のラ・カイシャ(La Caixa)が作ったもので、カイシャ・フォーラムと呼ばれています。スペイン語(カステヤーノ語)では普通銀行はカハ(Caja)ですが、それがカタルーニャ語だとカイシャ(Caixa)になるんですね。日本人としては、「会社」みたいで名前がちょっと面白い。。。

もともとの建物は古い発電所で、これが家事で焼けてそのままになっていたのを改良したものです。3年かけて完成したけれど、このすぐ近くに昔住んでいた為、朝8時半から夜6時まで「ピーッ、ピーッ」って毎日鳴っていて、本当にうるさかった。。。引っ越してからは、この音から解放されて本当に嬉しかったなぁ。

3年越しで作るなんて日本のペースで考えるとすごく遅い気がしますが、それでも昔からあった古い建物をこうして再利用し、さらにモダンなデザインも取り入れる所はなかなかです。こういう所に、「ムダが多いけれど遊びも多い」スペインの良さを感じます。

植物で覆い尽くされている壁

植物で覆い尽くされている壁

この建物、何と入り口横にある6階建てくらいの建物の壁が全部植物で埋め尽くされているんです。それぞれの植物が色々な線を描くように配置されていて、壁が一枚のキャンバスのようで本当に圧倒されます。その足下に噴水があって、水の流れに和まされます☆

あと、すごいことと言えば、この3年間のリフォームの間に少しずつ建物自体を上に上げて行き、土台がモダンでさらに半分浮いたような形にしたことですね。
そして足下の部分が金属の不可思議な多面体みたいになっていて、来る人の目を捉えて離しません。その奥まった所にもまた噴水があり、暗い中にライトアップされていてとても素敵です。

中では現代アートの展示会や美術誌等の販売もしているのですが、その階段が象牙色の石でできていて、丸っこい四角?みたいな形をしています。これがまた均一な形ではなくて、それが建物全体に温かさを与えている気がしました。スペインには歴史的なものからモダンでおもしろいデザインまで、さまざまなものを見る事ができますが、こんなモダンな建物はスペインでもなかなか見られるものではないですよ。さすがガウディ出身のカタルーニャの銀行の仕事だけあります。

建物の足下部分。噴水や照明まで本当に独創性があります。

建物の足下部分。噴水や照明まで本当に独創性があります。

この場所はプラド美術館や王宮公園にもとても近い場所なので、旅行に行かれる方は是非立ち寄ってみて下さい。

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5 Comments

  1. カイシャ・フォーラム。最初、読んだときに、指摘どおり、会社フォーラムだと思った!
    スペインの、無料の文化施設、うらやましい限り!日本の図書館は、勉強駄目だし、場所も少ないし、本も少ないし。
    やっぱり、昔の物の利用は、ヨーロッパは凄いよね。家も物も、長く使うし、再利用もするし、日本みたいに、壊してしまうって、あんまりないもんね。

  2. 私も「会社フォーラム」だと思いました!
    図書館の利用の仕方で文化度が計れるような気がします。
    中の建物は、ファサードを残してあるんですね!色も調和して美しいです!なぜ日本、京都はさらにあんなぶち壊すんでしょうねぇ。。。
    壁に這っているツタも色もきれいです!センスいいですね!

  3. ねこどん
    こっちの図書館も場所によっては本が少ないし、大学図書館とかでも話している人が結構多いんだよ。
    すごい所では堂々と携帯で電話していたりとか・・・
    でも、やっぱりどこにでも良識派の人もいて注意するし、何よりも図書館の選択肢がものすごい多いから、私も「大学の法学部の図書館は飽きたから哲学部に・・・」とか、「今日は市の図書館に」とかやっていたよ
    こっちの建物の再利用は見習いたいよね。
    単に石造りと木の違いだけではない気がするよ。
    プリンさん
    京都もぶち壊すんですか?
    東京は新しい建物が建つからどんどんモダンでお洒落なものが増えていますが、昔からのものってあまりないですよねぇ。
    やっぱり「古い物を大切にし、新しく作るものを古い物と調和させていく」っていうプロセスは、自分の街や国を好きになるための大切な要素な気がします
    >壁に這っているツタも色もきれいです!センスいいですね!
    あれ、実はツタじゃなくて、壁一面に水を含んだクッションと土がつけられ、そこに普通の植物が植えられているんですよ。
    しかも色とりどりに色々な植物を配置しているので、本当に絵みたいですよね☆
    この辺も、既存の考えを覆すというか、さすがアートの国だなと思ってしまいます

  4. あれは普通の植物なんですか?!
    さすがです!!!!

  5. プリンさん
    今日またあの場所に行ってきたので、ついでに近くで植物観察をしましたよ。
    間近で見ると・・・意外と枯れている植物もありました
    でも、やっぱり花がある風景って幸せになりますね♪