Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

夜のマドリッド

プラド美術館近くの噴水。夜のライトアップで幻想的です。

プラド美術館近くの噴水。夜のライトアップで幻想的です。

昨日は高校時代の後輩2人に会いました。久しぶりも久しぶり、9年ぶりです。彼女達と夕飯から一緒に過ごし、それからマドリッド市内を歩いて観光名所をいくつか回り、夜のチュロス屋さんへ。それからさらに歩いて夜のマドリッドを堪能し、無事に2人をホテルに送り届け、それから一人で家まで30分くらい歩いて帰りました。彼女達はポルトガルで数日過ごし、その後マドリッドにやってきたんですが、二人に言われたコメントで印象的だったのが、「ポルトガル人は現地の言葉が話せなくても親切だけど、スペイン人はスペイン語が話せない人に対してはかなり冷たい。」というもの。一人で帰りながら思い返していました。

残念だけど、たしかにその通り。。。

基本的にスペイン人はサービス精神は旺盛ではありません。自分が不機嫌だったらお店で働いていても不機嫌。それが当たり前。あまり知らない人に対して笑顔でサービスする習性はないです。。。そして、スペイン語が分からない人にはさらに厳しくなる傾向あり。私もそれで不当な扱いを受けたことが多々ありました。

プラド美術館の正面の壁。月に照らされて孤高な感じです。

プラド美術館の正面の壁。月に照らされて孤高な感じです。

今だと笑えるような話でも、当時は一つ一つの物事を進めるのに本当に精一杯で、そういう中で言葉がうまく話せないことで騙されたり、ひどい対応をされたりするとかなりしょげてしまって。おつりをごまかされて、こっちが「違う!」と言っても無視されたり、まごまごしていると店員がイライラしてどこかに行ってしまったり。後は、通りで「中国人ー!」とからかわれることもしょっちゅう。

私は海外を旅行するのにはある程度慣れていましたが、仕事を始めてからは出張がメインだったので、当然皆の態度は「親切」「洗練」「ローカルではない」といった感じだったんだと思います。そういう自分の属性である程度うまくやっていけたものが、いざ会社を辞めてただの学生になってみて、いきなり強風で煽られたような感じ?だったんでしょう。やっぱり企業&お金の後ろ盾があるのに慣れてしまってたみたい。でも、そのお陰で「自分の見てきた日本も、きっと良い部分ばっかりだったんだなぁ」とも感じています。確かに日本のサービスの方がずっと気持ちよいものだと思うけど、最近では「完璧を求められる日本では皆どうやってストレス発散するんだろう?」とちょっとフシギに思っています。

Palacio de Comunicación。郵便宮殿と呼ばれる建物で、この日は色とりどりにライトアップされていました。

Palacio de Comunicación。郵便宮殿と呼ばれる建物で、この日は色とりどりにライトアップされていました。

ただ、今になって言えることは、私にとってこの2年弱のスペイン生活は、良くも悪くも他の人がなかなか得られない機会を与えてくれたということ。スペイン語が話せる、スペイン文化についてある程度知っているというだけでなく、「自分が変わらなければ皆に受け入れられない」「日本で当たり前のことがスペインでは通用しない」「外国人なんだからスペイン人と同じサービスが受けられなくて当然」という忍耐の日々の中で、それでもスペインに住むからにはもっと理解して好きにならなければ、、、と半分もがいてきたことが一番大事だったかな、と。正直、人々の親切や温かい言葉がなかったら、私はこの国に居続けられなかったと思います。というわけで、自分にとってのスペイン語は、自分の苦労と成長の証のような気がしますね。

日本の良さを思い出しつつ、やっぱり今の自分の現実はこのマドリッドなんだなぁ、と思いを新たにしました。

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8 Comments

  1. マドリッドって、夜1人で30分くらい歩いても大丈夫なんですか〜
    日記を読んで、呑み込みが早いHarukiさんでも沢山の苦労と忍耐を乗り越えて今に至っているんだな、ってすごく感じました。フランスもスペインと少し似ていてフランス語を喋ると相手の対応がちょっぴり変わってきます。まだうまく言葉が出てこない時は嫌な想いも沢山するかもしれないけど、ある程度慣れてこっちの国の言葉で会話ができるようになった時、外人だけれど何か愛着を感じるようになってしまうんですかね〜。私はまだまだ奮闘な日々ですが

  2. ポルトガル人の親切さとスペイン人の冷たさ。。
    夏に2カ国を旅行した姉が同じことを言っていました。。
    まだスペインに訪れたことのない私にとっては人間らしい人が
    集まった憧れの場所のイメージで、日本の過剰なサービスに
    比べれば無理なく素直に生きてるな〜と感じそうですが、
    ただの観光ではなく暮らすとなると生まれ育った環境とのギャップに
    戸惑ってしまいそうですね。
    その環境にすみやかに慣れて生き生きしてるハルキさんってほんと
    すごいな〜って思います!

  3. スペイン語わかる者同士は親しみのある感じがあっていいなぁと思った。
    トレド、面白かったね。おばあさん、と、おじいさんと。

  4. >マスミちゃん
    うん、場所にもよるけど一人歩きは結構大丈夫だよ。
    (とは言え、スリとかには注意だけどね

    9月に会った時のマスミちゃんは、もうすっかり落ち着いて溶け込んでいるように見えたよ☆
    あとは、嫌なことがあっても素敵な建物や文化の香りのするものに触れると、「こういう文化を育てた国民だから、まぁ仕方ないか。」って思っちゃう(笑)そういうこと、マスミちゃんもあるのかな?
    >木綿子ちゃん
    やっぱり、、、お姉様は正しいよ
    うん、サービスの質が一定していないという点では限りなく人間らしいんだけどね
    私もまだまだ慣れていないものもあるみたいだよ。そして、一生慣れないものも、、、きっとあるなり。。(朝6時までタバコの煙もうもうのディスコにいるとか、騒々しい中で大声で皆で話すとか、かな。)
    >ヨッキィ
    そういえば、あのおばあちゃんは家の中を案内してくれたよね。
    タイルと植物がきれいで、なぜか謎の人形が首つりになってた。。
    おじいちゃん、鼻の穴を膨らませながらトレドの歴史をたくさん教えてくれたっけ。その間にヨッキィはスマートに買い物を済ませていたような(^^;)

  5. スペインってなんか暖かい人がいっぱい国だと思い込んでたので、ちょっぴりショックだわ。
    そうだよね、日本ほどのサービスっていうのはなかなか味わえないんだろうね。
    知り合いが来月から半年間ぐらいマドリッド(確か)に行くんだけど、スペイン語大丈夫かな〜。
    かなり不安

  6. >ユカちゃん
    日本のサービスは本当に素晴らしいと思うよ。
    お友達、もし何か必要なことがあれば私の連絡先を教えていいからね。半年だったらビザの切り替え作業とかもあるはずだし、手続き面でも協力できるかもだしね
    スペイン、冷たい人も多いけど、日本より義理抜きで温かい人がいっぱいいるのも事実。なので、どっちも良いとこありだと思うよ

  7. ありがと!
    きっとHarukiがいたら心強いだろうね。
    といってもその知り合いは男の方なんだけどね。
    どこに赴任するか聞いてみるね。
    ちなみにHarukiの大学の先輩にあたる方ですよ。
    とってもそんな風には見えないぐらい抜けてる方なんだけど。。。

  8. お!とすると、どこかの省庁とか政府系銀行とかから派遣/駐在で来る人??
    そういうお友達もこっちにいるので、もし何かあれば役に立つかもです。
    >とってもそんな風には見えないぐらい抜けてる方なんだけど。。。
    う。。。私も抜けていると言われるので、その辺りでも共感してしまうよ