Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

Toledoにまた行ってきました

去年の8月の日記にも書いたトレド、また行ってきました。友達が今週の日曜までスペインに滞在しているのですが、せっかく来たならトレドは外せないということで、昨日二人で行ってきました。AVEに乗ることたった30分、快適な電車の旅をしてトレドに到着。

昔は病院だった建物。内部はやはりムデハル様式。

昔は病院だった建物。内部はやはりムデハル様式。

トレドはUNESCOの世界遺産に街ごと登録されています。それもそのはず、50m歩けば必ず数世紀前の古い建物があると言った感じですし、一日二日ではとても見切れない程の沢山の教会や美術館が点在しています。

トレドの魅力と言えば、その文化の多様性にあります。ローマ人がトレドの基礎を作り、その後は西ゴート族の王国建設により、都市が発展します。その後711年にイスラム教徒のイベリア半島侵入が始まり、トレドはイスラム教徒の手に。数世紀はイスラム教徒の都市として栄えます。その後、11世紀にアルフォンソ6世が支配するようになり、そこからはスペインキリスト教の中心となります。

大聖堂内部。ここまで立派な大聖堂はなかなかありません。

大聖堂内部。ここまで立派な大聖堂はなかなかありません。


ステンドグラスから差し込む光がキレイでした。

ステンドグラスから差し込む光がキレイでした。

不思議なことに、トレドはその後もキリスト教徒・イスラム教徒・ユダヤ教徒が共存していました。こういった寛容な政策は他の国ではほとんど見られなかったことです。でも、それも1492年のキリスト教徒によるレコンキスタ完了まで。その後、トレドのイスラム教徒・ユダヤ教徒は改宗/亡命の選択を迫られます。

このような経緯もあり、トレドの建築物は「キリスト教を土台に発展したアラブ・ユダヤ文化」という感じが強いです。例えば、外から見ると石だけのつるっとした真四角なキリスト教系建物も、中に入ると透かし彫りのバルコニーや庭園等、イスラムの影響を受けた開放的なデザインがふんだんに取り入れられていたりします。後は、城壁の一部がローマ時代のものだけれど、色々な時代に増強されている為、一部の門にはキリスト教徒の王の紋章がついていて、一部の門はイスラム文化のカギ穴型の門になっているのも面白かったです。

旧市街への入口のトンネル。鍵穴です!

旧市街への入口のトンネル。鍵穴です!

他にも、「聖母マリアのシナゴーグ」というのも。ユダヤ教のシナゴーグに後から聖母マリアの像や絵をいれたものらしいですが、扉がルネッサンス様式だったり、まさにミックスもいい所。

ユダヤ教のシナゴーグを教会に変えたもの。シナゴーグそのままな感じです。

ユダヤ教のシナゴーグを教会に変えたもの。シナゴーグそのままな感じです。


幻想的な内装です。

幻想的な内装です。

トレド中央にある大聖堂にはエル・グレコ、ゴヤ、ルーベンスの絵画があったり、昔の教皇の衣装が展示されていたりして、興味深く見ました。

余談ですが、お土産をちょっと買う為に立ち寄ったお店のおじいちゃんがものすごく歴史に詳しくて、私がスペイン語が分かると気付いた途端に「○○年に○○がこれをして」「この言葉の語源は、、、」と喜々として語り始め、何だか微笑ましかったです。そのおじいちゃんに薦められた建物もいくつか見ましたが、やっぱり歴史を少しかじってから見るとより感慨深いなぁ、と思いました。

駅も立派です。

駅も立派です。

本当に日焼けしまくりの一日でした。建物の中が唯一の避難場所。。。でも、その暑さがまた心地よい旅でした。

慈善病院の中。現在は美術館、自然博物館、タイル博物館が入っています。

慈善病院の中。現在は美術館、自然博物館、タイル博物館が入っています。

Tagged as: , ,

6 Comments

  1. トレド,美術館や聖堂も含め大好きな街です.
    けれど歴史背景を知らずに訪れスペイン語も判らないためHarukiさんのように堪能できるのは羨ましいです.
    おみやげやさんのおじいちゃんとの出会い,心温まりますね^−^
    エルグレコとルーベンスに感動したのを思い出しました.独特のアーチ状の柱も...>。<

  2. Harukiの日記は、旅行雑誌を読んでるみたい♪さすがっ!
    やっぱり言葉や歴史を理解した上で、旅行するのは大切だよね

  3. 宗教が共存しあえる街というのは本当に珍しいですね。同じ建物の中でそれぞれのデザインを使い合うなんて、とても難航しそうな作業ですけれど、それがいまだに残されている辺りが街丸ごと世界遺産に登録される所以なのでしょうね。
    >その後711年にイスラム教徒のイベリア半島侵入が始まり、トレドはイスラム教徒の手に。数世紀はイスラム教徒の都市として栄えます。
    >その後、11世紀にアルフォンソ6世が支配するようになり、そこからはスペインキリスト教の中心となります。
    ここ!目まぐるしい変化ですよね〜。そんな事がありえるのかと驚いてしまいました。
    お土産屋さんのお爺ちゃん・・・ちょっと笑っちゃいます。一緒に観光して廻ったら相当時間かかりそうな気配・・・。フフフ。

  4. ちかこちゃん
    おじいちゃん、本当に嬉しそうに語ってくれて、その間にヨッキィが淡々とお土産を品定めしてて、「私もお土産が見たい〜」って思いながら聞いてたよ(笑)
    私もエルグレコの絵は大好きなんだけど、あの画家は意外と強欲で、お金さえもらえれば同じ絵を何枚も描いたという話。。。でもやっぱりあの画風は好きだったりする
    みつばちちゃん
    その昔、高校時代にやった内容が出てくるともう感無量だよ☆
    「あ、山川の教科書にこの写真あった!」みたいな(笑)
    そう思うと、金先生、舟崎先生にはお世話になったよねぇ
    はぷぎさん
    そうなんですよね。
    「スペインでのレコンキスタ完了が1492年」っていうことは日本でも世界史で勉強しますけど、実際その運動が何百年も続いていた、っていうのは驚きですよね。
    今Noah Gordonという人の”The Physician”という本を読んでいるんですが、11世紀頃にキリスト教徒がアラブの進んだ医学を勉強するのは教会によって禁止されていて、唯一許されていたのがスペインだったそうです。
    >お土産屋さんのお爺ちゃん・・・ちょっと笑っちゃいます。一緒に観光して廻ったら相当時間かかりそうな気配・・・。フフフ。
    それは恐ろしい!
    実は、私の友人が電車に乗る時間が迫っていたのにおじいちゃんが歴史攻めで解放してくれなくて、最後は話を遮っておいとませざるを得なかったのです(笑)
    私はその後1人で観光を続けましたけど、おじいちゃんと一緒だったら、、、最後はスペイン語聞き取れない程疲労してたと思います

  5. はるきさんのように事前に歴史をしっかり勉強してから
    観光すると質の高い旅ができるんですよね〜
    わかっているけどついつい後回しで。。
    勉強になります

  6. >木綿子ちゃん
    なにをおっしゃる!
    スペインは1年半住んでるから多少分かるけど、もう他の国の歴史は、、、すっかり忘れてしまったよ。
    日本旅行もきっと日本の歴史を知っていると質が高くなるんだろうなぁ。(仮定