Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

「善き人のためのソナタ」

今日は「硫黄島からの手紙」を観ようと思って映画館に行ったのですが、既に上演を終えていて、急遽この「善き人のためのソナタ」に変更しました。「硫黄島」が見られなかったのは残念ですが、この映画が本当に良かったので、今日はこれで良しとします(^^)

この映画はドイツ映画で、今回アカデミー賞の外国映画賞に選ばれ、ヨーロッパでも数々の賞を受賞した作品です。久々に感動しちゃいました。

舞台は旧東ドイツ。ある作家と舞台女優が西側への協力者ではと疑われ、国家機関に盗聴される話です。ただ、二人を盗聴する役割を担った人が、盗聴しつつ、抑圧される人々の苦悩や自由な思想に触れ、彼の中で何かが変わっていくというもの。この映画を観て、「東西ドイツの分断が未だにドイツ人の心に傷を残している」ということを改めて感じました。

って、これ以上はネタバレなので書きませんよ。

この映画、スペイン語では”La Vida de los Otros”、ドイツ語では”Das Leben del Anderen”で、どちらも「あちら側の人間(西側の人間)の人生/生活」というタイトルです。盗聴という行為がフォーカスされていて、内容には極力触れられていないのに対し、日本語のタイトルは「善き人の為のソナタ」。「日本はやっぱり感動ものであるというところに重きを置いているのかな」という気がしました。この辺の表現の違いが面白かったりします。

あと、この映画を観て思ったのは、エンディングが感動的だけれども、あくまで『静かな感動』で溢れているということ。これがハリウッド映画だと、「誉めたたえるような大喝采!」っていう感じで終わっていたんだろうなー、なんて思ったりして。そういう意味ではすごくヨーロッパ的な映画です。

色々書きましたが、見て損はない映画です!私は”Departed”より断然こっちが好みですね。(ま、オスカーはアメリカの賞だからハリウッド映画のテイストが喜ばれるものなのかしら。)

観た人がいたら、感想聞かせて下さい。

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8 Comments

  1. あたしも静かな感動に溢れてる映画大好きです。
    確かに海外の映画の日本語タイトルは少し突っ込んだ感じのものが時々ある。元々はもっとそっけない淡々としたタイトルなのに。
    私は日本人で確かに前者の方が好きかなぁと思ってたんだけど、ある人はタイトルの淡々とした雰囲気と内容のギャップがいいんだ、と言っていてなるほど〜と思ったよ。

  2. へえ、初めて聞きました。やっぱり50年くらい
    隔離されていたらいろいろあるんだろうなあ、特に
    東ドイツは。
    私はこの間「幸せのちから」見ました。
    これは、アメリカのビジネス街で子供をがんばって育てる
    サラリーマンの話です。感動したなあ。。

  3. この映画初めて知りました〜観てみよっかな♪
    硫黄島〜は是非DVDで!父親たちの〜でもそうでしたけど
    日本に気を遣って作られたところに
    注目してみてください(^^;)

  4. >まゆちゃん
    私は両方好きだよ。でも、淡々としたタイトルの方が「大人な雰囲気を醸し出している」ような気もするの。
    日本映画でもその淡々とした様子を扱っているものもあるだけに、海外のを翻訳すると調子が変わっているのは面白いよね。
    >Hoffnungさん
    東ドイツの街並を再現するのが難しかったみたいだよ。なんでも、19世紀の街の様子と統一前の東ドイツの様子を再現するのにかかるコストは一緒なんだって。
    「幸せのちから」、ちょっと面白そうだね。観てみよっかな。
    >木綿子ちゃん
    硫黄島、観れなくなると更に観たい気持ちがつのっちゃってねぇ。「日本に気を遣って」なんて言われると余計興味津々だね(^^)う〜〜、観たい!!!
    この映画、キメさんなら泣くかも!でも、キメさんは意外と号泣もので泣かなくて、皆が泣かないもので泣くタイプかも?!

  5. あはは!そんな洒落た涙腺の持ち主ではないですよ!!
    たぶん映画で泣きやすいとタイプだと思います。
    是非みてみたいです☆硫黄島も観たらまた感想聞かせて下さい☆

  6. “Departed”は友人達の評判も良くないです。
    この映画、よさそうですね〜。
    ヨーロッパ映画は、微妙な感情をきめ細かく描くのが上手ですね。
    ポルトガルのファドを聞くときに良く使われる感情、
    Saudadeという言葉なんですが、スペインでも使われますか?
    同じような感情表現はありますか?

  7. この映画、観たいと思ってました。
    ますます観たくなっちゃった。

  8. >木綿子ちゃん
    ふふ、じゃぁ泣いたらこっそり教えてちょ(^_-)
    >ウェイシーさん
    スペイン語でもありますよ、Saudade!
    でもこれはかなり古風な言葉で、ポルトガル語ほどは使われないように思います。
    スペイン語だと名詞ではanoranza、動詞ではanorar(nにニョロニョロがつきます)が一般的です。会話だとechar de menosという表現をよく使いますね。
    ご覧になったらまた教えて下さいね。
    ウェイシーさんの感想、すごく楽しみだったりします(^^)
    >Ruthちゃん
    きっと感動で胸が一杯になって、その日は何度も反芻しちゃいますよ。Ruthちゃんなら涙が出そうになるかも!
    私も昨日はずっとじーんとしてました(^^)