Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

育児休暇

休暇で行ったマルベヤの海岸にて凧揚げ。

休暇で行ったマルベヤの海岸にて凧揚げ。

休暇で3週間程インターネットがほとんど使えない環境にいましたが、マドリッドでの慌ただしい生活から抜け、英気を養うことができました。 長い間ブログの更新が滞っており、色々な方からご連絡をいただきました。どうもご心配をおかけしました。

息子が生まれてから最初の1ヶ月半程は、 授乳のリズムと息子の夜泣きが治まるまでのペース作りで日々が終わっていました。息子はよく飲んで日中はおとなしく寝てくれましたが、夜からお腹が痛くなるようで、我が家では「天使から悪魔に変わる」と言われて恐れられていました。時には夜泣きが朝の8時位までひっきりなしに続くこともありました。(もう既に夜ではありません。)さすがに私は普通の人と同じような時間帯に起きられなくなっていたので、娘のシッターさんが娘の世話と家事をいくらかしてくれて本当に助かりました。彼女がいなかったら、娘の有り余るエネルギーを受けて私はダウンしていたと思います・・・。夫の両親も時々マドリッドまで来てくれましたが、義弟の家のリフォームの手伝い、将来の自分たちの引っ越しの準備、夜泣きをする息子の相手をしているだけで疲労困憊。息子を抱っこしながら寝てしまったのは私だけではありませんでした。

最初の頃の健斗。おばあちゃん、疲労困憊です。

最初の頃の健斗。おばあちゃん、疲労困憊です。

息子と一緒にパパもダウン。

息子と一緒にパパもダウン。

おばあちゃんが疲れていると思いつつも、絵になると思って写真を一枚。

おばあちゃんが疲れていると思いつつも、絵になると思って写真を一枚。

夜泣きがひどい時期は、夫は仕事に差し支えないように客間のベッドで寝て、私が息子と二人で過ごし、娘はそのどちらにも影響を受けないように自分の部屋で寝るようにしていましたが、恐ろしいのは週末で、夜泣きで疲れ切っている私達を呼ぶ娘の声が朝から響き渡るように・・・。

2ヶ月程経ってようやくペースがつかめるようになってからは、息子を連れて色々な場所に手続きに行ったり人に会ったりするようになりました。娘のパスポートの更新手続、息子の誕生に伴う社会保険や病院関連の手続き、病院での検診、そして私と夫の職場の同僚への挨拶等です。マドリッド市内を歩き、バスに乗り、メトロに乗り・・・と、マドリッド中を歩き尽くした感じです。そして、午後からは自宅に戻って食事の準備、娘との時間を取り、そして娘を寝かしつけて夫と夕飯を取ったらもう夜中という日々でした。

休暇中は、これは家族との時間を沢山持つ良い機会と思い、とにかく家事や子育てに沢山時間を注ぎました。いつもより凝った料理を作ったり、新しいレシピに挑戦したり、買い出しに色々なスーパーを回って食料品の調査をしたりしました。お陰で、私と夫の職場の同僚は私が大の料理好きと思ってくれたようですが・・・それは単に家事と育児しかしなかったからなのです。それでも、新しいレシピの料理を食べた夫が 、「これは我が家の定番になるね。」と喜んでくれたり、できたてのクッキーを娘にあげたり、夜中まで「息子から皆へのプレゼント」と称してバターサンドを作ってみたり、それなりに充実した時間を過ごすことができました。洋服のアイロン、整理、古くなった服のリサイクル・・・と、お手伝いさんには頼めない(あるいは頼みたくない?)部分もすることができました。最終的には自己満足の世界でもありましたが、周りの人が喜んでいるのを見るのは幸せなものですね。

義母によると、「人間は疲れていると感じた時には、休むのではなく逆に仕事をすることで元気を得られる」そうです。また、「自分の愛する人達に全てを与えようと思って行動 するからこそ、色々な喜びがあるのよ。与えれば与える程多くを得られるというのは本当よ。」とよく言っています。本当に主婦の鑑のような人です。彼女の言うことも分かりますし、確かに休暇中はそうやって最終的にはとても充実した時間を得ることができたと感じますが、同時に、「仕事が始まったら今までのように家事を仕事と並行してやり続けることはできない」と悟った休暇でもありました。彼女のやり方を尊重しつつも、夫と二人で私達のバランスを模索して行く日々が続きそうです。

休暇中にレストランで。息子の顔がひょうきんです。

休暇中にレストランで。息子の顔がひょうきんです。

夫がようやく休暇を取れた6月初めから、家族4人でまたスペイン南部のアンダルシア地方にあるマルベヤ(Marbella)に行ってきました。義両親の家があり、私達に「家族でゆっくりしておいで。」と色々と準備をしてくれたので、ありがたく3週間程滞在してきました。マドリッドからマルベヤまでは車で6−7時間の旅。小さい子供がいると本当に荷物が増えるもので、ベビーカー、チャイルドシート二つ、息子が家で座る為の椅子、娘のおまる、娘の好きなおもちゃや本・・・といった物だけで、車はかなりぎゅうぎゅうになります。同時に、荷物を最小限に抑えつつも不足がないようにと考え、出発直前にしまう物のリストを作ったりするだけでかなりの仕事量。出発前日はほとんど寝られませんでした。

車に乗って出発!

車に乗って出発!

出発当日。私はチャイルドシートの間の隙間に座り、ぐずる娘の相手をしたり、お腹が空いて泣く息子をなだめたり、陽が射したらタオルケットで直射日光が当たらないように調節したり、同時に夫のナビを務めたりと、休む暇なく過ごしていました。夫も久々の長距離運転。無理をしないようにしていましたが、ようやくマルベヤに着いた時にはホッとして、二人ともどっと疲れが出てしまいました。

健斗はまだ小さいので、車の揺れでかなり寝てくれました。

健斗はまだ小さいので、車の揺れでかなり寝てくれました。

 

かおりが寝た時には達成感が!

かおりが寝た時には達成感が!

マルベヤでは、最初は食料の買い出しや食事の準備で慌ただしく過ごしましたが、その後は毎日海かプールに行く日々でした。魚介類が新鮮なので、魚介のスープを作ったり、ムール貝を沢山食べたりしました。

お魚にレモンをかけるのが大好きになった娘。他にも、舌で貝の身を取る特訓を重ねていました。

お魚にレモンをかけるのが大好きになった娘。他にも、舌で貝の身を取る特訓を重ねていました。

休暇の途中で夫が出張でポルトガルに行った為、一時的に一人で二人の子供を連れて海に行くという、私にとっての「大仕事」もありました。また、アンダルシアの陽射しは本当に強いので、子供に日光が当たらないように注意していた私が日焼けをしてしまいましたが、それでも、何も計画をせずに家族でのんびりと過ごす贅沢を感じました。3週間と言うと長く感じられるかもしれませんが、その間に夫は自分の趣味にかなり時間を使うことができ、私は職場復帰の前に自分や家族ときちんと向き合う時間を取ることができ、かおりは日本語が随分上達し、健斗はいっぱい笑うようになり、本当にあっという間の充実した時間でした。

散歩の様子。夫と私は日焼けしましたが、娘はこの通り完全装備。

散歩の様子。夫と私は日焼けしましたが、娘はこの通り完全装備。

髪の毛を切ったのも良い思い出です。

髪の毛を切ったのも良い思い出です。

明日から職場復帰です。かおりが生まれて職場に復帰した時は、家のリフォームやら何やらで娘に時間を割けなかったのが残念でたまりませんでしたが、今回は気持ちが落ち着いています。今後の生活の変化が楽しみでもあります。

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5 Comments

  1. Harukiさん、はじめまして。
    来月よりマドリードのInstituto Universitario de Investigación Ortega y Gassetへ修士留学をするななこと申します。私もHarukiさんと同じく、ほぼスペイン語が喋れない状態での留学となるのですが、法学修士号を取得されたHarukiさんの過去記事を読み、とてもとても励まされています!!
    つきましては、現地での生活に関して色々とお伺いしたい事があるので、お手すきの時にでも結構ですので、私のアドレスにご連絡いただけますと、大変幸いです。(こちらのHPにHarukiさんのアドレス等記載されているのを確認する事が出来なかったので)

    どうぞよろしくお願いいたします。

    • ななこさん、

      コメントありがとうございます。
      私が大学院で勉強したのは既に7年前ですのであまりご参考にならないかも知れませんが、もしお役に立てれば幸いです。
      後でメールをお送りしますね。

  2. ご無沙汰してました。 
    出産 おめでとうございます。
    たいへんですが 素敵な時代でもあります。
    実はとても羨ましいです。

    泣きたいくらい羨ましい。

    • cazorlaさん

      皆によく言われます。「素敵な時代」「一番充実していた時代」と。
      今は毎日のことで精一杯ですが、やっぱり家族の為に時間を取れるのは幸せなことだと私も思います。
      家の中に赤ちゃんがいるって、大変ですけど嬉しいことですよね。
      息子はミルクの匂い、娘はお日様の匂い。どちらも幸せな時代だと、二人目にして改めて実感しています。