Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

お手伝いさん探し その後

いつもの公園へピクニック。小さいおにぎりなんかも用意してみました。

いつもの公園へピクニック。小さいおにぎりなんかも用意してみました。

娘のお手伝いさん探しがようやく終わりそうです。この1ヶ月程は、本当に長い長いトンネルのような時期でした。

私達の娘はとても人懐っこくて誰にでも挨拶をする子供ですが、その反面非常に感受性の強い所があり、お愛想で近づいてくる人はほとんど相手にしません。小さい子供なので社交的に振る舞うこともしらないので、親としては時々ヒヤッとすることもあります。

ディアナが働けなくなる直前から人探しを始めていましたが、この開始のタイミングもなかなか難しいのです。というのも、職探しをしている人達は今すぐ働きたいという人達ばかり。そこで「2週間後から始めます」と言おうものなら、普通は別の所に行ってしまいます。特に、優秀なお手伝いさんは引く手数多でそういう傾向があるので、面接→採用のプロセスは迅速でなければいけません。

私達がお手伝いさん探しで訪ねた施設は以下の通り。ほとんどキリスト教系です。

①自宅近くのparroquia(パロキア)と呼ばれる小教区の教会3つ。どれも自宅から徒歩10分以内で、小教区とは言え、全て私が日本で行っていた教会より大きいものになりますが。

②カルメル修道会系の就職斡旋所。偶然オフィスの近くにありました。

③「汚れなき聖母の社会センター」という、シスター達が組織する女性支援の団体。

その他、友人の雇っている(いた)お手伝いさんの知り合い、知り合いの知り合い、娘と行く公園で知り合った人達の情報網も借りて、本当に沢山の人達の面接をしました。

この企画はなかなか気に入ってもらえたようです。娘にとっては、お話にしか出てこない「おにぎり」の初体験の日でした。

この企画はなかなか気に入ってもらえたようです。娘にとっては、お話にしか出てこない「おにぎり」の初体験の日でした。

まずはお手伝いさんの穴を埋める為に、夫と私が少し休暇を取って家に残り、娘を連れて施設をまわって情報収集/募集案内を出したりしました。共働きはこういう時が大変です。同時に、週末に面接をした人の中でよさそうだと思った人に数日来てもらい、様子を見ながら採用を考えるということにしました。

しかし・・・。来てもらった50代の女性にかおりはあまりなつかず、公園ではその女性から逃げるようにして他の公園友達のお手伝いさんの方に向かっていたことを知り、不安を感じ始めました。

娘は大満足でしたが、途中から風が強くなり、急遽避難という運びに。

娘は大満足でしたが、途中から風が強くなり、急遽避難という運びに。

夫が家にいてくれたのですが、夫は自宅で仕事。また、世の一般的な男性同様、細かい所まで注意は回りません。「ほとんど大丈夫。でも、かおりと遊ぶ以外何かしているのかな?」との彼のコメントが、また不安を煽ります。二日目に私が直接家事の一部も教えたのですが、やっぱりちょっと、いや、かなりのろい・・・。挙げ句の果てには、私に「どこでお掃除の仕方を学んだの?早いわねぇ。」と言う始末です。そんなお手伝いさんはいらないかも、と思い始めたその日の午後。お手伝いさんが食後に居間のソファで大いびきで寝はじめました!彼女には、娘のおやつの時間は午後4時頃と言ったのですが、かおりが起きているというのにお手伝いさんは休憩中です。

私が慌ててかおりの部屋に行って面倒を見ている所にお手伝いさんが登場。「あらあら、もう起きていたのね。」と言われ、私は半分怒りかけて「起きる時間に起きただけですよ。もう少し子供の様子に注意して下さい。」と言ってしまいました。夫はこの女性を一週間は雇って様子を見たいと言っていたのですが、こんな無責任な女性にお金を払い続けて我が家に来てもらう必要はないこと、どうせ雇わないなら別の人に来てもらった方が懸命なこと、私はこの女性の為に休暇を消化しないこと等を告げ、次の日にはおさらばしました。こういう女性に自分の子供二人を預けたらと思うと・・・本当にゾッとします。

その次の女性は真面目なウクライナ人の女性でしたが、かおりは全くなつかず。家事にかけてはエキスパートだったので、本当は来てほしいなと思っていたのですが、1日目は娘の拒絶に遭ってしまいました。優しいけれどちょっと不安そうな目をした女性で、ウクライナでの苦労、移民としての苦労が見える部分があり、それが娘の必要としているお手伝いさんの条件と合わなかったのかも知れません。とは言え、おむつ交換で決して触らせない、彼女に近づかない、お風呂に入れようとしても「ママー!」と私に掴まったまま離れない、彼女に向かって「バイバイ!」と叫び続ける、部屋に彼女が来ると嫌がる等々、娘の通常の行動から言っても異常としか思えない反応でした。母親がいる状態では良くなかったのかも、とちょっと反省もしましたが、こればかりは仕方ありません。夕方になって今日はもうこれ以上は無理だと思い、彼女にその旨を告げました。すると、かおりは何と彼女の靴を出してきて「バイバイ」と言うじゃないですか。この日は本当に疲れて、お手伝いさんにも申し訳なく思い、とってもとっても落ち込みました。

義母の登場で、かおりもすっかり落ち着きました。私達も落ち着きました(笑)

義母の登場で、かおりもすっかり落ち着きました。私達も落ち着きました(笑)

公園の切り株(ほとんど何もなし)からジャンプ!

公園の切り株(ほとんど何もなし)からジャンプ!

そんな中、義母が状況を察し、時間をやりくりしてスペインに来てくれました。仕事をしている上に体調があまり良くない義父を残してこっちに来てくれたので、二人の優しさに感謝半分、申し訳ない気持ち半分でしたが、こちらは時間的にも精神的にも随分落ち着きました。

おばあちゃんが来ると本当に嬉しそうです。

おばあちゃんが来ると本当に嬉しそうです。

やはり、自分の子供を預ける人を選ぶのは大変なこと。責任感があり、家事をこなす能力もそれなりにあり、子供のことが好きで子供の安全や成長に細心の注意をはらい、同時に愛情を注げる人である必要があります。同時に、あくまでお手伝いさんですから、私達のやり方を尊重してくれる人でなければいけません。このバランスを見極めるのが意外と難しい所です。

最近の流行。横になって「おねんね」。私には「おねんね」、他の人には「あもみー(A dormir, スペイン語で「寝る」)」と言います。

最近の流行。横になって「おねんね」。私には「おねんね」、他の人には「あもみー(A dormir, スペイン語で「寝る」)」と言います。

また、私の夫を含め、世の男性はこういったお手伝いさんの素質を見極めるのがあまり得意ではありません。私の夫の場合、あるお手伝いさんの掃除の腕については「まぁまぁ大丈夫だよ。」と言っていたのですが、私の目から見たら全く良くなかったり、手際が悪いと思う人もいました。また、娘がお手伝いさんと遊んでいるように見えて、実際は「他に人がいないし、パパは仕事をしているから、仕方なくお手伝いさんと一緒にいる」というケースもありました。私が帰宅した途端に、「ママー!」と走り寄られて後は離れてくれない、ということが何度あったことか・・・。

そんなこんなで、結局最終的にお手伝いさんを選ぶのは私次第ということなのですが、そうは言っても一人で選ぶのはかなりのプレッシャーです。夫と義母の意見も参考にしますが、二人とも個性が強いので、二人の好みに振り回されるのも危険。私がその女性と一番多く時間を過ごすことになる為、私が一緒にいて居心地の良い人でなければいけませんが、微妙に二人が良いと思う人と違っていても、「それでも私はこの人が良い。」と断言するのは本当に難しいものです。

滑り台でもおねんね。

滑り台でもおねんね。

先週日曜日、最終的にペルー人の50代の女性を採用することに決定しました。一日我が家に来てもらって、彼女の仕事の仕方や娘への接し方を見て決めましたが、私よりかなり年上で性格もしっかりしているので、これからの接し方等は私も色々考えていく必要があります。彼女が働き始めるのが1月から。さてさて、どうなるでしょうか。

最近は、おばあちゃまがいないうちにベッドに上ってスタンバイ。

最近は、おばあちゃまがいないうちにベッドに上ってスタンバイ。

ちょっとご参考までに、どんな人が面接やお試し採用に来たかをご紹介します。

●フィリピン人
フィリピン人は気だてが良くて英語も話すということで、なぜかスペインでは中南米の人を雇うより「高級取り」として見られることもあります。この女性も、常に「はい、ご主人様」という感じで対応は良かったですが、それ以上は特に何もなく・・・採用には至りませんでした。

●ドミニカ人
娘が最初から随分なついてくれた女性で気に入っていたのですが、週末は別の仕事があり、ベビーシッターを全くお願いできないというのが夫にとっては痛かったようです。

●ウクライナ人
3人面接しましたが、全体として真面目な印象です。ただ、文化的なものか、旧ソ連の影響か、国の不景気のせいか分かりませんが、全体として厳しい体験をして苦しんだような人達が多かったです。

●コロンビア人、エクアドル人、ボリビア人、エルサルバドル人、パラグアイ人、ニカラグア人・・・
良い人達も沢山いました。ほとんどの人がスペイン滞在が長くなる為、お国柄の違いというよりはそれぞれの人の違いが興味深かったです。しっかりしているけれどちょっと粗野な感じの人を私は避けましたが、夫に言わせると、「日本人ほど細かい作法に構っていたら、誰も雇えないよ。」とのことでした。でも、面接中にガムを噛む人、家を見せた時に値踏みするような目をする人には居心地の悪さを感じましたね。

何はともあれ、終わって良かったです。1月からの展開に、どうぞご期待下さい。

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4 Comments

  1. おひさしぶりです。 家で働いて貰う人を捜すのはたいへんそう。
    でもうらやましい。 子供も そういう境遇で育つと人との接し方がかわるんですよね。
    そうやって育った人っていうのは 一目でなんとなくわかります。

    うちの娘はけっこう なぜか シッターさんにはなつきまくる人で 
    東京にいるときは シッターさんが来ると大喜びして
    で 帰ってしまうときに泣くので シッターさんまで泣いて
    で わたしの立場は・・・。笑
    その後エンリケが生まれて
    エンリケは すごくむずかしく シッターさん
    だれが来ても泣き続け
    おむつも替えられず
    家に帰ると おむつがぱんぱんになってる。 マリアが なだめてもだめだったらしい。
    それで シッターさんはあきらめました。

    • かそるらさん、

      お久しぶりです。
      子供によってシッターさん選びも色々変わるんですね。
      それにしても、姉弟でここまで反応が違うのも面白いですねぇ。

      こちらは、ようやくシッターさんとの関係がうまく築けてきた感じです。
      ここまで至るのにまた一悶着あったので、その辺りもまた次のブログでご報告しますね。
      いやはや、お手伝いさんを雇えることはありがたいことと思いながらも、決まるまでは本当に我が家にいてもくつろげないというか何と言うか・・・。色々な経験を積んでいる感じです。

  2. 初めまして。
    昨年9月からMadridにやってきました。
    3年滞在する予定なのですが、何かお近づきになれたらいいな、と思いつつ。
    ↑のかそるらさんとも少し交流ができました。
    綺麗な文章と写真、楽しみにしております。

    • sandazさん

      コメントありがとうございます。
      そして、お返事が遅くなってしまいすみません。
      マドリッドは歴史のある場所や素敵な美術館、楽しいイベントがたくさんありますので、どうぞ滞在を楽しんで下さいね。
      何かご質問等ありましたら、いつでもお気軽にどうぞ。