Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

ルクセンブルグでの休暇

ルクセンブルグ市街の博物館近く。紅葉の始まりです。

ルクセンブルグ市街の博物館近く。紅葉の始まりです。

休暇には友人のいるヴェトナムかチリに行きたいね、と夫と前から話していたのですが、結局体調のこともあり、今回はゆっくり義両親の元で過ごすことに決めました。

ヨーロッパでは、休暇は子供の休暇と合わせて7〜8月に取る人が多く、さらに海岸に近い別荘等でゆっくり過ごす人や外国に旅行をする人がかなりの部分を占めます。ですので、休暇から帰ってくると大体の人はちょっと日焼けをしているというのが一般的です。(日本人より肌が日光に敏感な人が多いので、日焼け止めを塗ってもそれなりに良い色に日焼けして戻ってくるのですが。)2−3週間の長期休暇が一般的なので、誰がいつ休暇を取るかの計画はかなり前から立てられます。

夫と私はその期間に仕事をし、9月にゆっくり休暇を取ることに決めました。ですが、1月からほとんど休暇を取らずに過ごしていたので、終わりの方は二人ともちょっと息切れしていました。週末には友人と会ったり出かけたりするのが普通なので、本当に休めるのは長期休暇になってからというのも理由だと思います。いずれにしても、待ちに待った長期休暇です。

バレンシアの披露宴の次の日に、今度は冬服の荷造りをし、その次の日のお昼にルクセンブルグに向かいました。すぐに車で酔ってしまう娘のことを考え、タクシーに乗って空港に行く前に酔い止めをあげたのは良かったのですが、その後タクシーで寝てしまい、飛行機に乗る直前に目を覚ました娘。機内での2時間弱は、食べたり飲んだりお絵描きをしたりする以外のことができず、だんだん機嫌が悪くなって大変でした・・・。私は前日までの荷造りで寝不足になっており、機内で寝たかったのですが、思い叶わずでした。

ルクセンブルグの家に着いたのは夜の9時過ぎ。ついに休暇のスタートです。

家から10分程歩くだけで、こんな牧草地が道路の脇に続いています。

家から10分程歩くだけで、こんな牧草地が道路の脇に続いています。

ルクセンブルグは、ベネルクス3国の一つでとても小さい国です。公用語は、ドイツ語、フランス語、ドイツ語にかなり似たルクセンブルグ語の三つ。基本的にはフランス語は誰でも話せる言語となっています。とは言え、皆3−4カ国語を話せるので、英語もかなりの部分で通じます。政府の柔軟な対応により、金融業務を遂行する上での有利な環境が整っている上、EU関連の中核になるような機関が多く存在しているせいでしょうか。ルクセンブルグは小さな街のようでありながら、国際都市としての機能を備えています。ご存知の方も多いと思いますが、ルクセンブルグの国民総生産は世界第1位です。また、欧州通貨同盟の発案者ピエール・ヴェルナーはルクセンブルグの首相だった人です。ルクセンブルグは緑が豊かな国としても知られており、至る所で林や牧草地を目にします。

市街にある宮殿の前で。絢爛豪華な感じではありませんが、建物のデザインがすっきりしていて素敵でした。

市街にある宮殿の前で。絢爛豪華な感じではありませんが、建物のデザインがすっきりしていて素敵でした。

到着後、まず最初は娘が休める環境を整えることを優先しました。義両親が既に赤ちゃん用のベッドやお布団を買って準備してくれたので、かおりは問題なく休めるように。また、義母が娘用に本を準備してくれ、さらに夫が子供の時に使ったおもちゃを出してくれました。娘は大満足。

おもちゃに大喜びで台所を走り回る娘。

おもちゃに大喜びで台所を走り回る娘。

特別なことはそこまでしなかったのですが、娘のお昼寝時間に義母と二人でコーヒーを飲みながら話したり、一緒に料理を作ったりして楽しく過ごしました。二人で話すと時間が経つのを忘れることがしょっ中で、お昼の後に1時間以上話すのが常でした。こういう会話は日本の家族とはあまりなかったなぁ、と最近気づきました。

義父はずっと仕事があったので夜しか会えませんでしたが、それでも娘と一緒に「となりのトトロ」を観たり、一緒にお絵描きをしてくれたり、孫との時間を楽しんでくれたようです。夫は普段はできないこと(読書、趣味のビール作りに関する装置の設定等)に時間を割き、それなりに楽しんでいたようです。

ルクセンブルグの天気は変わりやすく、さっきまで晴れていたのにいきなり雨ということもしょっ中ありました。晴れている時には何はともあれお散歩に行かないと、娘は一日中外に出られないことも。そして、公園には子供が全くいないので、娘は公園を独占していました。楽しかったですが、いつも子供達であふれているスペインの公園がちょっと懐かしくなったりもしました。

私達の他には誰もいない公園。

私達の他には誰もいない公園。

おばあちゃまとシーソー。休暇中に数を数えるのが上手になりました。

おばあちゃまとシーソー。休暇中に数を数えるのが上手になりました。

娘にルクセンブルグを楽しんでもらおうということで、夫と3人で林を歩いたり、近くの牛を見に行ったりもしました。娘は最初の15分はご機嫌でしたが、林道を歩いてすぐに疲れ、私にクッキーをねだる始末。持っていないと言っても信じてくれず、その後機嫌が悪くなったので家に引き返したこともありました。

ご機嫌で出発の娘。

ご機嫌で出発の娘。

帰りはこんな感じ。ビスケットを持たずに長時間の散歩はできません。

帰りはこんな感じ。ビスケットを持たずに長時間の散歩はできません。

近くの牛を見に行った時は、牛の威嚇に私がびっくりして車道に飛び出してしまい、夫に怒られてしまいました・・・。近くの公立の室内プールに行った時にも、その時間には子供プールに誰もいなかったので、娘はプールを独占。はしゃいで本当に楽しそうでした。

この子供用プールにいたのは私達だけ。贅沢です。

この子供用プールにいたのは私達だけ。贅沢です。

帽子を被らなければいけない、競泳用水着ではないと入れないなどの規則があり、娘も帽子着用。大満足で遊んでいました。

帽子を被らなければいけない、競泳用水着ではないと入れないなどの規則があり、娘も帽子着用。大満足で遊んでいました。

ルクセンブルグの市内に行き、伝統的なルクセンブルグ料理も堪能することができました。料理はかなりドイツ料理と似ていて、色々な種類のソーセージや煮込んだお肉がメインの素朴な感じのものが多いです。付け合わせは、茹でたジャガイモやマッシュポテト、お豆、ザワークラウト(キャベツ)等。寒い地域では本当に美味しく感じられる料理でした。

ハムの煮込み。日本で言うハムとはちょっと違います。

ハムの煮込み。日本で言うハムとはちょっと違います。

付け合わせの野菜がこうして別に盛られてきます。

付け合わせの野菜がこうして別に盛られてきます。

お肉はしつこくなくてとても美味しかったですが、ジャガイモも絶品でした。さすが農業国。

お肉はしつこくなくてとても美味しかったですが、ジャガイモも絶品でした。さすが農業国。

その他、Villeroy & Bochのお店に行ったり、夫の眼鏡を作ったり(何件眼鏡屋さんを回って写真を撮ったことか・・・)、夫に合う大きなズボンや靴を探したり・・・と、他の場所ではなかなかできないことをしました。

終わってみるとあっという間の休暇でしたが、とても有意義な休みとなりました。何よりも、仕事や悪阻で疲れていた私にとって、この休暇は何よりも嬉しい休息となりました。「英気を養う」とはこのことですね。

実は、ルクセンブルグにはイタリア人も多いせいか、美味しいイタリア料理のお店が沢山あります。スペインには美味しいパスタやピザはほとんどないので、念願かなってイタリアレストランに。かおりはすでに義父のカルツォーネを掴もうと必死。

実は、ルクセンブルグにはイタリア人も多いせいか、美味しいイタリア料理のお店が沢山あります。スペインには美味しいパスタやピザはほとんどないので、念願かなってイタリアレストランに。かおりはすでに義父のカルツォーネを掴もうと必死。

台所で沢山の時間を過ごしたので、おもちゃの場所もこの通り。

台所で沢山の時間を過ごしたので、おもちゃの場所もこの通り。

友人の家で。子供達は子供用テーブルで一緒に夕食です。友人の子供達はフランス語、ドイツ語を話しますが、かおりは自分の言葉で会話をしていました。

友人の家で。子供達は子供用テーブルで一緒に夕食です。友人の子供達はフランス語、ドイツ語を話しますが、かおりは自分の言葉で会話をしていました。

そして、大量のおもちゃに圧倒されていました・・・。

そして、大量のおもちゃに圧倒されていました・・・。

ルクセンブルグからいくつか小旅行もしたので、それについては別の日記に載せます。

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2 Comments

  1. 旅行記、楽しく読ませていただきました。
    ルクセンブルグって緑が多くてきれいな所ですね。
    よく雨が降るのは旅行者にとっては困りものですが、だからこそこんなに緑が濃いのでしょうね。
    街並や料理の盛りつけも含めて、日本人が想像するヨーッロッパの風景そのものという感じです。
    (スペインにいると、どうしても緑豊かな風景に反応してしまいます。そしておしゃれなものにも・・・)

    かおりちゃん、一段と表情豊かになって、赤ちゃんから幼児へとお姉さんらしくなりましたね。
    もうすぐ本当のお姉ちゃんになるんだもんね!
    その成長ぶりに、驚きです。

    • チェスカさん

      その後いかがですか?
      お嬢さんの日々の成長が嬉しく、同時に毎日本当に忙しいことと思います。

      ルクセンブルグはしょっ中雨が降ったり止んだりするので、木の幹でさえ緑がかっていたりもするんです。
      スペインの普通の場所ではあり得ない景色ですよね!
      でも、こうしてスペインに戻って沢山の子供であふれている公園を見ると、それもまた素敵だなと感じたりします。

      娘は、お陰様で日々成長しています。
      最近はだいぶ日本語も理解できるようになりましたが、「タッテー!」が「立って」なのか”Siéntate!”なのかよく分からず、周りの人を混乱に陥れていますよ。