Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

糖尿病?!

噴水に溜まった落ち葉。初冬は褪せた色が美しいです。

噴水に溜まった落ち葉。初冬は褪せた色が美しいです。

妊娠30週を超え、全て順調だと思われたのですが・・・何と、検査の結果「妊娠糖尿病(Diabetes Gestacional)」と診断されてしまいました。私も診断されるまでそのような症状があるとは全く知らなかったのですが、残りの妊娠期間を元気に過ごす為の食事制限が始まりました。

プラド美術館近くの噴水。透明な水と落ち葉のコントラストが好きです。

プラド美術館近くの噴水。透明な水と落ち葉のコントラストが好きです。

妊娠糖尿病とは、妊娠期間中のみ胎盤のホルモンの影響で血糖値のコントロールがうまくいかなくなり、血糖値が通常よりかなり大きく上昇してしまう症状です。出産後にはほとんど治るということですが、たまにそのまま糖尿病に移行するケースもあるとか。血糖値が高いと子供に影響を与えることもあり、子供が「巨大児(4キロ以上)」で生まれて来たり、糖尿病の傾向が出て来たりするそうです。

検査ですが、まず朝食を抜いて血液採取。その後、甘い「グルコースドリンク」というものを飲まされ、それから1時間後にさらに採血。ここで検査前後の血糖値と上昇率を見て、数値が怪しいと2次検査に回されます。

2次検査では、朝食抜きでさらに甘いドリンク(本当にまずい!)を飲まされ、1/2/3時間後にそれぞれ採血。リクライニングチェアーにずっと座ったまま3時間を過ごすのはかなり退屈ですが、思ったよりよく眠れました。

こんな検査を仕事の合間に行い、結果が陽性と出た時には「心配」というより「がっかり」という感じでした。さらに言えば、公立病院のお医者さんが「今後は食事に気をつけて下さい。」と言いながら、細かい食事制限については、「私はその道のプロではないから、専門家とのアポイントメントで聞いて下さい。」と言われ、ちょっと頼りなく感じました。しかも、その専門家とのアポイントメントを2週間後に取るように言われ、正直それまでは何をすれば良いのかと途方に暮れてしまいました。

Retiro公園の中の道。冬は公園全体に荘厳な雰囲気が漂います。

Retiro公園の中の道。冬は公園全体に荘厳な雰囲気が漂います。

待っていても仕方ないと思い、スペインの知り合いで同じ症状を経験した人に食事制限について聞くと、これがまたいかにもスペインらしい内容。日本人の私に合っているのか分からず、インターネットで見つけた日本の食事制限を取り入れてもみましたが、開始して3日後にいきなり職場で気分が悪くなって急遽ビルの保健室へ。何と血糖値が異常に低くなっており、お医者さんに「これは低血糖症で、血糖値が高くなるより危険なこともあるんです。ひとまずカフェオレにお砂糖をたっぷり入れて取るように。」と言われる始末。いやはや、血糖値のストライクゾーンを狙うのは難しいです・・・。

血糖値を測る機械。ボールペンのようなもので指をチクッと刺します。

血糖値を測る機械。ボールペンのようなもので指をチクッと刺します。

先日、ようやく専門医である分泌科のお医者さん(Endocrino)と会って話をすることができました。食事の基本は、脂肪分を減らし、炭水化物を減らすというもの。一部カロリー制限もあります。今まで体に良いと思って沢山取っていたフルーツも制限対象。毎日200g程度までです。乳製品はカルシウムを補う為に必要ですが、全て無脂肪加工をされたものとなり、今は牛乳もヨーグルトも無脂肪です。また、サラダはしっかり食べるようにと言われましたが、指定されている300gのサラダってかなりの量なんですよね。草食動物のような気分です。何よりも、1食あたりのご飯が30gというのには驚きました。大さじ2−3杯です。(少なすぎて、思わず目を疑ってしまいました。)

オリーブオイルを1日大さじ3−4杯という制限も入り、「オリーブオイルは体に良いから、沢山使っても大丈夫。」と主張していた夫にもストップをかけた所です。この食事制限に加え、食前食後に血糖値を測り、さらに血糖値がきちんと下がるように食後にすぐウォーキングです。妊娠して順調に増えていた体重も少し減りました。

さてさて、あと2ヶ月弱を無事に乗り切れるか・・・。こうなってみて、私って本当に食べることが好きなんだなぁ、とつくづく思ってしまいました。とは言え、先日友人の家でランチに招かれた時は、友人夫婦がわざわざ私の為に食事内容を考えてくれ、しかも本当に美味しくて美味しくて・・・感謝で一杯でした。こういう時にも友達の優しさを感じますね。デザートはレモンのソルベだったのですが、写真に残さなかったのが悔やまれる美味しいデザートでした。

エビと卵に手作りマヨネーズを添えたスターター。私の分はマヨネーズが控え目になっています。

エビと卵に手作りマヨネーズを添えたスターター。私の分はマヨネーズが控え目になっています。


何と手作り餃子!!本当に美味しかったのですが、これは沢山食べられず、2つ程で断念。。。

何と手作り餃子!!本当に美味しかったのですが、これは沢山食べられず、2つ程で断念。。。


魚の塩焼き。魚を塩で包み、オーブンで30分程蒸し焼きにします。

魚の塩焼き。魚を塩で包み、オーブンで30分程蒸し焼きにします。


こうやって塩を割って魚を取り出します。

こうやって塩を割って魚を取り出します。


新鮮で本当に美味しかったです。これにまたお手製のソースを添えていただきました。

新鮮で本当に美味しかったです。これにまたお手製のソースを添えていただきました。

サラダの写真を撮り忘れましたが、さすが料理上手の夫婦だけあって本当に美味しい食事でした。私たちとの時間を取りつつ、手際よく準備が進み、私もいろいろ学びたいと思ったランチでもありました。

皆の協力に支えられて、最後の数ヶ月も無事に乗り切れそうです。

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2 Comments

  1. Harukiさん

    明けましておめでとうございます。
    糖尿病とはまたまた大変ですね。
    よいドクターだといいですね。日本にはまだまだヘンなお医者さんも多く、私の知り合いはコレステロール値を下げるために、グレープシードオイルを薦められオリーブオイルは駄目と言われた人もいます。糖尿病にもオリーブオイルはいいと聞いていますので、早く元の状態に体調が戻ることを願っております。
    主人はオリーブオイル(勿論、上質のもの)のおかげで、贅肉がかなり減ってきています。クリスマスなど暴飲暴食でどうなることかと思っていたのですが、それでも贅肉だけは減っています。悪い脂肪を上質なオリーブオイルは出してくれると聞いていたのですが、これだけ効果をみると驚きます。

    よいお年をお迎えください。

    • chihoさん、

      あけましておめでとうございます。
      去年はchihoさんにとっては充実した一年だったのでは?
      私もchihoさんのお料理の本を買いたくなり、今ほしい本のリストにいれた所ですよ。

      さて、オリーブオイルですが、残念ながらスペインでも糖尿病食では制限が出ています。(大さじ4杯/日)
      日本では、「グレープシードオイルはコレステロールを含まない」ということで使えるようですが、糖尿病食にとって大事なのは細胞の中の脂肪を減らすことなので、chihoさんがおっしゃるように、良質のオリーブオイルの方がお薦めというのは納得です。
      実際、私はスペインに来てコレステロールが正常値の枠以上に上がりましたが、詳細を見ると良質コレステロールが上がって悪玉は大幅に減ったので、逆に健康になっているようです。

      とは言え、脂肪と炭水化物が結合すると血糖値が一気に上がってしまい、それが胎児の血糖値にも影響を与える可能性がある為、今はオリーブオイルと言えど我慢です。
      美味しいパンやオイルが家にあると、我慢するのはそれはそれは大変で・・・。
      それだけで、早く子供が生まれないかと思ってしまう位です(笑)

      あと3週間程度で出産予定ですので、その後にSubbéticaのオイルを心行くまで堪能したいと思います。