Haruki's way

〜スペイン・この不可思議な国〜

明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。

本当に久々のHPのアップデートです。
更新しようと思っていたのですが、いろいろできない事情がありまして…。

実は、今第三子を妊娠しており、予定日は4月上旬です。
ただ、今回の悪阻は本当にひどく、12月初めまではHPのアップデートどころか、夜はまともに動けませんでした。日中もかなり厳しかったですが、夜はまともに歯を磨くこともできず、この体調の変化には我ながらビックリしてしまいました。そんな中でも、必要な仕事の為に、実は「病欠」の日も職場に行き、トイレに何度も駆け込む合間にレポートを送ったりしていました…。(この辺り、やはり自分は日本人だと思ってしまいます。)

まだまだ疲れやすく、ゆっくり眠らないと体が持たなくなってきましたが、お陰様で悪阻はおさまり快適に過ごせるようになりました。数ヶ月前の自分が嘘のようです。この機会を利用して、久々にHPをアップデートすることにしました。

クリスマスイブのテーブル。イブは子供が好きそうな赤とゴールドをメインにしました。

クリスマスイブのテーブル。イブは子供が好きそうな赤とゴールドをメインにしました。そういえば、去年も赤がメインでしたね。

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さて、スペインのクリスマス休暇は非常に長く、我が家の娘の場合は12月23日から1月7日まででした。となると、子供を持つ多くの親はこの期間に有給休暇を取ることになります。

伝統的には、ヨーロッパの多くの国ではクリスマスの時期はイベントが盛り沢山。職場や友人とのクリスマスディナー(「クリスマス」とついても、12月初旬〜1月初旬までを含みます)の他、「家族が全員揃って一緒に過ごす」「普段なかなか会えない友人に会う」 ことが一般的な為、休暇も重なってかなり慌しい時期にもなります。

夫婦やカップルでよくあるのが、24日のクリスマスイブは夫の両親とその家族、25日のクリスマスのランチは妻の両親とその家族で集まる、等の家族行事の分散です。そうしないと家族が入りきらないというのもありますが、それぞれの 家族と過ごす時間のバランスを取るのが夫婦円満の秘訣でもあるからです。この辺は、日本のお盆と似たようなものがありますね (笑)

クリスマスのデザート。キイチゴのソースとレモンとみかんのシャーベットをメインに、フルーツを添えて。

クリスマスのデザート。キイチゴのソースとレモンとみかんのシャーベットをメインに、フルーツを添えて。

今年のブッシュ・ド・ノエルは生クリームはなしの軽めにしてみました。

今年のブッシュ・ド・ノエルは生クリームはなしの軽めにしてみました。

クリスマスの他、大晦日のディナー、そして、以前にも書いた1月6日の公現祭を誰とどこで過ごすかも重要なテーマです。大晦日のディナーはもちろん夜中過ぎまでお祝いが続く為、小さい子供がいる人たちは、子供をどうするかも考えなければいけません。クリスマスの休暇時期とは、ひたすら色々な準備や調整を必要とする時期でもあります。

すっかり夜更かしに慣れた息子。夜中を過ぎてもこの通り、部屋を脱走しています。。。

すっかり夜更かしに慣れた息子。夜中を過ぎてもこの通り、部屋を脱走しています。。。

また、忘れてはいけないのが、スペイン人は直前にどさっと準備をする人たちが多いということでしょう。直前に全ての材料を買って食事の準備をしようものなら、魚やお肉の値段は高騰している上、どこも売り切れで材料の確保さえ難しくなります。また、こういったディナーは10人以上ということが当たり前なので、大量に買い込むことを考えると、1日2日では準備はできません。さらに言えば、24日と31日はほとんど全てのお店が午後2時に閉まる上、そういう時に限ってスーパーも市場も長蛇の列です。できるだけ準備は時間をかけて行う必要があります。(それでも、買い忘れたものがあって直前にお店に走るということがありますが…。)

もう私もスペインに来て10年。こちらのやり方には大分慣れましたが、それでも「美しくて素晴らしいクリスマスを過ごす」ことにかける人々のエネルギーには感心させられ、準備するものの多さに驚き、家族や親戚で過ごす濃密な(時には濃密過ぎる?)時間に多少 食傷気味となり 、お祝いが全て終わって日常に戻った時の開放感を喜ぶ…と、そんな感じで毎年過ごしています。

今年は娘も4歳。クリスマスが近づくとウキウキし、毎晩夕食の後にクリスマスキャロルを歌って過ごすという日々が始まりました。今年の流行りは、”Campana sobre Campana“という、こちらでは非常に一般的なクリスマスキャロルです。

Campana sobre campana,
y sobre campana una,
asómate a la ventana,
verás el Niño en la cuna.

Belén, campanas de Belén,
que los ángeles tocan
qué nueva me traéis?

Recogido tu rebaño
a dónde vas pastorcillo?
Voy a llevar al portal
requesón, manteca y vino.

Belén, campanas de Belén,
que los ángeles tocan
qué nuevas me traéis?

この歌の中で、「私はイエス様の誕生のお祝いに、「requesón (チーズの一種)、manteca (豚の脂肪、広くはそれを使ったお菓子)とvino (ワイン)を持って行きます」と言っているのがいかにもスペインです。

息子は2歳で、まだそこまでクリスマスがどういうものなのか理解していないようでしたが、気が付いたらクリスマスキャロルを彼なりに歌うように。(とはいえ、しっかり覚えたのはクリスマスが終わってからでしたが。)そうなると、親としても、子供に夢のあるクリスマスを過ごしてもらいたいと、いろいろな準備をします。ツリーの飾り付けでは、子供達が取っても危なくない飾りを選び、少しずつ準備です。玄関やリビングにもシンプルな飾りをつけ、いただいたクリスマスカードを飾って準備完了。

大晦日のディナーのテーブル。クリスマスの赤に疲れてきたので、白と青にしてみました。

大晦日のディナーのテーブル。クリスマスの赤に疲れてきたので、白と青にしてみました。

義両親がメインのお魚を準備してくれています。

義両親がメインのお魚を準備してくれています。

今年は、クリスマスイブも大晦日も我が家で過ごしました。外も寒いですし、子供たちがお祝いの後すぐ休めるようにと思うと、やはり我が家で準備するのが楽というのが一番の理由です。ただ、クリスマスイブのディナーは私たちがほとんどを準備し、大晦日は義理の両親がほとんど準備をするという割り振りになりました。さらに、公現祭は義弟の家で。(準備はほとんど義両親ですが。)この割り振りもあり、私たちは比較的穏やかなクリスマス休暇を過ごせたように思います。

また、クリスマスの後は、義両親が子供達と一緒に我が家に滞在してくれることになり、久々に夫と夫婦水入らずで旅行をすることができました。平日はお手伝いさんが毎日来てくれたこともあり、義両親への育児や家事の負担が大分抑えられたこと、子供達がおじいちゃんとおばあちゃんと一緒にいられるのを喜んでくれること、私たちがいないことで義両親も好きなように我が家で過ごせたこともあり、皆にとって良い経験となったようです。

久しぶりの夫婦水入らずの旅。エクストゥレマドゥラのカセレスにて。

久しぶりの夫婦水入らずの旅。エクストゥレマドゥラのカセレスにて。

カセレスの美しい街並み。でも、この景色に出会うまでには200段の階段を登らなければいけませんでした…妊婦にはなかなか厳しかったです。

カセレスの美しい街並み。でも、この景色に出会うまでには200段の階段を登らなければいけませんでした…妊婦にはなかなか厳しかったです。

この「家族イベント」のクリスマス、ヨーロッパ人男性と結婚した一部の日本人女性の間では「クリスマス」ではなく「苦しみます」だという話を年末に聞きました。日本の家族から離れてヨーロッパにいると、夫の家族が主導の家族イベントになるケースが多いらしく、本来自分たちの習慣ではない大量のクリスマス準備に追われ、義理の家族の介入を受けてほとほと疲れてしまうということらしいです。しかも、夫も自分の家族と一緒に長くいることに疲れるらしく、皆ストレスを抱えてクリスマス休暇を終えることもあるとか。なまじ「家族イベント」となっているだけに、家族と過ごさないという決断をすると「裏切ったなー!」と反発を受けることもあるとか。それはそれで恐ろしいことです。

カセレスのマヨール広場へと続く門。

カセレスのマヨール広場へと続く門。

私たちは、夫の両親は理解のある人なので、その辺りはかなり融通を利かせてくれますし、前々から「あなた達が家族で旅行したいとか、夫婦で大晦日は過ごしたいなんてことがあれば、こっちに遠慮しなくていいからね」と言ってくれています。恐らく、彼らには沢山の友人がいて、私たちと一緒にいなくても色々な交流ができる人というのが大きいと思います。

また、昔は私が日本から来てスペインにもスペイン語にも不慣れだった為、「スペインではこうなんですよ」という感じで手取り足取り教えてくれましたが、その中には私のやり方と合わないことも多々ありましたし、私が何かをしたくても「それはスペインではしないから」という言葉で否定され、どこか満たされないものを感じたり、夫と自分で何かを作り上げることを阻害されているような感じを受けたこともありました。今はスペインの生活にも慣れ、こちらのやり方を知った上で自分らしさを加えることを覚えましたし、以前より相手の意見に振り回されなくなったように思います。それは、自分が色々な経験を経て強くなったからなのか、それとも、以前より他者の目を気にしなくなったからなのか、正直な所よく分かりません。いずれにしても、色々な迷いの時期を経て、今の自分が一番「自分らしい」と感じます。

こういう変化を経験し、私が以前よりも落ち着いているのを見たせいか、夫も少しずつ私の変化に賛同してくれるようになりました。義両親は、常に息子たちをサポートして行きたいという気持ちがあったようですが、ここ数年の間に、自然と義両親と彼らの息子、そして私と子供たちという「大家族」という構成から、夫と私と子供たちの「小さな家族」が独立するようになりました。この「小さな家族」の中で、私たちが大切だと思う価値観を子供たちと共有し、私たちが好きな料理を作り、私たちの合わさった文化を子供たちに教え…と、私たち四人のユニットが自然にできあがりました。夫は義両親の子供とは言え、もうすでに別の価値観や趣向を持っていますし、私もすでに実家のやり方とはかけ離れた生活を送っている為、この全く違う文化が合わさった「小さな家族」はかなりの独自路線を突き進んでいます。こういうものが、家庭を持つことの面白さなのかなぁ、と最近思います。

クリスマスにサンタさんからもらったホワイトボードにお絵描きをしている娘。

クリスマスにサンタさんからもらったホワイトボードにお絵描きをしている娘。

家族イベントであるクリスマス休暇が終わり、スペイン人も含めた色々な友人から、親戚付き合いが大変だった話等を聞きました。人間関係全体に言えることかも使れませんが、お互い独立していて、相手に余計な期待や重圧をかけず、一緒にいられる時間を楽しめるような関係を作ることが、本当の意味で家族イベントを楽しめる秘訣なのかもしれない、と今回つくづく思いました。

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4 Comments

  1. 明けましておめでとうございます。
    そして、第3子をご妊娠とのこと、おめでとうございます。
    お子様が増えることでこれからも益々Harukiさんらしい素敵なご家庭を築かれることと思います。
    体調が良くなりますよう、日本からもお祈りしています。
    ずっと以前にスペインへの移住のことでPareja de hechoの情報を頂きましたが、この4月にPareja de hechoのビザで渡西することになりました。HPのコメント欄で恐縮ですが、改めてお礼を伝えさせて下さい。有難うございました。^^
    手続きがスムーズに行くかは分からないのですが、バルセロナでも相手の居住する地域はこのタイプのビザが取りやすいそうです。Harukiさんに教えて頂くまでは選択肢に無かったので、非常に参考になりました。

    • Nanacolocaさん、

      メッセージありがとうございます。
      渡西されるとのこと、おめでとうございます。
      私自身Pareja de Hechoのお話をしたことをほとんど覚えていませんでしたが、こういう形で微力ながらNanacolocaさんがこちらにいらっしゃるお手伝いができて、本当に嬉しく思います。

      スペインも、私がこちらに来てから大きく変わりました。
      今は「スペインらしさ」が減った部分もありますが、色々な意味で住みやすい国になっていると思いますのでご安心を。
      今は準備でお忙しいことと思いますが、どうぞ残りの日本での時間を楽しんで下さいね。
      こちらでも何かあればお気軽にご連絡下さい。Bienvenida!

      • ありがとうございます。
        移住後もHarukiさんに連絡出来ると思うと、とても頼もしいです!
        住みやすくなっているとの情報は初めて聞いたので、安心出来ました。
        また、嬉しいことにマドリードと成田間に直行便が復活するみたいですね。
        私はバルセロナに移住するので、まだまだその恩恵には与かれそうにありませんが(^^;)
        東京でオリンピックもありますし、これから日西間の距離がもっと近づいて行くと良いですね。

        • Nancolocaさん、

          そうなんです、確か10月に直行便が復活します????
          個人的には、空港の乗り換えはそれぞれの国の様子が垣間見れて面白いと思うのですが、子供を連れているとそれどころじゃなくなってしまって…(笑)

          実は、Nanacolocaさんからメッセージをいただく直前にバルセロナに出張で滞在していました。
          色々なニュースがあって揺れているカタルーニャ地方ですが、実際行ってみると、人々は親切ですし、バルセロナは美しい街ですし、とても気持ち良く過ごすことができました。
          (とはいえ、今回はオフィスとホテルの往復で終わってしまいましたが。)

          4月なら、ちょうど寒さも和らいで過ごしやすい時期ですね。
          是非、滞在を楽しんで下さいね。